2024.10.21
池尻 小学生と訪れる「せたがや未来の平和館」
世田谷区立平和資料館は、世田谷区立世田谷公園の中に、太平洋戦争終戦から70年、平和都市宣言30周年、平和資料室開設20周年という節目の2015年に開設された資料館です。愛称は「せたがや未来の平和館」です。戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝え、恒久の平和を願う取り組みを行っている施設です。
世田谷にはたくさんの「訪れたい場所」がある。古くから愛されてきたお店や、知る人ぞ知る穴場など、地元の情報をご紹介。思い出に残る昔の世田谷から今の世田谷まで。
環状八号線と東名高速道路が交わる瀬田五丁目、住宅地のなかに「世田谷区立瀬田農業公園 フラワーランド」があります。丹精込め育てられた菊やバラが見ごろを迎えた穏やかな秋日和、園内を散策してきました。
フラワーランドの秋は、菊やバラを中心に落ち着いた色合いの庭景色となります。
その中でも菊は、奈良時代に中国から不老長寿の仙薬として渡来。宮中で重陽の節句で厄除けや長寿を願い「菊酒」として飲み、美しさを競う「菊合(きくあわせ)」など、その雅な姿や香を愉しんだそうです。また、おめでたい瑞祥紋として好まれ、天皇・皇族の印としても用いられています。
江戸時代に流行った「園芸」により、武士や植木職人により様々な品種改良がされました。庭が無い庶民にも露地先での鉢植えが愉しめ、菊見世の興行も盛んとなりました。今でも春の花見と並び、秋には菊人形等が、季節の娯楽、風物詩として楽しまれています。
フラワーランドでは、友の会「菊部会」がフラワーランド流の菊づくりで、丈夫で、立派な花が咲くように手入れをしています。腐葉土、赤玉等を独自の割合でブレンドして土づくりをして、春にはさし芽や鉢上げで殖やし、施肥を繰り返し丈夫な株に育てているそうです。
「菊づくりは、園芸の中でも盆栽のように職人的な技を使い、花を咲かせることを愉しむ方が多いです。並べる鉢毎に、予定通りの高さと花の大きさに揃え育てるには、高度な技と経験が必要です。手間を掛けた分、立派で見事な花が咲くと、手応えを感じます。」とお話くださるフラワーランド友の会の会長で菊部会の川井さん。
大菊に比べ、小菊の代表的な仕立ては、「懸崖作り」や「ローソク作り」「玉作り」があるそうです。フラワーランドでは、花が滝の様に垂れ下がった「懸崖」が見ごろとなっていました。
秋のフラワーランドには、花だけでなく果樹の実りや木々の紅葉する様もシックな色合いで面白い形の花、実がいっぱいで見どころ満載です。
世田谷の農業のひとつとして盛んだった、花き園芸を中心に「花づくりの出来る公園」として「区立瀬田農業公園 フラワーランド」は昭和61年に開園されました。
「フラワーランドが他の公園と違うのは、友の会、花づくり教室という区民ボランティアの方々と一緒に、環境に配慮したフラワーランド流の園芸で、花壇づくりをしているところです。」と世田谷トラストまちづくり(以下、トラまち)の担当者山﨑さん、沓澤さん。
フラワーランドには、子どもが遊べる広場や、水車小屋、浅い水辺のせせらぎもあります。四季の植物だけでなく、虫などのいきものにも触れる事ができます。日中は近隣の保育園・幼稚園の園児たちや、高齢者施設の方々ものんびり訪れる、世田谷のオアシスとなっています。
この夏からの猛暑日続きで、園内の植物の生育にも多大に影響したそうです。菊の開花も当初より10日ほど遅れましたが、その艶やかに咲く花は、秋の美しさを伝えてくれます。
菊の展示は11月26日まで行っています。今が最盛期になっているそうなので、ぜひ散歩がてらフラワーランドに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
住所: | 世田谷区瀬田5-30-1 |
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電話番号: | 03-3708-7881 |
営業時間: | 夏期(4月~9月)8:30~18:00 冬期(10月~3月)8:30~17:00 |
定休日: | 休園日 12月29日~1月3日(他にメンテナンス休園あり) |
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せたがや歩兎庵
くみん手帖編集員
"手考足思"を座右の銘に、まち・ひと・ものに纏わる思いやコトを採集し、大風呂敷を広げる、自称「マチアルキニスト」。
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