
ユニバーサルデーに向け、様々な立場の参加者が集まり意見を交わす様子
キーワードは“WITH”
ユニバーサルデーは、ブラックラムズが掲げる“Be a Movement.”の理念のもと、障害の有無にかかわらず誰もがラグビー観戦を楽しめる環境をつくることを目指した取り組みとして、昨シーズン初めて実施されました。 初回は「障害のある方をスタジアムに招待する」ことが大きなチャレンジ。そして今年は、単に“招く”のではなく、「一緒につくる」ユニバーサルデーを目指し、テーマを“WITH”に設定。 その第一歩として、3月8日、宇奈根のチーム拠点で、意見交換会が開かれました。
NPO法人世田谷区聴覚障害者協会 本多 忠雅(ほんだ ただまさ)さん、他5名、デフラグビー日本代表ヘッドコーチ 柴谷 晋(しばたに すすむ)さん、デフラグビー日本代表選手1名、手話ラグビー参加者5名、聴覚障がい者向けコミュニケーションサービスPekoe(ペコ)開発メンバー 株式会社リコー木下 健吾(きのした けんご)さん、脊髄損傷者専門トレーニングジムJ-Workout(ジェイ・ワークアウト)渡辺 麻衣(わたなべ まい)さん、国立成育医療研究センター「もみじの家」シニアアドバイザー 兼 世田谷区医療的ケア相談支援センターHi・Na・Ta(ひなた)広報マネージャー 内多 勝康(うちだ かつやす)さん、ブラックラムズの選手やスタッフ、そして徳島からオンライン参加したパラリンピアン藤本 聰(ふじもと さとし)さんなどが集まりました。

参加者の自己紹介の様子
参加者が集まったところで、まずは自己紹介と参加した思いやきっかけが語られました。
「弟が障害者手帳を持っています。家族はあるがままに楽しく過ごしているけれど、やはり社会との接点が限られてしまうことがある。スポーツを誰でも同じ目線で楽しめる環境をつくりたい。」(ブラックラムズ 千葉 太一(ちば たいち)選手)
「車椅子だと外出のハードルが高い。前回のユニバーサルデーの招待は大きな経験になりました。今回もとても楽しみにしています。」(渡辺さん)
選手が考案した「ブラックラムズ」を意味するハンドサインが手話の「I LOVE YOU」と同じ形であることに触れ、「私たちにとっては大きな意味があるサインでとても嬉しいです。」(本多さん)

ブラックラムズのハンドサインが手話の「I LOVE YOU」と同じ形と紹介する本多さん
始めにチームの活動を見学

トレーニングジムを見学し、選手の説明に耳を傾ける参加者
参加者の自己紹介の後、ブラックラムズの活動紹介として、施設の一般開放されていない拠点内部を見学しました。
たくさんのマシンが置いてあるトレーニングジムでは、千葉選手が次々と実演。重そうなマシンを軽々動かす様子や、重量を感じる迫力のあるマシンの音に驚きの声が上がります。子どもたちや参加者が力試しに挑戦する姿もありました。

重りを付けなくても20kgあるバーベルを手に、参加者が重さを体感する場面
千葉選手は昨季に首の怪我をしていて、「今も右半身に力が入りにくい。でも復帰を目指しています。怪我を防ぐためにも日頃のトレーニングを欠かさずしています」と説明。選手の不断の努力を垣間見ることができました。

バーベルを軽々と持ち上げる千葉選手
グラウンドではボールパスを体験。ロッカールームでは、タンバイ・マットソンヘッドコーチが登場。チームが成長を続けている理由として、「どうなりたいか」を明確にし、「そのために今何をするか」を選手一人ひとりが理解している点を挙げました。 クラブがホームタウンと共に歩もうとする姿勢にも触れられ、参加者にとっては普段聞くことのない貴重な時間となりました。
続いて食堂を見学。大量のエネルギーを必要とするラグビー選手にとって、日々の食事がとても重要だと知りました。
こうして試合とは違うチームの裏側に触れることで、選手が日々努力を重ねていることや、その環境を整えているスタッフのサポートを知り、ラグビーが、支える人の思いが詰まったスポーツだと理解することができました。

グラウンドで選手からパスの投げ方を教わり、ラグビーの楽しさに触れる参加者
解決策がユニバーサルな環境へとつながる
施設内見学の後、参加者との意見交換では、体験した困りごとや具体的な改善案など活発に交換されました。
「観戦だけでなく、売店に指差しボードがあると、グッズ購入なども楽しめる。」(本多さん)
他にも「当事者だけでなく、兄妹や家族もとても楽しみにしている。キャラクターと撮影できたら思い出に残ると思う。」という意見や、「医療的ケアの車椅子の場合、駐車場が確保できないと、そもそも会場に行けない事が多い」という切実な声も寄せられました。
さらに、トイレの場所や段差、横になるスペースが欲しいなど、当事者の体験からによる貴重な意見が多く出ていました。

意見交換の場で、それぞれの困りごとに対する解決策を一緒に考える参加者たち
ユニバーサルデーをきっかけに一歩ずつ
“障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しめるような環境づくりを実現しよう”と、ブラックラムズが進めていく姿勢は、スポーツチームの枠を超えた社会的な“Movement(ムーブメント=運動)”として期待されます。困り事はその人によって異なり、スタジアムに招待しただけでは難しい。こうして丁寧に対話を重ねていくことで、解決できることが少しずつ増えていきます。
今回の記事は、ブラックラムズの社会貢献・ホームタウン活動を追うシリーズの第1回として、ユニバーサルデーに向けた意見交換会の様子をお伝えしました。 第2回では、4月5日に実施されたユニバーサルデー当日の様子を、 第3回では、ブラックラムズが掲げる“Be a Movement.”のもとで展開する社会貢献活動を紹介していく予定です。
ラグビーというスポーツを介して様々な人と共に歩むと決めたブラックラムズ。この先どのような未来を描いていくのか、期待と共に注目していきたいと思います。

意見交換会にご参加くださった皆様とスタッフで記念撮影
リコーブラックラムズ東京 ホームページ
https://blackrams-tokyo.com/index.html