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くらしの世田谷

世田谷での暮らしを、よりよいものにするための情報。区民の衣食住に関わる取り組みやサービス、町の景観、子育て、町づくり、多世代交流の話など。

2025.03.13

烏山・上馬 大人にも子どもにも寄り添うサードプレイス

自宅や学校、職場以外に、自分を解放してリラックスできる場所、「サードプレイス」が増えています。心がホッとできる拠り所のような場所です。世田谷にもバラエティに富んだ居場所がいくつもあると聞き、2か所にお伺いしました。

烏山 海外展開するNPO法人が運営する場「CFFまなカフェ」

南烏山のコーシャハイムで開催されているコミュニティサロン「CFFまなカフェ」は、NPO法人CFFジャパンが運営する、スタートして4年の小学生向け学習支援の場です。部屋の中では、数名の子ども達と高校生や大学生等20才前後のボランティアの若者が向かい合ってそれぞれの宿題や自習をしていました。

子どもとボランティアの若者が1組になって学習に取り組んでいる

 

スタッフの内海 研治(うつみ けんじ)さんにお話を伺いました。
「NPO法人CFFジャパンは、本来、フィリピンやマレーシアなど海外の児童養護施設を拠点に、日本の若者たちがボランティアをする、という事業をしているのですが、コロナ禍になり、渡航ができなくなりました。そこで、事務所所在地である世田谷区烏山地域で子どもの居場所をスタートしました。」(内海さん)

NPO法人CFFジャパン理事・事業統括責任者の内海さん

 

海外でも日本でも“育ち合い”の機会となる

「CFFジャパンのミッションは“未来の基盤である子どもと青少年と、共に育ち合いながら、その誰もが未来に希望を持てる社会を築く“です。コロナ禍になり、国内でCFFまなカフェを始めてみると、海外活動と同じように、若者たちに変化が起こりました。地域でも“育ち合い”が実践できると気づきました。」(内海さん)

若者の人数が多く、子どもにゆっくり寄り添える

 

兄弟のような関係づくり

CFFまなカフェでは、子どもと若者が1対1で、来てから帰るまで過ごします。
子ども達は宿題を持ち寄ったり、まなカフェで用意したドリルをしています。それを完了するごとにスタンプカードにシールが貼られ、各自、達成する目標を見える化しています。その日、目標の勉強が終われば、ゲームも自由です。

学習目標を見える化するスタンプカード。スタンプが溜まれば、お菓子ももらえる

 

「ここはみんな優しい。ここが一番好き。」「ゲームはここで友達とした方が絶対楽しい。バカみたいな事も言い合えるし。」と子ども達。
ボランティアの若者達は「自分の学んでいることで何か役に立ちたいと思っています。子ども達は僕を通して交通整理をしているようです。私にとっては社会参加の場です。」と話します。
“育ち合い”がキーワードのCFFまなカフェは、家の居間で年長の兄弟に勉強を見てもらっているようなアットホームなやさしい居場所でした。

学年も学校も違うけど友達!

 

上馬 母親達の連携が居場所をつくった「こぐまの会」

上馬塩田ふれあいの家で開催されている「こぐまの会」に伺いました。
会場は、大人や子ども、ボランティアの若者が、立ち働いたり、おしゃべりやゲームをしたりして過ごしています。次々に人が来ては、挨拶を交わしながら、あそびの輪に加わり活気があります。

調理場から見る、賑やかな室内

 

保護者が悩みを話しているうちに始まった

こぐまの会は世田谷区の「不登校保護者つどい」をきっかけに、保護者同士で悩みを相談するようになりました。その中で、もっと情報共有をしたいという声があがり、繋がりの場としてこぐまの会が始まりました。代表の安藤 玲子(あんどう れいこ)さんは、この活動の必要がなくなったら辞めようと考えていましたが、10年経った今でも参加する方が絶えません。
調理をしたり、お茶を飲みながら自然に互いの話を聞き合っています。初めての方に寄り添う先輩ママや、静かに話せるスペースで語り合う姿なども見られます。

「支援されるだけでなく、誰かの力になることで元気になれるので、最近では不登校当事者の保護者で子ども食堂も始めました」(安藤さん)
確かに、キッチンで忙しく働くお母さん達は、大量の食材を調理しながらも、会話がはずんでいました。

作業しながら相談や情報交換

 

悩みは細かく個人的で、幅広い

皆、悩みはあるけれど、内容はそれぞれ違います。修学旅行はどうしよう、卒業アルバムはどうなるのか、進学はどうしたらいいのだろう、などと、誰に聞いたらいいか分からないようなことを、気軽に話せるのが良い所です。互いに似た事例に共感したり、誰かが経験してきた事を参考にしたり、当事者同士だからこそ支え合える場面も多い様です。
「しんどい時に助けてもらった恩を、みんなで送り、つなげています」(安藤さん)

人と会いたいからこぐまの会に来ています

お話を聞いた高校生のSくん。
中学校は不登校でした。Sくんのお母さんがこぐまの会に参加していたのをきっかけに、Sくんも参加するようになりました。人と関わりたくないと思っていたS君でしたが、こぐまの会に来るうちに、いろいろな人と話をするのが楽しくなったといいます。今では自分に自信もついて「嫌になったらいつでも線を引いて一人になれるから、もう大丈夫です」と教えてくれました。

保護者が心を開いた第3の居場所は、子どもたちにとっても、家庭より少し広い次の社会になり、成長と勇気をもたらす場になる様でした。

みんなで作って、みんなで食べる

 

世田谷区には他にもたくさんの子どもの居場所があります。内容や目的はさまざまです。誰かと出会える場として、第三の居場所を探してみたいという方は、以下のHPより連絡して訪問してみてはいかがでしょうか?

・世田谷区 HP「学習支援」
https://www.city.setagaya.lg.jp/02413/2119.html#p2

・世田谷区 HP「ひきこもり支援」
https://www.city.setagaya.lg.jp/fukushikenkou/seikatsushien/11793.html

・「CFFまなカフェ」 CFFジャパン HP
https://cffjapan.org/community/mana-cafe
※「世田谷区子どもの学び場運営スタートアップ事業」令和6年度対象

・こぐまの会
お問合せ e-mail koguma.happy@gmail.com
※「世田谷区ひきこもり等居場所事業補助金」令和6年度対象
※来年度から「こぐまの会」は第3月曜日の開催(祝日は第4)になります。

 

・「CFFまなカフェ」

・こぐまの会

施設概要

  • 東京都世田谷区南烏山6-12-1 コーシャハイム千歳烏山1号棟 コミュニティサロン
    住所: 世田谷区南烏山6-12-1 コーシャハイム千歳烏山1号棟 コミュニティサロン
  • 東京都世田谷区上馬2-17-13 上馬塩田ふれあいの家
    住所: 世田谷区上馬2-17-13 上馬塩田ふれあいの家

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紹介者プロフィール

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ハイコラ

ママさんライター

子供からシニアまで支え合える地域づくりを目指し、「おむつ替えMAP」の制作、「三茶テイクアウト」、「松陰通りテイクアウト」WEBサイト制作、「せたがやこども弁当」等の、親子と地域を繋ぐ子育て支援活動しています。

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