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ぐるり世田谷

世田谷にはたくさんの「訪れたい場所」がある。古くから愛されてきたお店や、知る人ぞ知る穴場など、地元の情報をご紹介。思い出に残る昔の世田谷から今の世田谷まで。

2025.12.17

粕谷 若者の居場所と未来を支える「Green Witch Tea House」

進路や働き方に迷い、社会とのつながりを見失いやすい若い世代。そんな“空白の時間”にそっと寄り添う場所が、芦花公園近くにあります。親しみやすいカフェに訪れる、その小さな一歩が、未来への扉に変わる。Green Witch TEA HOUSE(グリーン ウィッチ ティー ハウス)の取り組みをご紹介します。

ハーブティーから始まる小さな支援

「蘆花恒春園」通称芦花公園からすぐの住宅街にひっそりと佇む Green Witch TEA HOUSE。
一見すると、香り高いハーブティーや食事を楽しめる落ち着いたカフェですが、実は特別な思いで開かれたカフェです。それは“若者の居場所”であり、“未来につながる一歩を支える場所”です。

可愛らしく控えめな雰囲気のカフェ外観

 

大学の就職支援で知った若者の苦悩

オーナーの宇津 恭子(うつ きょうこ)さんは、国家資格キャリアコンサルタント国家検定2級キャリアコンサルティング技能士。キャリアコンサルティング技能士とは、働く人の悩みや希望に寄り添いながら、進路・転職・職場での課題などを一緒に考える国家資格の専門家です。宇津さんは、大学で進路相談に携わり、就職が決まらず心を病んでしまう学生や、特性ゆえに面接で通らず自信を失う学生など、数多くの現実を目の当たりにしました。義務教育を終えたあと、学校にも会社にも属していない若者は、社会とつながる機会を失いがちです。その“空白”を埋める居場所をつくりたい―そう考え、一念発起。若者支援のNPOを立ち上げ、このカフェをオープンしました。

 

オーナーの宇津 恭子さん

 

カフェと若者支援の場を併設している理由

カフェを併設したのには二つの理由がある。
ひとつは、誰もが利用できるGreen Witch TEA HOUSEを、支援を必要としている若者に繋げられるコネクト空間とすること。入りやすい雰囲気で、同じ場所、同じ人がいて、活動日以外でも会うことができるというのも、カフェ併設の大きな利点になっています。そしてもうひとつは、誰もが気軽に立ち寄れる場所を用意したいという思いからだといいます。
「悩みを抱えた若者が“相談のために”来るのは勇気がいるけれど、“お茶を飲みに来る”ならハードルは低い。カフェに何気なく親子で立ち寄っていただいた際に、若者支援のパンフレットや雰囲気を見て興味・関心が湧いた方に、スタッフが声をかけて気軽に支援を受けられるようにしています」(宇津さん)

全体的に木が使われ、優しい暖かみのある店内

メニューの中でも豊富な種類のハーブティーは、体や心の不調と結びつけて紹介されており、「集中したい」「リラックスしたい」「疲れが取れない」などのメニューから選ぶ仕組みです。
「その人が選んだお茶から、心身の状態が見えてきます。」(宇津さん)
言葉にならない思いも、ハーブティーの香りに乗せて、そっと表現されるのです。

豊富なハーブティは選んだ心や体の状態もうつしだす

 

若者のための2階スペース

カフェの2階には、中学校卒業から35歳までの若者支援専用の落ち着いたスペースが設けられています。年齢の目安は、目的が登校支援ではなく自立支援だという事から決めてあります。公的支援の途切れがちな年齢の方に利用してほしい。ここは一般のお客様とは分けられた空間で、安心して過ごせる“居場所”です。

2階の窓が大きく、天井も高い空間はゆったりとして心地いい

 

支援にあたるのは、宇津さんともう1名、やはりキャリアコンサルタントであるスタッフ1名。2人とも専門知識を持ち、若者が「社会に出たい」と思ったとき、進路や就職活動に関して具体的なアドバイスを受けることができます。ただし、始まりは必ずしも相談ではありません。まずは2階で静かに過ごしてみたり、定期的に開かれるイベント「ボードゲームNight」に参加して仲間と交流したり。そんな気負わない一歩から、安心できる人間関係が生まれていきます。

階段上の吹き抜けには光がふりそそぐ大きな窓

 

さらに2階には、有料で貸し出す小さな個室もあります。読書や勉強に集中したいとき、面接の練習やオンライン面接を受けたいときや、「家では集中できない」「安心できる環境で準備したい」という若者にとって、便利に利用できる空間となっています。

集中して学んだり、面接に使ったりできる部屋

 

誰もが応援できるカフェとして

Green Witch TEA HOUSEは若者支援の拠点の場でありながら、カフェとしての魅力も十分です。1階はどなたでも気軽に利用でき、豊富なドリンクや食事、スイーツが揃います。

ランチ(11:00~15:00)で1番人気のタコライスは、ハーブティ付で1,210円

自家製ケーキで一番人気は、きび糖を使った素朴な甘さのベイクドチーズケーキ495円

ケーキ・パイ・マフィン・クッキーなどスイーツの品揃えも豊富

子育て中のお母さんや地域の方々に日頃の、リフレッシュの場としてカフェタイムを楽しんでいただく。それが、間接的に若者の支援活動につながっていきます。

 

テラス席はご近所マダムに大人気

「迷っている若者、ひとりでいたくない若者に、もっとここを知ってほしい。そして支えている親御さんにも、ここで少し肩の力を抜いてほしい」(宇津さん)

義務教育の枠を外れ、社会との接点を持ちにくくなった若者にとって、安心して過ごせる場所は何よりも大切です。1階のカフェで一息つき、2階のスペースで静かに過ごす。お茶を飲みながら会話を楽しみ、ボードゲームで笑い合い、個室で未来に向けて準備をする――そんな日常の積み重ねが、次の一歩を踏み出す力を少しずつ育んでいる様です。

芦花公園の Green Witch TEA HOUSE。ここは、若者の居場所と未来を支える、特別なカフェです。


※メニューは、2025年11月現在の価格(税込)です。

※イベントなどの開催日や参加方法は、以下のインスタグラムをご参照ください。

◆特定非営利活動法人Green Witch

Instagram greenwitch_wakamonosien 特定非営利活動法人GreenWitch

施設概要

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紹介者プロフィール

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ハイコラ

ママさんライター

子供からシニアまで支え合える地域づくりを目指し、「おむつ替えMAP」の制作、「三茶テイクアウト」、「松陰通りテイクアウト」WEBサイト制作、「せたがやこども弁当」等の、親子と地域を繋ぐ子育て支援活動しています。

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