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くらしの世田谷

世田谷での暮らしを、よりよいものにするための情報。区民の衣食住に関わる取り組みやサービス、町の景観、子育て、町づくり、多世代交流の話など。

2025.11.07

桜丘・二子玉川 区内にひろがる、新たに頼れる居場所「認知症カフェ」

「認知症カフェ」は、認知症の方やご家族が、地域の人々や医療・福祉の専門職と出会い、情報交換や相談ができる場です。地域包括支援センターや医療機関、企業などが協力し、区内各地で39団体の登録があり(令和7年度現在)、それぞれが多彩なスタイルで活動されています。今回は、桜丘と二子玉川で開催されている2か所の認知症カフェの活動をご紹介します。

桜丘 「オレンジカフェKIMAMA(キママ)」 安心して自分の思いを話せるカフェ

 オレンジカフェKIMAMAは、毎月第2土曜日に桜丘区民センターで開かれています。ここでは、認知症に関する催しや勉強会、ティータイムを兼ねた相談会が行われます。
受付で主催者の岩瀬さんとスタッフが、参加者一人ひとりに声をかけ、やさしく迎え入れます。

オレンジカフェKIMAMA紹介ポスター

 

この日の講座は「認知症ミニ講和+落語」。噺家は、松沢病院の認知症専門医・新里先生。室内には和紙の粋な飾りや、手作りの高座が設けられ、落語に合わせた雰囲気の中、「粗忽長屋」が披露されました。認知症の当事者やご家族、ケアマネジャー、担当のまちづくりセンターの職員等、約20人が集まり、会場は笑いと拍手でいっぱいになりました。

新里医師の本格的な落語

 

落語の後、新里医師は、噺家から医師に早変わり。認知症についての勉強会がスタートします。軽度認知症の特徴や新薬の事、軽い運動で身体機能を改善する工夫などを丁寧に解説。会場からの質問にも時間をかけて答えてくださるので、参加者達も熱心に耳を傾けていました。

資料を見ながら、医師のお話しに聞き入る

 

勉強会の後は、相談にも対応できるティータイム。

テーブルには、代表の岩瀬さん手作りのシフォンケーキが並びます。ふんわりとした食感とやさしい甘さで、会場の参加者たちはすっかり和んだ空気に包まれていました。

岩瀬さんがケーキ作りを始めたのは、息子さんの幼稚園時代。独学で挑戦したのがきっかけだったそうですが、レシピ本を何冊も読み込み、家族や友人にふるまう内に評判が広まり、やがて自宅でケーキ教室を開くほどに。10年間で300種類以上のケーキを焼き「人に喜んでもらう楽しさ」を体験してきました。

ケーキ教室の後には自宅カフェ「きままなスイーツカフェ」を開き、その延長線上で、介護者や認知症の方が安心して過ごせる「ケアラーズカフェKIMAMA」や「オレンジカフェKIMAMA」の活動が生まれたということでした。

スタッフの皆さんが“暖かい”お茶を提供

ティータイムを楽しみつつ、お隣同士で、先生やスタッフさんとも話が弾み、席を次々と移動しながら、皆さん活発に会話を楽しんでいました。

オレンジカフェKIMAMAは、ティータイムと楽しい催しと勉強会で、認知症について知ることができ、また、会話などの交流を通して互いを支え合う、誰でも参加できる地域の温かい拠点でした。

「こんにちは、今日おくさまはショートステイですか?」「お母様の調子はいかがですか?」「いつもお召し物が素敵ですね」と弾む会話

 

二子玉川 「ほっとカフェ2号店」 幅広い世代が集い、地域に広がる輪

二子玉川のショッピング街にある「ほっとカフェ2号店」では、コーヒー等を飲みながらアットホームな雰囲気で会話が楽しめる認知症カフェです。
無印良品二子玉川店内の「café MUJI」で月1回開かれるほっとカフェ2号店は、行政、企業、地域ボランティアなど、所属や組織を越えた協力体制の活動が特徴です。通常20名ほどの人が集まり、店内の大きなテーブルを囲んで会話を楽しみます。介護や健康、住まい、地域活動など、話題はさまざま。20代から高齢の方まで、幅広い世代が交流していました。

各自好きなものを注文して席に着く

 

また、UR賃貸住宅シティコート二子玉川 集会室の「ほっとカフェ1号店」、近隣のスターバックスコーヒー玉川高島屋店で「ほっとカフェ3号店」等と次々に開催され、二子玉川エリアで認知症の方を支える活動が広がっています。

明るく開放的な店内に笑い声が響く

認知症カフェが地域で暮らす日常に、小さな安心とつながりを育む

 認知症カフェの魅力は、何気ない会話やお茶の時間を通じて、認知症に関する専門的な知識や地域での情報や支えが得られることにあります。また、認知症カフェに参加して立場や年齢を超え、同じ時間を共有し、互いの会話でつながりを感じたり、交流を通して自分も地域の一員なんだと実感できるようです。

様々な話題で盛り上がる会話が楽しい

今回取材した2つのカフェは、相談に行くというより、ちょっと話しに出かける場所という開放的な雰囲気です。認知症についてご自身や家族の変化に戸惑ったりして、不安を抱えている方。まだ当事者ではないけれど、地域で自分にできることを知りたいと思う方。そんな時こそ誰もが身近な地域で、ほっとできる交流を楽しめるのが認知症カフェです。区内には地域ごとに多彩な認知症カフェが多くあります。参加してみてはいかがでしょうか。

 

◆世田谷区内の認知症カフェの活動や開催地域については、以下のサイトでご確認ください。

世田谷区認知症在宅生活サポートセンター https://setagaya-ninsapo.jp/

 

●オレンジカフェKIMAMA

会 場 桜丘区民センター1階談話室(世田谷区桜丘5-14-1)
開催日 毎月第2土曜日
時 間 13:30~15:30
参加費 500円(飲み物と手作りシフォンケーキ付き)
主催・問合せ先 市民活動団体 ZUTTO-KOKO
連絡先 TEL 03-3439-1650(市民活動団体 ZUTTO-KOKO 担当 岩瀬)

●二子玉川 ほっとカフェ2号店

会 場 無印良品 二子玉川3階Café MUJI(世田谷区玉川2-27-5)
開催日 原則月1回
時 間 開催日時はお問合せください
参加費 ワンドリンク注文制(カフェのメニューから)
主催・共催 無印良品・SOMPOケアいきガイド世田谷・二子玉川あんしんすこやかセンターほか
連絡先 TEL 03-5797-5516(二子玉川あんしんすこやかセンター)

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紹介者プロフィール

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ハイコラ

ママさんライター

子供からシニアまで支え合える地域づくりを目指し、「おむつ替えMAP」の制作、「三茶テイクアウト」、「松陰通りテイクアウト」WEBサイト制作、「せたがやこども弁当」等の、親子と地域を繋ぐ子育て支援活動しています。

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