あたらしい世田谷

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2013.10.20

アンリ・ルソーら、素朴派・アウトサイダーズの作品に出逢う

世田谷美術館にて、11/10(日)まで開催中の企画展「アンリ・ルソーから始まる 素朴派とアウトサイダーズの世界」。素朴派を代表するアンリ・ルソーをはじめ、画家を本職としない作家の作品、約140点が並んでいます。素朴派・アウトサイダーズの魅力とは何でしょうか。キュレーターで企画担当の遠藤望さんに見どころを伺いました。
[10月の特集] 芸術の秋、世田谷でアートを楽しもう

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*アンリ・ルソー《サン=ニコラ河岸から見たシテ島》 1887-88年頃 世田谷美術館蔵

描く動機を切り口に

「アンリ・ルソーから始まる 素朴派とアウトサイダーズの世界」展が開催されている世田谷美術館。今回の展示作品はすべて、世田谷美術館所蔵作品です。

「素朴派」とは、画家を本職とはせずに絵画を描いた作家のことです。代表例として、アンリ・ルソーやグランマ・モーゼスなどが挙げられます。
「アウトサイダー・アート」は、心に病を抱えていたり、霊的な体験をもつ人の創作です。彼らも、芸術の教育や訓練を受けておらず、既存の芸術の枠にとらわれないアートとして知られています。

「世田谷美術館では、開館当初から、素朴派の展示を数回してきました。今回は、原点にかえった企画です。美術を学んだことのない人たちがなぜ描くようになったのか……。その描く動機に注目しました」(遠藤さん)

“描く動機”を切り口に、第1章「画家宣言―アンリ・ルソー」にはじまり、本職を別に持ち、その傍ら筆を手にした作家の絵画を集めた第2章「余暇に描く」、リタイアした後にキャンバスに向かった作家たちによる第3章「人生の夕映え」など、10の章に分かれて展示されています。

個性的なアウトサイダーズ

第4章「On the Street, On the Road ―道端と放浪の画家」では、ジャン=ミシェル・バスキアなどのストリートの雰囲気を作品に投影した作家や、ホームレスで絵を描き始めた作家の作品が並びます。第9章「心の中をのぞいたら」に展示される心に病をもつ作家の作品は、どれも芸術や思考の規定概念など存在せず、異彩を放っています。

「技術を学んでいないから、縛られていない作品ばかりです。そして、描くことを強制されているわけではない。だから、描くことを自ら選んだという自由さがあります。一つひとつが個性的ですよね。それが、アウトサイダーの魅力だと思います」(遠藤さん)

「アウトサイダー」とは、「集団や組織の外にいる人」を意味します。その定義通り、縛られない自由さと同時に、社会の枠からはみ出た存在だからこその繊細さを感じます。

「アウトサイダーは、何かを真似したわけではない表現です。だから、強烈な印象のものが多い。そこに、特に若い方は惹かれるようですね」(遠藤さん)

世田谷美術館の個性に触れる

ミュージアム コレクション(2F)では、「気になる、こんどの収蔵品」と題して、近年新たに所蔵作品の仲間入りを果たした作品が展示されています。世田谷に縁のある作家の作品も多く、とても世田谷美術館らしいラインナップです。

「1Fではユニークなテーマのコレクション、2Fでは新しいコレクションが同時期に見ていただけます。どちらも見ていただくことで、世田谷美術館の個性が伝わるのではと思っています」(遠藤さん)

秋風を感じながら、刺激を受けに訪れてみてはいかがでしょう。

_______________

[会期](開催中)11月10日(日)まで   
 ※2階ミュージアム コレクションⅡ「気になる、こんどの所蔵品」は2014年1月13日(月・祝)まで
[会場]世田谷美術館 1階展示室
[開館時間]10:00〜18:00(最終入場は17:30)
[休館日]毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)
[観覧料]一般1,000(800)円、65歳以上800(640)円、大高生500(400)円、中小生300(240)円
 ※( )内は20名以上の団体料金
 ※障害者の方は500円(介助の方1名までは無料)、大高中小生の障害者の方は無料
[主催]世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)
[後援]世田谷区、世田谷区教育委員会
[助成]財団法人自治総合センター

[10月の特集] 芸術の秋、世田谷でアートを楽しもう

施設概要

  • 東京都世田谷区砧公園1-2
    住所: 東京都世田谷区砧公園1-2
    電話番号: 03-3415-6011
    営業時間: 10:00〜18:00(最終入場は17:30)
    定休日: 毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)
    URL: http://www.setagayaartmuseum.or.jp/

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紹介者プロフィール

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沢田美希

編集・ライター(ASOBOT inc.)

高校卒業後、上京。デザイン系専門学校インテリア・雑貨スタイリスト科卒。その後、カルチャー誌の編集、音楽会社映像部門勤務を経て、ASOBOTへ入社。『metropolitana』『Starbucks Press』『Dean&Deluca』『Grass Roots』をはじめとするメディアを通して、ライススタイルや旅、カルチャーなどに関するコラムやフィクションを執筆。

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