2022.09.15
祖師谷 地域の口コミ満載『そしがや子育てマップ』を制作した加藤剛さん
小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅を中心に南北3キロにわたるエリアで、子育てに関わる施設やお店、公園、病院などの地域の口コミ情報を集めて作った『そしがや子育てマップ』。コロナ禍で対面での交流がしにくくなっている今だからこそ、地域の口コミ情報を集めた媒体が必要という思いが込められています。制作した加藤剛さんにお話を伺いました。
世田谷の街に根ざした活動・取組みを行う人や、世田谷で活躍する「このひと」のインタビュー。それぞれの想いがある世田谷のお話。
2年前に三宿通りにオープンしたシングルオリジンコーヒー専門店「NOZY COFFEE」は有名誌のコーヒー特集でも注目されるお店です。人気のパン屋さん「シニフィアン・シニフィエ」の真向かいに位置し、「世田谷パン祭り」を主催する三宿四二〇商店会でも活動する若きオーナー能城さんにコーヒーや地域について伺いました。
世田谷くみん手帖(以下、せたみん):コーヒー店をつくるきっかけは?
能城:大学時代にコーヒー屋で働いていたことがきっかけで、いつかカフェを開きたいなと思いはじめました。そこでカフェ巡りをしているなかで「フェアトレード」という言葉と出逢い、大学の研究でエチオピアのコーヒー豆の生産者の状況についても学びました。
せたみん:なるほど。
能城:フェアトレードとは生産者からフェアな価格で豆を購入するものですが、生産者を救うといってもしっかり美味しいものが適正な価格で提供されるのが、ちゃんとしたフェアトレードだと感じたため、カフェではなくコーヒー豆を売るお店をつくろうと思いました。
せたみん:それで自分のお店を?
能城: はい、ただフェアトレードコーヒーといっても、お客様に生産者が大変で・・・という見せ方ではなく、むしろ「これすごく美味しくないですか?」と言い伝えたかったんです。しっかりとした価格帯で美味しいものには対価を払うという意識を広げていけば、消費者も美味しいコーヒーが飲めてうれしいし生産者も喜ぶ状況がつくれるんじゃないかと。そして、そのひとつの解決策が、お店でブレンドしないコーヒーを出すことでした。コーヒーはブレンドされることによって産地が分からなくなる側面もあるので。
せたみん:シングルオリジンというのはなんでしょうか?
能城:言葉の定義でいうと野菜でいうと「◎◎さんちでとれた野菜です」ということなので、だからそれだけで美味しいという話ではありません。でも、それが美味しければ何かの理由があり、またそれを知ることができます。
せたみん:それからどういう流れでコーヒー屋さんをつくられたんですか?
能城:大学4年のとき、大学の近くの湘南台に場所を間借りして、朝だけテイクアウトコーヒーを売るコーヒースタンドをはじめました。そこは半年ほど続け、大学卒業後の2010年8月に三宿店をオープンしました。
せたみん:場所を三宿に選んだことには理由があったんですか?
能城:三宿を選んだのは、そんなお店のコンセプトをしっかりと受け取ってくれる消費者はどこにいるんだろう?と思って探したどり着いた答えでした。たとえば渋谷のど真ん中であれば、コーヒーは売れたとしても味やメッセージまで受け取ってもらえるのか分からない。カフェでなくコーヒーショップにこだわりたかったので、時間をつぶすために来てもらうことももちろん良いのですが、しっかりコーヒーを味わってもらいたくて、駅からも遠い三宿エリアならわざわざ足を運んでもらう必要がある分、期待をもって来てもらえると。
せたみん:お客様にはどのように広がっていったんですか?
能城:はじめはどれだけ来るかはわからなかったので、オープンから10日間で無料券を撒いたんですが、オープン当日と翌日だけで1000人以上の方に来ていただけました。それから少しずつ雑誌に取り上げていただいたりし、今はカフェやレストランにも豆を卸しています。
せたみん:近隣の方はどのようにNOZY COFFEEを活用されていますか?
能城:このエリアには暮らしに対する意識の高い方が多くいらっしゃり、近隣の方には毎朝コーヒーを飲みに来てくれる方や、毎週豆を買いにきてくれるお客様もいます。コーヒーを楽しむだけでなく知りたい学びたいと思われている方がいらっしゃるのでセミナーも開いています。ぼくたちは美味しいコーヒーを淹れているんですが、美味しいコーヒーを飲んで幸せな時間を過ごしてくださることを目指してやっているので、自然あふれる三宿に住まわれているかたの暮らしが美味しいコーヒーでより幸せになったらうれしいなと思っています。
せたみん:「三宿商店会」にも入られ、地域の活動もされていますね。
能城:大学4年の頃、コーヒーと共に「まちづくり」の研究もしていたんです。街や近隣同士のコミュニケーションをよりよくするには?ひとつの企業がまちづくりにどう貢献できるか?というのは実行しながら探しています。
せたみん:「世田谷パン祭り」ではトークショーやコーヒーの出店で参加されていますが、イベントをどのようにしていきたいですか?
能城:「世田谷パン祭り」も誰のためのパン祭りなのかというのを考えたくて、昨年もたくさんの人が来て、商店会もパン屋さんも潤ったんですが、地元の方も喜んだかといわれたら課題も残ったので、今年は地元の方が優先購入できる時間もつくっています。ゆくゆくは、パン祭り実行員会のなかに地元住民チームがはいったら理想ですね。地域の会議では「地元の人としては若い人が歩いてくれるだけで活気がでるから歩いてほしい」というニーズがあるので、昭和女子大さんとコラボのパンをつくったりしているのは本当に良い取り組みだなと思いますね。
せたみん:世田谷くみん手帖を見ている読者の方にメッセージをお願いします。
能城:三宿エリアには強いこだわりや魅力のあるメッセージをもったお店が多いので、三宿通り、世田谷公園の自然に足を運んで、ここにある良いものと出逢ってもらいたいなと思います。また、パンにたくさんの種類があるように、コーヒーにも色々と種類があるので相性って存在するんです。パン好きの方にはそういった相性も探して楽しんでもらえたらうれしいです。
株式会社NOZY珈琲代表取締役。SFC慶應義塾大学卒業。大学時代に湘南台でコーヒー店をはじめ2010年に三宿に移転。シングルオリジンコーヒーの文化を創造し、世界を豊かにすることが夢。2012年11月23日開催「世田谷パン祭り」のトークショー「NOZY COFFEEの美味しいコーヒーの話」講師。
住所: | 世田谷区下馬2-29-7 |
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電話番号: | 03-5787-8748 |
URL: | http://www.nozycoffee.jp/ |
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