世田谷区をホームタウンとする「SETAGAYA UNITED」(写真提供:SETAGAYA UNITED)
大きな公園が多く、グラウンド環境が充実した世田谷区は魅力
SETAGAYA UNITEDを立ち上げたのは、東南アジアを中心に国内外10チーム以上でのプレー経験を持つ地頭薗雅弥(じとうぞのまさや)さん。東京に戻り仕事をしながら現役生活を続けていた32歳の時に、「今までお世話になったサッカーに恩返しがしたい。チャレンジする人を応援したい」とチーム創設に動きました。
地頭薗雅弥さん(左)と、元横浜Fマリノスや京都サンガFCなどでプレー経験を持つ比嘉祐介さん(右)
世田谷を選んだのは、18歳から暮らす大好きな街ということに加え、大きな公園が多くグラウンドが充実した環境にポテンシャルを感じたから。チーム創設時に実施したクラウドファウンディングでは200万円を超える資金を集め、元Jリーガーなど志を共にする仲間が集結。「サッカーで人と地域、人と社会を繋ぎ、世田谷という地域を前に進めていきたい」とう思いに共感する地元の人々にも支えられ、「SETAGAYA UNITED」の名は少しずつ地域全体に広がり始めています。
試合会場では、Tシャツや靴下などのチームグッズを販売。選手のユニフォームも黒一色で「かっこよさ」にこだわっている
選手と子どもたちの交流イベントを実施
6月のある週末、駒沢公園内にある駒沢第二球技場には、子どもたちの楽しそうな声とボールを蹴る音が響き渡っていました。この日行われたのは「SETAGAYA UNITED SUMMER FES 2023」と名付けられた、地域の子どもたちとの交流を深めるイベント。世田谷区を拠点とする中学生チーム「FC駒沢」と、千葉県の大学「麗澤大学」の学生も協力し、サッカー教室のほか、サッカーボールを蹴りながらコーンなどを飛びこえてスピードを競う障害物競争やシュートチャレンジなどのスタンプラリー、ユニフォームがもらえる抽選会などが開催され、のべ約100人の参加者が集まりました。
初対面が多かったこともあり、最初は声が小さく緊張した様子だった子どもたち。でも、選手たちの明るく元気な声掛けで次第に打ち解け、いつの間にかサッカーに夢中! 互いの名前を大声で呼び合ってパスを交換したり、選手に食らいついてボールを奪ったりと、夢中でボールを追いかけます。新旧のヒット曲が流れるスタジアムで、初めてボールを蹴る小さな女の子も、日本代表のユニフォームを着た小学生も、ともに汗を流した2時間。スタンドには飲み物を片手に子どもたちを見守る大人たちの姿もあり、「サッカーがある日常の幸せ」を肌で感じられました。
近くで遊んでいた子どもたちが次々と飛び入り参加し、イベントは大盛況!
FC駒沢は、SETAGAYA UNITEDとのミニゲームで交流
1人で参加した子どもにも、SETAGAYA UNITEDの選手がやさしく声をかける
ボランティアスタッフも一丸に!
「地元の駒沢でサッカーの試合を見られて、みんなで盛り上がれるのがうれしい」と話すのは、チーム創設時からボランティアスタッフとして活動している正村久美子さん。看護師、そして母として忙しい日々を送る中でも、試合運営を手伝ったり選手の体調を気遣ったりと、チームを支えるために日々奔走しています。
同じくボランティアスタッフの粕谷匡男さんは、世田谷区内で未就学児や小学生にサッカーを教えている指導者。「世田谷でサッカーを頑張っている子どもたちにとって、SETAGAYA UNITEDが将来の夢、希望になればいい」との思いで、チームをサポートしています。
ボランティアスタッフの正村久美子さん(左)と粕谷匡男さん(右)
「SETAGAYA UNITEDは選手とスタッフ、サポーターの距離が近く気軽に声を掛け合うアットホームなチーム。スタッフになってから知り合いがたくさん増えて、めちゃくちゃ楽しい!」と口をそろえる2人。プロのチームではないため資金や労力は限られていますが、だからこそ「チームをともに、ゼロから作り上げる」という一体感が育まれています。
公園遊びやお花見のついでに、試合観戦を楽しんで欲しい
SETAGAYA UNITEDが掲げるのは、「連動してボールをつなぎ、守備も攻撃も一体となって主導権を握る本気のフットボール」。昨シーズンは、東京都社会人4部リーグで6勝2分の2位、4部残留という結果でしたが、「もちろん昇格したいし勝ちたいけれど、貫くことに価値がある。選手が想像以上に成長してくれているので、このサッカーで勝てると信じている(地頭薗さん)」と、信念は揺るぎません。
この一年間で、試合前にグラウンドを開放して自由にボールを蹴る時間を設けたり、世田谷公園で三宿四二〇商店会が主催の「あおぞら図書館」イベントで、フットボールプレイパークとして、あおぞらサッカー交流会を実施。挨拶の代わりのパス交換など、子どもから大人まで楽しめる遊びで、さまざまな地域交流をしてきたSETAGAYA UNITED。昨年の夏には、平日の早朝に世田谷公園でグラウンドの開放を行い、出勤前の会社員にサッカーを楽しんでもらったそうです。
三宿四二〇商店会のイベント「あおぞら図書館」ではフットボールプレイパークを開催
こうしたイベントや試合の情報は、今後も、インスタグラムやTwitterを通して随時告知していくそうです。
「公園で子どもと遊んだり、お花見をしたりするついでに、SETAGAYA UNITEDの試合を少しだけでも覗いてみて欲しい。SETAGAYA UNITEDが、家族や友達とをつなぐコミュニケーションツールになれたら最高ですね」と地頭薗さん。「試合後には子どもたちからサインや写真を求められますが、実は僕らも子どもやサポーターから元気をもらってるんです。」と話します。
理想のサッカーを追い求めながら、目の前の仲間や家族、地域に愛されるクラブに。SETAGAYA UNITEDの挑戦はまだ、始まったばかりです。
SETAGAYA UNITEDの仲間たち
撮影 壬生マリコ
◆チーム公式インスタグラム
https://www.instagram.com/setagayaunited/
◆2023年最後の世田谷区でのホームゲームを開催!
東京都社会人サッカー連盟4部リーグ 第6R
SETAGAYA UNITED vs TOKYO EL TIGRE
日 時 7/16 (日) 19:30 キックオフ
会 場 駒沢公園補助競技場
入場料 無料(入場自由)