このひとの世田谷

世田谷の街に根ざした活動・取組みを行う人や、世田谷で活躍する「このひと」のインタビュー。それぞれの想いがある世田谷のお話。

2013.05.09

経堂から地域を巻き込み世界へ。パクチーハウス東京佐谷さん

世田谷・経堂にある世界初のパクチー専門店「パクチーハウス東京」を知っていますか?すべての料理にパクチーを使った世界初のパクチー料理専門店には、世田谷区内外からお客さんが集まり毎晩賑わっています。このパクチーハウス東京をはじめ、東京初のコワーキングスペースや地域を活性化し地域同士をつなぐマラソン大会「シャルソン」など、経堂から地域を巻き込むプロジェクトを次々と仕掛けている「旅と平和」代表の佐谷さんに、お話をうかがいました。

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世界初のパクチー専門店
コンセプトは「交流する飲食店」

世田谷くみん手帖(以下、せたみん):パクチーハウスは、どんなお店ですか?
佐谷:パクチーハウスは世界初のパクチー専門店で2007年に開業しました。すべてのメニューにパクチーが入っているのが特徴です。それに、メニュー名にはダジャレを効かせています。驚くかもしれませんが、サラダも揚げ物も、ご飯もデザートにもパクチーが入っていて、パクチー入りのドリンクもあります。もう一つの特徴が、「交流する飲食店」をモットーにしていること。うちでは100パーセントの人が笑顔ですよ。
せたみん:以前食べにきたとき、お客さんが和気あいあいとしているのが印象的でした。どうしてパクチーに特化しているんですか?
佐谷:社名が「旅と平和」というのですが、旅人は平和を創るというテーマを旅を通じて思い付き、それを修士論文にもまとめています。私自身世界中を旅してきて、どこにでもパクチーがあったんですね。パクチーって日本ではあまり馴染みがないけれど、世界中どこでも食べられている。パクチーは食を通じた異文化理解、さらに平和の第一歩だと思って。パクチーを知っている人は「旅人」というフィルターから、旅の感覚で非日常な体験ができるお店にしたいと思いました。
せたみん:交流する飲食店というコンセプトも秀逸ですね。
佐谷:私、学生の頃から宴会幹事をしていたんです(笑)。日本人はパーティーが苦手と思われるけど、それは条件と環境によって変わります。宴会なら、乾杯の声を出して、ジョッキをぶつければ、最初のペアがバラバラになって、打ち解ける。入り込める仕掛けがあると、交流が始まるんですよね。
せたみん:宴会の魅力ですね。
佐谷:パクチーハウスを立ち上げた2007年頃は、飲食業は個室・膝付きの接客がスタンダードでした。でも個室だといない上司の愚痴になってしまう。パクチーハウスはあえて2人席はなく、4人席に相席してもらうんです。それは、相席になる理由を作って、お客さん同士でコミュニケーションが生まれるきっかけを用意しているんですよ。

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世田谷に日本・世界中からお客さんが集まる

せたみん:どんなお客さんが来ますか?
佐谷:20~30代の女性が多いですね。世田谷区の人が3~4割。残りは関東圏で、稀に県外・海外からも。以前ロイターで紹介されたこともあって、マンダリンホテルのコンシェルジュから電話がかかってきて、イタリアの2人が来店したいという事もありました。mixiやFacebookなどのSNSを活用しているのも強みですね。SNSで一緒に行った人と別のコミュニティも広がっていきますし、新たなお客さん同士のつながりも生まれて、リピーターさんも多いです。
せたみん:経堂に立ち上げた理由は?
佐谷:もともと桜新町や砧に長年住んでいて、世田谷には馴染みがありました。世田谷は住みやすさが魅力で、あと10年は住むだろうと思っていました。それで、お店を出すなら、根本にコミュニティがあって、家の近くに職場やお店があるのが理想だったんです。それで、世田谷がいいなと思って物件を探して、経堂のこの物件に出会えました。パクチーハウス東京がある農大通りはお店も多くて、農大の学生など人の通りも多いですね。

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100%人が笑っているオフィスに価値がある
東京初コワーキングスペース

