2022.07.01
世田谷代田~下北沢~東北沢 「下北線路街」が全面開業しました
世田谷代田~東北沢間の小田急の線路跡地にできた「下北線路街」をご紹介します。
世田谷で行われたイベントやワークショップなどの体験レポート。くみん手帖編集部およびくみんライターが参加した感想や、当日聞いたお話、エピソードなどをご紹介。
店がまえから商品にいたるまで、子どもたちが自分で考え販売する「こども商店街」が、3月21日に羽根木プレーパークで開催されました。今年で27回目となるこのイベントでは、子どもたちがアイディアを振り絞った商品を、本物のお金を使って販売します。小学校3年生になる娘の出店を見守りつつ、過去最大の出店数となった「こども商店街」を取材しました。
こども商店街は毎年テーマを決めて開催しますが、今年のテーマは「これって、アリ?」。既成概念にとらわれず、大人たちには思いつかないような自由な発想で、子どもならではのお店を実現して欲しい、と設定されました。「申し込み時には『もうひとひねり欲しいなあ』、と申し込み書にダメ出しすることもありました。ただお店を開くのではなく、子どもたちがアイディアを振り絞った発想を自分たちの力で実現するものであって欲しい、と思っています」と話すのは、「こども商店街」主催の羽根木プレーパークでプレーリーダーを務めるまっくさん。
今年は小学校1年生から中学校3年生まで(参加資格は高校3年生まで)計57店舗が参加し、迷路ゲームや射的など子どもらしいゲーム屋から、うどんやカレーなどの食べ物屋、雑貨を売るお店、自作の本を売るお店、リクエストされた曲を演奏するお店など多種多様なお店が出店しました。
子ども商店街の特徴は、店がまえや看板なども自分たちで作ることです。今年は、2月の後半に誰と何のお店をするかを決めて申し込み、3月1日に、場所を決める抽選会が終わると、お店作りの期間がスタートしました。子どもたちは、プレーパークに用意されている材木、鋸や金槌、ペンキなどを使い、お店を作っていきます。慣れていない子どもにとって土台作りは一苦労。上手に杭が打てず、せっかく作っても壊れてしまうことも。「プレーリーダーに聞くこともできますが、とにかくみようみまねでやってみると『こうすればいいんだ』とわかり、子どもたちだけで作れるようになります」(まっくさん)。昨年に経験を積んだ我が娘は「もうコツがわかっているから大丈夫」と今年は涼しい顔でした。小学校高学年や中学生になると、立派な2階建てのお店も作れるようになる子もいます。商店街終了後には、「店構えコンテスト」が行われ、優勝したお店はその建物を1年間残せる、という栄誉を与えられます。
当日、商店街をぐるっと一回りすると、大人顔負けの食べ物や手作り雑貨を売るお店から、思わず「くすっ」と微笑んでしまうお店までさまざま。値段は200円以内に設定。1回10円のゲームから、200円のうどんや丼ものまでありました。中学生が1人でやっていた鶏皮こんにゃく丼は、看板もなく味勝負。「昨日は夜の11時から2時までかかって作りました。鶏は1時間下ゆでをして脂をのぞきました」と本格的なものでした。
朝から曇り空の天候もなんとか持ちこたえ、大盛況だった1日。1日働き、「儲かって楽しかった」とにこにこ顔の子どももいれば「今年は儲からなかった」とちょっと不満顔の子どもまで。我が娘は後者で、終わった瞬間から来年の作戦をお友だちと考えていました。見守っていた保護者の方に話を聞くと「子どもたちが自分で全部やってとてもいい勉強になる」という意見や「火を使うなど危険があるので、どこまで口を出せばいいか難しい」という感想もありました。
我が娘グループも、放って置いたら最後のお金の清算がめちゃくちゃ。思わず口を出してしまいました。過去最大の出店数となった子ども商店街も終わり、「『やりたい!』と言ってくれる子どもが多かったのはとてもうれしい。ただのお店屋さんごっこではなく、子どもたちが自分たちの力で自由な発想を表現する場として、来年以降も開催していきたい」(まっくさん)
この記事に関連するタグ:こども商店街, イベント, 北沢エリア, 梅ヶ丘駅, 羽根木公園、羽根木プレーパーク
世田谷区を中心とした現役子育てママたちの編集チーム。妊娠時に世田谷区から配布される「せたがや子育て応援ブック」など世田谷区の発行物の編集のほか、「小さなお店のつくり方 育児しながら起業編」「忙しいママでもラクラク作れるこどもが喜ぶお弁当」(辰巳出版)など出版社発行の書籍の編集も手がける。
文字サイズ