地域に根ざした“まちのオーケストラ”
下高井戸を拠点に活動する市民オーケストラ、しもたかフィルは、2025年で20周年を迎えました。2004年、松沢小学校の旧校舎ランチルームに小学生を含む地域の音楽好き20余名が集まって始まったこの楽団は、今や下高井戸には欠かせない“まちのオーケストラ”として親しまれています。

真剣な面持ちで臨む練習風景
指揮を務めるのは、ヴィオラ奏者でもある東 義直(ひがし よしなお)さん。プロの音楽家としての経験を活かし“演奏に集中できる環境を“と、選曲や練習計画も自ら担っています。そして、プロデューサーでありヴァイオリン奏者の妻、手島 志保(てしま しほ)さんとともに、楽団を支えてきました。

指揮者東さんの言葉に団員の視線が集まる
誰でも楽しもう!音楽の素晴らしさ
「楽器を始めたばかりの人もいれば、長年続けている人もいる。やってみたい気持ちがあれば、誰でも歓迎です」(手島さん)
団員の入団2年目で、ヴァイオリン奏者の堀田 彩子(ほった さいこ)さんは「しもたか音楽祭で聞いて感動し、楽器を買ってまだ弾けないうちに入団しました。弾ける所を弾けばいいと手島先生に言っていただいたので、本当に入団させてもらい、今に至ります」(堀田さん)

息を合わせ、音色を重ねていく
練習では、団員たちは真剣なまなざしで指揮の東さんに食らいついています。弦楽器と木管楽器の掛け合いのタイミングを何度も繰り返し合わせたり、「ここはもっと軽やかに」と東さんの指示に応えて、音の表情を変えてみたり。音がぴたりと合ったときには、みな一息つき、手応えのある様子でした。休憩中は、譜面をのぞき込みながら「ここ、どう弾いてる?」と相談し合ったり、最近の出来事を語り合ったりと、和やかな空気が流れていました。

支え合いながら音を磨いていく
「温かくも集中した空気の中で、演奏が組み合わさってゆき、少しずつ形になっていく事こそが、オーケストラの醍醐味なのです。なんといっても一人ではなく、みなさんとアンサンブルするところが楽しいのです。」とコントラバス奏者の藤田 勇(ふじた いさむ)さんは話します。

重厚な響きを支えるホルンの音
20年の節目に、ドヴォルザークを
2025年11月、せたがやイーグレットホールで開催された第20回記念定期公演では、鉄道好きの東さんが敬愛する作曲家ドヴォルザークの作品を全曲に選び、鉄道尽くしのプログラムで披露。汽車のリズムを模した楽曲は迫ったり遠ざかったりする列車が目に浮かぶようで迫力ある演奏でした。会場は盛大な拍手に包まれ、オーケストラとして20年、地域に根差しながら一歩ずつ歩んできた道のりも感じられる公演会でした。

第20回記念定期公演は地域のファンで埋め尽くされた
地域と共に、これからも音を重ねていく
“音楽は人と人をつなぐ力がある”と東さんは語ります。毎年、しもたか音楽祭※では、熱のこもった演奏が、通りを行き交う人々の心にダイレクトに届きます。
日常のすぐそばに音楽がある、その喜びを分かち合いながら、仲間と音を重ね、少しずつひとつの曲を仕上げていく。何度も練習を重ねて迎える本番に、音がひとつになった瞬間の高揚感や、演奏後に観客から届く拍手の響き。それらがしもたかフィルの団員にとってかけがえのない達成感になっています。
しもたかフィルでは、音楽を奏でてみたいという気持ちを持つ仲間をいつでも歓迎しています。まずはお気軽にお問合せください。音楽を奏でてみたい気持があれば、一歩を踏み出す場所が、ここにあるかもしれません。
※しもたか音楽祭とは
毎年秋に下高井戸商店街と松沢小を中心に開かれる地域音楽祭。学生やプロが出演
◆しもたかフィル HP
https://simotakaphil.wixsite.com/shimotakaphil