ぐるり世田谷

世田谷にはたくさんの「訪れたい場所」がある。古くから愛されてきたお店や、知る人ぞ知る穴場など、地元の情報をご紹介。思い出に残る昔の世田谷から今の世田谷まで。

2014.08.29

ありがとうを届ける道具店「ダイタデシカ」

つくり手の思いが伝わる道具を揃えた店「ダイタデシカ」が、2014年6月世田谷代田にオープンしました。木のぬくもりを感じる店構えと、温かみのある店内から優しい印象を感じます。この街では、地域を元気にする活動として「世田谷代田ものこと祭り」や「洋服ポスト」などを開催。またひとつ街を元気にする試みとしてオープンした「ダイタデシカ」のオーナー南 秀治(みなみ しゅうじ)さんにお話を伺いました。

大切な方への「ありがとう」と、つくり手からの「ありがとう」を届ける「ダイタデシカ」。

大切な方への「ありがとう」と、つくり手からの「ありがとう」を届ける「ダイタデシカ」

ゆっくりと変化を続ける世田谷代田

「ダイタデシカ」があるのは、小田急線の世田谷代田駅から徒歩約2分。昭和39年、環状七号線ができたことで商店街が分断されたこの街は、ここ数年若い世代の活動により、新規オープンする店が増えているものの、まだシャッターの閉まっている店舗が多い場所です。

この街をふたたび元気のある商店街にと奮闘しているのが、「ダイタデシカ」オーナーの南さんをはじめとする世田谷代田ものこと祭り実行委員の皆さん。2012年に全国からものづくりのつくり手を集めた「世田谷代田ものこと祭り」をスタート。祭りに集まる人の姿を見た実行委員の皆さんは、この姿を一年に一度ではなく、日常的な姿にしたいと考えるようになったそうです。「つくり手の道具を揃えたお店」があったら、ものこと祭りに近い景色が日常になるのではないかと、店舗を構えることを視野に入れるようになりました。

木のぬくもりを感じる「ダイタデシカ」の看板

木のぬくもりを感じる「ダイタデシカ」の看板

温かい照明の店内には、暮らしを彩る道具が並びます

温かい照明の店内には、暮らしを彩る道具が並びます

全国から集まる「暮らすこと」を彩る道具たち

「ダイタデシカ」には、「世田谷代田ものこと祭り」でおなじみのつくり手の道具のほか、全国からこだわりのアイテムが集まります。店内にはそのこだわりを感じてもらえる工夫が。まず店内にあるお手洗いには、今治タオルを使用。今治タオルは品質が高く独自の認定基準を持つタオルで、使えば使うほど肌になじむものだそう。何度も洗ったタオルを使ってもらうことでこだわりを実感できます。自分たちがガシガシ使うことで本当の良さを伝える「使う」「体験する」を増やしたいと話す南さん。

「ご飯茶碗ひとつをとっても、背景があるんです。深型のデザインは、隙間風が多かった日本家屋において冷めにくく、倒れない安定した形でした。暖房設備の発達や機密性の高い住宅が多い現代ではそういった心配もありません。このお茶碗は、浅く平らで、大変持ちやすく上品なデザイン。ご飯をよそっても内側の模様が見え、美味しさとともに絵柄の美しさも堪能することができるんですよ」(南さん)

店内にはワークショップや簡単な料理教室を開催できるスペースがあり、食器や調理道具なども取り扱いの道具から揃える予定だそう。すべて体験してもらうのは難しいですが、スペースや企画内容によって実感できるアイテムを少しずつ増やしていければと。

「カタログだけではすべてを伝えるのは難しいですよね。お話する時間があればこだわりを伝えることはできますが、炊きたてのご飯をお釜で炊いて、このお茶碗で食べてもらうことができたら、何もいわなくてもお客様自身が感じてくれると思うんです」(南さん)

使えば使うほど肌になじむ今治タオル

使えば使うほど肌になじむ今治タオル

絵柄も楽しめ、持ちやすく上品なデザインのご飯茶碗

絵柄も楽しめ、持ちやすく上品なデザインのご飯茶碗

ワークショップスペースには大きな黒板が。小さなお子さんを連れたお母さんでもゆっくり店内を見れる工夫があります。

ワークショップスペースには大きな黒板が。小さなお子さんを連れたお母さんでもゆっくり店内を見れる工夫があります。

つくり手にとって、きっかけづくりとなるようなお店に

「地方のつくり手が東京でお店を出すことはとても勇気がいること。ものこと祭りに出店してこの街のことをわかってはいるけれど、それだけではお店を構えることはないでしょう。もう一方で、世田谷代田に住まう方も、休日を過ごすには渋谷や下北沢など、外に出ないと楽しいことがないと感じている人が多いと思います」(南さん)

つくり手によるワークショップを定期的に開催したり、世田谷代田で面白いことができるんだという体験を重ねてもらいたいそう。「ダイタデシカ」がきっかけとなり、世田谷代田の空き店舗につくり手の工房やお店ができたらうれしい。世田谷代田に住む人や訪れる人が、休日を楽しめる街になってくれるのが夢」と南さんは言います。

大切な方への「ありがとう」と、つくり手からの「ありがとう」を届ける「ダイタデシカ」。その名前には「代田でしかできない体験・出会い」という意味がこめられているそうです。

ものこと祭りにも出店しているつくり手さんの作品が並びます

ものこと祭りにも出店しているつくり手さんの作品が並びます

ありがとうがたくさん

ありがとうがたくさん

ありがとうの気持ちがあふれた贈り物を探すなら、まずは「ダイタデシカ」に出掛けてみませんか?

ダイタデシカ
東京都世田谷区代田5-9-7
営業時間:13:00~20:00
営業日:金.土.日.月
HP:http://www.daitadeshika.com/

施設概要

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紹介者プロフィール

山本多恵子

宮城県生れ。世田谷在住。Web制作、アクセス解析が得意です。宮城県気仙沼市の食材を取り寄せ、郷土料理を作る「スローフード部」を定期的に開催しています。場づくりにも興味津々。世田谷と気仙沼をつなげること活動を日々模索しています。

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