あたらしい世田谷

世田谷区民に伝えたい「あたらしい動き」をくみん手帖編集部がご紹介。施設、イベント、取り組みなど遊びから暮らしに役立つものまで。

2024.01.09

砧 ウォーキングサッカーで人の輪をつなぐ 「世田○くらぶ」

性別や年齢に関係なく、誰もが楽しめる「ウォーキングサッカー」。走ることができない歩くサッカーはイギリスが発祥といわれ、日本でもすそ野が広がってきています。世田谷区内でも、2023年10月より平日午前中に砧公園でウォーキングサッカーが行われています。主催しているのは、スポーツを通じて世田谷からたくさんの輪を広げていきたいと2020年に設立された一般社団法人世田○(せたわ)くらぶ。世田○(せたわ)くらぶの代表の大和明志(やまとあかし)さんにお話しを伺いました。

砧公園で開催されたウォーキングサッカー。70代の参加者も熱いプレーを繰り広げた

 

誰もが楽しめる「ウォーキングサッカー」でみんなを笑顔に

「世田○くらぶ」の代表の大和明志さん。豊富なサッカー指導経験を持つ

 

プロサッカー選手を目指した経歴があり、現在は子どもたちにサッカーを指導している大和さん。ウォーキングサッカーを開催しようと思い立ったのは、50代以降の男性の多くが孤独に悩んでいるということを、テレビ番組で知ったことがきっかけでした。孤独を感じる中高年が増えている現実を知り、「何かできることはないかな」と思い浮かんだのが、以前体験したことがあったウォーキングサッカーでした。サッカーと異なり、走らず、接触プレーもないウォーキングサッカーは、誰もが気軽にプレーを楽しめます。それでいて、動く位置を考えるなど、上級者も頭を使い楽しめるそう。ゲーム形式なので、熱中しやすく人との交流が生まれやすいのも特徴です。大和さんは、運動施設が空いている平日の午前中に「ここに来ればワイワイできる」という場を作ろうと、ウォーキングサッカーの開催を始めました。

ゲームを始めると、みんな熱中

 

2023年10月の初開催以来、月に2、3回火曜日の9時から10時半の1時間半、砧公園で参加者を募って開催しています。参加しているのは、人づてに聞いたり、ネットや町に貼ってあるチラシを見たりして、「おもしろそう」と集まった地域の人たち。「子どものころ、サッカーやっていたけど何十年ぶり」と久しぶりにサッカーを楽しむ70代の男性や、「娘はサッカーをやっているけど、自分は見ているだけで運動不足だったから来た」というママさんや「なんだか楽しそうだから来てみた」など、年齢も性別も動機もさまざまな方が集まっています。

シュートが入ると、チームで決めたゴールパフォーマンスをみんなで。一体感が生まれる

 

ウォーキングサッカーは、国内に複数団体があり、さまざまなルールで行われていますが、ここでは初めての人でも楽しめるように、ルールはシンプルです。

1:走ってはいけない

2:ディフェンスは、ボールを持っている人から直接ボールを奪えない。1メートル以上離れる

3:ボールを6秒以上、持ち続けてはいけない

4:肩より高いボールはNG

5:ペナルティエリアにゴールキーパー以外は、入ってはいけない

ボールを奪いにいってはいけない、同じ人が長い時間ボールを持ち続けてはいけないなど、みんながボールに触れて楽しめるようにと考えられています。実際、ゲーム中も上手な人がボールを持ち続けるのではなく、できるだけみんなにボールを回そうというチームプレーの温かい雰囲気に満ちていました。

男女一緒に楽しめるのもウォーキングサッカーのいいところ

 

勝ち負けだけではない、スポーツの可能性

世田○くらぶは、実は大きなゴールを目指して作られた地域スポーツクラブ。現在は、この多世代向けのウォーキングサッカーのほかに、主に中高生の女子にサッカーできる環境を提供する活動をしています。

「日本はスポーツをするのにお金がかかります。いいサービスを受けるためには、大きな経済的な負担をしなければならない。そうでない場合は、質が下がってしまうことも多い。スポーツの受け皿となっている学校の部活は、環境等で大きな差があるのも現実です」と、誰もが気軽にスポーツを楽しめない現状に、大和さんは問題を感じています。世田○くらぶの女子サッカーの活動も、女子サッカー部が少なく、女子中学生がサッカーを続けにくい環境の受け皿になりたいとの思いで始めました。

「スポーツは本来、気軽で息抜きになるもの。でも、日本ではお金を払ってスポーツをすることが多く、お金がかかるとその見返りを求めてしまう。そうすると、どんどんスポーツ本来の意義から離れてしまうように思うんです。世田○の活動は、来たいときに来ればいい、来たときだけ1回ごとに会費を払うシステムとして、来ることを義務としていません」。

「本気で遊ぶ」が“世田○くらぶ”のモットー

大和さんも時にはゲームに加わり、みんなにボールが回るように気を配る

 

世田谷で誰もがスポーツを楽しめる環境を

初対面でも和気あいあい

後片付けもみんなで協力

 

世田○くらぶが目指すゴールは、総合型地域スポーツクラブ。さまざまな年代の方がいろいろなスポーツを、良質な環境で気軽に楽しめる、地域の居場所をつくることです。

「野球やバスケ、サッカー、ラグビーなど、日本人選手の活躍で盛り上がっていますが、スポーツって人を笑顔にするし、すごい力があると信じているんです。世田谷で、スポーツの力で人をつなぎ、元気にしてきたい」と、大和さんは語ります。

最近受講したスポーツマンシップ協会の講座で、「スポーツとは真剣に遊ぶもの」というスポーツの定義を聞き、しっくり来たそう。真剣に遊ぶからこそ、心の底から楽しめ、人とのつながりも生まれやすくなります。

1回600円(2023年12月現在)で、年齢制限なしのウォーキングサッカー。サッカー経験者も、未経験者も、しばらく運動をしていない方も、ウォーキングサッカーで真剣に遊んでみませんか?

文 石塚由香子(合同会社まちとこ)
撮影/壬生真理子

 

一般社団法人世田○くらぶ(せたわくらぶ)

https://setawa-info.wixsite.com/home

ウォーキングサッカーの開催日はHPを参照。
週1回開催の女子サッカーもメンバー募集中です。
小学4年生以上、サッカーの経験は問いません。

 

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合同会社まちとこ

「まちとこ」は様々な得意分野を持ったプロフェッショナルな女性6人の編集・デザインチームです。「楽しい」「心に届く」を大切に、デザイン、編集、撮影を請負い、自ら商品制作、情報発信しています。

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