• HOME>
  • ぐるり世田谷>
  • レトロなトンボ玉づくりができる、下北沢の工房「millefiori」

ぐるり世田谷

世田谷にはたくさんの「訪れたい場所」がある。古くから愛されてきたお店や、知る人ぞ知る穴場など、地元の情報をご紹介。思い出に残る昔の世田谷から今の世田谷まで。

2013.06.22

レトロなトンボ玉づくりができる、下北沢の工房「millefiori」

下北沢の駅から徒歩8分ほど、にぎやかな茶沢通りから少し外れた民家の間にトンボ玉の工房「millefiori」はあります。お店でありながらも、さまざまな道具や材料が雑多に並ぶ、ものづくりの香りのする空間。オーナーの福井由美さんの制作工房を兼ねており、一般の方を受け入れる体験教室もやっていますが、いわゆるカルチャースクールとは少し雰囲気が違います。ガラスや彫金が好きで、トンボ玉に出会ってからは20年近く情熱を注いできたという福井さんに話を伺いました。

写真

トンボ玉の魅力

トンボ玉とは、紐を通すための穴の開いたガラスの玉で、太古の昔からアクセサリーなどに使われてきたもの。四千年前にはつくられていたと言われていて日本へは渡来品として入り、「トンボ玉」という名前がついたのは江戸時代のことです。帯び留めやかんざし、印籠飾りなどに使われるなど、庶民に広まりました。

ガラスのみずみずしい透明感と奥深い色合いに魅了されて、20年以上トンボ玉の製作を続けてきた福井さんは、11年前、下北沢の繁華街から少し外れた場所にお店兼工房を開きました。店名の「millefiori(ミルフィオリ)」はイタリア語で「千の花」の意味で、細かい模様が金太郎飴のように入ったトンボ玉に使うパーツのことを指します。

写真

誰もが気軽にトライできるトンボ玉づくり

大きな焼き釜が必要なガラス細工と違って、トンボ玉は机上のガスバーナーでできるので、手をつけやすいのが魅力です。色の付いたガラス棒をガスバーナーで溶かしながら模様を入れ、さまざまな色を混ぜ合わせて独特の色合いを出します。

ひとつのトンボ玉をつくるのにかかる作業時間はわずか20~30分ほど。冷却する時間も必要ですが、誰でも気軽に楽しめます。ちょっとユニークなおしゃれのワンポイントや、大切な人へのプレゼントにと活用の幅は広く、小学生から、最近では年配の男性まで、訪れるのだそうです。

福井「体験教室と言ってもしっかりとカリキュラムがあるわけではなくて、初めての方には手ほどきだけして、あとは自由に好きなものをつくってもらうようにしています。皆で同じものをつくるよりも、その方が楽しいと思って。クリエイティブにどんどん好きなものをつくりたい人のほうが向いているかもしれません」

写真

写真

奥深い色を出すこだわり

また、自分でトンボ玉をつくらなくても、福井さんの作品でオリジナルのアクセサリーをつくってもらうこともできます。

取材の日、たまたま工房を訪れていた女性が友人への贈り物にと選んだのは、深い藍色の美しいひと粒。福井さんは、その色に合わせて周囲に使う細かなビーズを選び、紐に通して、瞬く間に一連のネックレスが完成しました。

子供の頃からビーズ細工や手を動かすことが大好きだったという福井さん。お客さんに教える時間以外は、ずっとトンボ玉をつくり続けています。

福井「細かい模様を追及する人も多いのですが、私はとにかく色にこだわっています。同じ赤でも、普通に赤のガラス棒を使って思うような赤が出るとは限らない。自分だけの色を出せるように、日々試行錯誤しています」

トンボ玉づくりで難しいのは、ガラスを溶かして作業している時は熱で赤くなるため最終的な色がわからないこと。冷やしてみて初めてどんな色に仕上がったかたわかるのです。

写真

写真

生まれも育ちも下北沢

下北沢にお店を開いたワケを尋ねると、なんと福井さんは生まれも育ちも下北沢。50年以上も、街の変化を見てきた方でした。
今でこそ芝居や音楽など、若者文化発祥の聖地のようなイメージをもつ街ですが、それもここ30年ほどのことなのだそう。

福井「若い人が増えたのは、本多劇場ができてからですね。私が子どもの頃はまだ駅前に闇市があって、駄菓子や化粧品やら下着やら何でも売っていて賑わっていました。私もよく母と行きました」

今も小さい商店が軒を連ね、雑多でレトロな活気あふれる下北沢には、当時の名残があるのかもしれません。そんな下北沢のイメージとも重なる、レトロロマンを感じさせるトンボ玉。キラキラしすぎない、ちょっと大人の個性的なお洒落に取り入れてみませんか?

(撮影:庄司直人 )

写真

写真

施設概要

この記事に関連するタグ:, , , , , , , ,

紹介者プロフィール

甲斐かおり

長崎県生まれ、東京在住。編集・企画・執筆。 地域コミュニティ、まちづくり、モノづくりをテーマに執筆。各地の地域活動、地産品の取材を重ねる。『世田谷くみん手帖』編集部員。ここでは「地方と都心をつなぐこと」「世田谷の人と人、人とお店のつながり」づくりをテーマに書いていきます。

甲斐かおりさんのプロフィール・記事一覧

関連記事

くみん便利帖:毎日の生活で、こんなことありませんか?

×

文字サイズ

  • 小
  • 中
  • 大