2012.09.25
子どものココロに芸術を。二子玉川ビエンナーレの開催
10月6日・7日に開催される「二子玉川ビエンナーレ」は、未来をつくる子どもたちがアートに触れることができるイベントです。いつもの街がアートに染まる秋のイベントにご家族で出掛けてみては。
長く住まう区民の話から、街の歴史を知るおもいでの世田谷。時を刻んできた街の片鱗や、今はなき姿が見えてくる。
7/4~9/4 砧公園 世田谷美術館
9月4日まで、砧公園の世田谷美術館では、「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」展が開催されています。「こぐまちゃんえほん」の世界を見て、遊んで、味わえる、夏休みの思い出作りにぴったりの催しです。展覧会の見どころをご紹介します。
美術館がはじめてという子どもたちのために、こぐまちゃん特別出演の「こぐまちゃんとびじゅつかん」が美術館公式YouTube【世田美チャンネル】で公開されています。こぐまちゃんと一緒に美術館でのマナーが学べ、企画展の様子を見ることができます。美術館に行く前に見るのがぴったりです。
「こぐまちゃんえほん」は、こぐま社創業者佐藤秀和の「日本の子どもたちが初めて出会う絵本を創りたい」という呼びかけに、グラフィックデザイナーの若山憲、児童文学者で歌人の森比左志、劇作家の和田義臣が応えて生み出されました。主人公は、子どもたちの大好きなぬいぐるみのクマをモデルにした”こぐまちゃん”。読者と同じように、ごはんを食べたり、遊んだりするこぐまちゃんが楽しく描かれています。1970年に第一作「こぐまちゃんおはよう」が生まれてから全15作が刊行され、累計発行部数が1000万部を超えるロングセラーです。
「こぐまちゃんえほん」創作のプロセスがわかる
「こぐまちゃんえほん」は、美しい色を出すために、6色の特別なインクを一色ずつ刷り重ねて作られています。そのため、若山憲は1ページの絵のために、6枚の原画を描きました。会場には「しろくまちゃんのほっとけーき」表紙絵の描き分け原画も展示されており、彼が頭の中で出来上がりをイメージしながら描いた作業を追体験することができます。
若山憲が目指した「絵だけで物語を伝える」絵本の展示
若山憲は、まだ文字が読めない小さな子どもたちでも絵から物語を読み取れるように、文字ではなく絵を読む絵本づくりに取り組みました。おばけなのに、こわがりで泣き虫、甘えん坊の「どろんどろん」には、小さな子どもたちも絵を見ただけで親しみをおぼえるはずです。また、公園に突然の雨が降り、みるみる海のようになっていく「にわか雨はざんざんぶり」からの数場面はセリフのないドラマのようです。
日本独自の美しさにたどり着くまでの若山憲に迫る
若山憲は、こぐまちゃんの形を日本のこけしをイメージして作りました。また郷土玩具や民話をもとに、日本の美しさを数々の絵本にしました。会津地方を代表する張子人形のあかべこが、自分と同じ色の紅葉に染まる磐梯山を登る「あ かべこのおはなし」もそのひとつです。下絵やスケッチから、あかべこが自分で歩き出す様子をどう描くか、試行錯誤の連続だった様子を感じることができます。
こぐまちゃんで遊べる
美術館のエントランス前広場には、こぐまちゃんとしろくまちゃんが、皆さんをお出迎え、一緒に写真が撮れる木陰のフォトスポットがあります。地下創作室では、おうちで100円ワークショップ「こぐまちゃんカラーでうちわをつくろう」のキットが販売されます(土曜日のみ、ただし8月は毎金・土曜日13:00~15:00)。また、7月31日までに来場した方を対象に、お店では買えない「オリジナルぬりえ」が配布されています。
美術館に併設するレストランやカフェでは、展覧会のためにシェフが腕をふるった絵本のパンケーキが食べられます。
世田谷美術館1F併設ル・ジャルダン「冷製パンケーキ ジャルダン風」
こぐまちゃんカラーの6色ソースを使ったパンケーキをティータイム(14:30~17:00)に数量限定(1日10食)1,800円で販売しています。ソースは、オレンジがニンジンとマンゴー、緑がキウイ、赤がイチゴ、白がココナッツ、青がブルーキュラソー、黄がパッションフルーツです。何で作られたソースか、親子で当てっこしながら食べるのも楽しいかも知れません。
世田谷美術館地下1F併設セタビカフェ「はちみつのパンケーキアイスクリームのせ」、「スーベニアカップ付き100%ジュース」
「しろくまちゃんのほっとけーき」をイメージした3枚重ねのパンケーキは、見た目もボリュームも大満足の一品です(980円+セットドリンク250円)。こぐまちゃんのイラスト付きカップをおみやげにできるジュースは、アップル、オレンジの2種類から選べます(750円)。
どれも数量限定ですのでお早めに。
「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」展では、小さな子どもたちの美術鑑賞デビューにふさわしいものになるよう様々な配慮がされています。今回は特に赤ちゃん連れの方も楽しめるよう、授乳室が増設されました。作品の展示も子どもたちも見やすいように一部の作品は低い場所に展示されています。夏休み、お子さんと、こぐまちゃんに会いに世田谷美術館へおでかけになりませんか。
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くみん手帖編集部
多摩川ハイウェイ
世田谷区在勤。ひょんなことから編集部に入りました。世田谷歴20年、新しい情報を求めて、世田谷の街や自然を日々ラブ&アドベンチャー。多摩川のシーバスのライズを見ると興奮してしまいます。
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