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せたみん:パクチーハウス東京の下には、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルのコワーキングスペースがあると聞きました。
佐谷:東京初のコワーキングスペースを、2010年7月にはじめました。オフィスって規模が大きいほどうつ病が流行っていて、仕事がつまらないという人も多い。そういう現状を知って「100%人が笑ってるオフィス」に価値が有るなと思ったのがきっかけです。パクチーハウス東京と同じビルの1階上にあります。集まるメンバーは、業務内容はそれぞれ異なり一緒に仕事をするわけではないけれど、他の人に聞けばすぐ聞けることを、自分でうじうじ考えなくてもよいし、噛み砕いて理解し合えたり、問題になる前に解決することができたりしますね。
せたみん:どのような方が利用されているのですか?
佐谷:一般のコワーキングで働く人は、IT系の人が多いといわれますが、ここはフリーランスの人や、少人数で会社を経営している人、ライター、編集、会計士、営業、大学講師、シェアハウス経営など、色々な方が利用しています。だいたい20人ほど。年齢は30~40代が多くて、50〜70代もいますね。始めた当初は遠くから通う人もいましたが、最近は世田谷区の近所の人が多いです。一緒にいろいろな仕掛けをしていて面白いです。

経堂を盛り上げる言い出しっぺに
地域のものを発見してシェアする世田谷シャルソン

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せたみん:佐谷さんは実にさまざまな仕掛けをしていますが、もう一つ2月の東京マラソンの同日に開催された「世田谷シャルソン」について教えてください。
佐谷:きっかけはフランス・ボルドーで行われるメドッグマラソンに参加したことです。なんと給水所にワインがあって、ワインを飲みながらぶどう畑を走るマラソン大会でした。マラソンなのに立ち止まることがすごいなと思って。毎年テーマがあって、仮装が義務なところも面白い。これを日本でもやりたいなと思いました。大きい大会というよりも、1店舗でマラソンを仕掛けられないかなと思ったんです。経堂を盛り上げる言い出しっぺになってみようと。ただお店を出店して終わりではなく、経堂という地域に店を作ったのだから、地域とコミュニケーションをしようという気持ちがありました。地域のものを発見してシェアしましょう、というのがテーマでしたね。
せたみん:なるほど。世田谷シャンソンはどのようなマラソン大会なのですか?
世田谷区内でおもしろい物を見つけた人が勝ち!といういたってシンプルな大会です。会場の規模からパクチーハウスから50人。近所にあるお店のブルックリンダイナーから30人を定員として集めました。給水・給電ポイントを今年は7箇所設けて、すごく盛り上がりましたね。ご当地シャルソン協会というのを立ち上げていて、世田谷以外にも今年は30地域に広がっています。昨年、他の地域のシャルソンに私もランナーとして参加しているのですが、旅のガイドブックに載っていないような店や人に出会える体験は楽しいですよ。人にも出会えるし、その他の事業のつながりも生まれます。

広く伝えて楽しくやっていくのがポイント
これからも色々仕掛けていきたい

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せたみん:佐谷さんはすごくユニークですね。仕掛けをするときのポイントはなんですか?
佐谷:小さくてもきちんとやることと、広く伝えることが大事ですね。動かすのはだれでも一緒にできる。その仕組みを使って楽しくやっていけるのが大事。そんなアイディアで社会を変えていきたいですね。
せたみん:今後の夢を教えてください。
これからは、国内・海外にシャルソンを広めていきたいですね。コワーキングも利用してほしいです。思いついたら即行動するタイプなので、これからも色々しかけていくと思います。くすぶっている人をそそのかしていきたいですね。
せたみん:最後に。経堂の魅力をお願いします!
経堂には魅了的な人達が多いですよ。濃いコミュニティもあります。そして、そのコミュニティをつなげていこうという意思ある人がたくさんいます。ぜひ遊びにきてほしいです。そしてできれば住みついてほしいです(笑)。

佐谷恭

1975年神奈川県秦野市生まれ。幼い頃から積極的に国際交流をし19歳から旅を始め、現在までの訪問国数約50カ国。2007年それまでの旅の経験を日本社会に還元するため「旅人が平和を創る」という信念のもと株式会社旅と平和設立。2007年”交流する飲食店”パクチーハウス東京設立。2010年7月”パーティするように仕事する”PAX Coworkingを立ち上げた。著書に『ぱくぱく!パクチー』(情報センター出版局)、『つながりの仕事術「コワーキング」を始めよう』(共著、洋泉社)、『みんなで作るパクチー料理』(スモール出版)。

施設概要

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