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ぐるり世田谷

世田谷にはたくさんの「訪れたい場所」がある。古くから愛されてきたお店や、知る人ぞ知る穴場など、地元の情報をご紹介。思い出に残る昔の世田谷から今の世田谷まで。

2021.07.19

下北沢 食べることが社会貢献に キッチンカー「eat for…(イートフォー)」

農家支援丼、カレー、ビーガンメニューやブックシェアリング等、気軽に身体や環境に良い「食」に出会えます。

コロナ禍とキッチンカー

最近、色々な所でキッチンカーを見かけませんか。
世田谷区では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた区内事業者への支援と、地域の利便性向上のため、区有地を使ったキッチンカーの出店が増えています。何か大きなイベントなどの時に現れるものだったキッチンカー。コロナ禍で、すっかり街に馴染み、利用することも多くなってきました。どのキッチンカーも個性満載で選ぶのに迷ってしまいます。そんな中、他とはちょっと違う雰囲気のキッチンカー「eat for…(イートフォー)」に出会いました。

「eat for…」の車両の様子

はじめたきっかけは令和元年の台風による農家への被害

車の前面いっぱいに張り紙がしてあり、車の前の看板メニューには『SAVE the FARMERS』と一番大きく書かれています。そばにはテーブルが置かれ、色々な本が何冊も並べられています。「小さなころから、教科書に書いてある地球全体の事に興味があったんです。温暖化?地雷撤去?飢餓?なぜなぜ?って。今もその想いは変わっていません。」と今関さん。

店主の今関さん

手作りの大きな看板

今関さんは、令和元年の台風被害に遭われても頑張っている農家さん達の声をきき、キッチンカーを始めるきっかけになったそうです。
イートフォーでは、ロスになってしまう傷や規格外の野菜を買い取り、美味しい料理にして販売しています。また、「1食5円が農家支援の寄付」となる取り組みもおこない、2カ月で100,000円の支援金を寄付したそうです。今関さんによる農家支援は、今も続き、その繋がりは今や日本各地に広がっています。

環境問題の発信の場でありたい

キッチンカーで移動しながら食の提供をする、という役割以外に、イートフォーはたくさんの社会問題に果敢に取り組んでいます。
容器やカトラリーはなるべくエコ素材。フェアトレード品を進んで使用し、車両に貼り出した企業広告の広告収入は、農家支援に全額まわる仕組み。店頭の本は、ブックシェアリングとして、今関さんがオススメする本コーナー。お客様に読んでもらえるよう並べています。返却は次に会える時で良いそうです。環境や食の事を知ってほしいという今関さんの気持ちが表れているようです。

ブックシェアリング

調味料は瓶に入ったリターナブルのもの、洗剤は動物実験されてないものを選んでいるそうです。使っているうちにマイクロプラスチックになってしまう食器用スポンジは植物由来のものを使用。イートフォーでは、キッチンカーの中のありとあらゆるものが、環境に配慮されています。そしてそれは店頭の張り紙を見れば一目瞭然。どれがメニューかな?と探すくらい、イートフォーには、今関さんからお客様に伝えたい事が農家支援をはじめいっぱいあって、まるで掲示板のようにメッセージが貼られています。

思いがいっぱいの店頭チラシ

「食べることが社会貢献に」農家支援

大学生二人組が、キッチンカーの前に来たのでお話を伺うと、「ビーガンのメニューがあったので、一度食べてみたかった。」とのこと。大豆ミートを使用したビーガンカレーはイートフォーさんの定番メニューです。また、今回のご注文が、農家支援に繋がると知ると二人とも「食べる事が社会貢献に」のメッセージと繋がり感心していました。

大学生のお客様

ビーガンカレーを受け取るお客様

近くの飲食店で働くスタッフの方も休憩中に来店されていました。
「どこの農家さんと繋がっているんですか?」と飲食店のスタッフが聞くと、今関さんは、キッチンカーの外へ出てショウガの生産農家のことを丁寧に説明していました。飲食店の方にも農家支援を知っていただく貴重な機会です。

農家支援丼を受け取るお客様

農家支援丼のジンジャーボウル

「さっき、初めてビーガンを食べると買ってくれた学生さん。嬉しいけれど、責任もすごく感じています。環境や体に良くても、やっぱり美味しくなくちゃいけないな。」と今関さんはいいます。
イートフォーはビーガン料理専門ではありませんが、ビーガンメニューを置いている理由は、「なるべく色々な人にバリアフリーでありたい」という今関さんの思いがあるからだそうです。同様に、英語のメニューも設置しています。これも「誰でも分け隔てなくあたりまえに健康的なものを食べてほしい」今関さんの思いからです。

英語のメニュー

これからも走り続ける「eat for…(イートフォー)」

令和元年2月に走り出したキッチンカーイートフォーは、スタート直後から緊急事態宣言の荒波の中で頑張ってきました。くじけそうになりながらも続けてきたのは「農家さんを助けたい」という思いがあったからだそうです。

続けたてきた事により、全国の頑張っている人と繋がり、お客様から共感の声をたくさんもらえるようになったそうです。社会貢献ができるキッチンカー、今日もどこかを走っています。

キッチンカーの前で、店主の今関さん

出店場所や営業詳細は、下記のHPやインスタグラムにてご確認ください。

インスタグラム:https://www.instagram.com/kitchencar_project/

 

施設概要

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紹介者プロフィール

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ハイコラ ママさんライター

子供からシニアまで支え合える地域づくりを目指し、「おむつ替えMAP」の制作、「三茶テイクアウト」、「松陰通りテイクアウト」WEBサイト制作、「せたがやこども弁当」等の、親子と地域を繋ぐ子育て支援活動しています。

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