2022.04.13
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世田谷での暮らしを、よりよいものにするための情報。区民の衣食住に関わる取り組みやサービス、町の景観、子育て、町づくり、多世代交流の話など。
世田谷区に、誰もが気軽に農業体験を楽しめる公園があることをご存じですか?今回紹介するのは、「喜多見農業公園」です。世田谷区の中でも今もなお多くの農地が残っている喜多見地区にあります。ここでは、誰もが日常的に農に触れ、学び、楽しむことができます。収穫体験やワークショップ、食育イベントなど、豊かな自然を満喫しながら楽しめるイベントも盛りだくさん。ぜひ参加してみませんか?
まるで絵本みたいな収穫体験が味わえそう。収穫したじゃがいもで何作ろう?
世田谷区の中でも今もなお多くの農地が残っている、喜多見地区。この地に、喜多見農業公園はあります。ここは誰でも自由に出入りでき、農業体験も楽しめる(ただし農業体験は募集型です)という区内でもめずらしい公園です。
喜多見農業公園、本園の入口
「世田谷区は農地面積が23区で2番目(令和5年調べ)なのですが、近年、農業従事者の高齢化や後継者の減少によって年々農地面積が減少してきています。そこで世田谷区は平成21年に『世田谷区農地保全方針』を策定しました。これは、生産緑地等をあらかじめ農業公園として都市計画決定し、所有者が相続などで放さざるを得なくなった農地を区が取得整備し保全するという取り組みです。農地の風景を保全し、農業体験などを通じて区民の方々に農業の楽しさや重要性を知ってもらい、地域を支えてきた農業の歴史を伝える場として整備しています」(世田谷区公園緑地課施設管理担当係長秋山香州子さん)
農業体験には親子連れを中心に幅広い世代の方々が参加している
かごいっぱいの野菜が採れたよ!
現在、農業公園として世田谷区内で開園しているのは、喜多見農業公園の他、次大夫堀公園(里山農園)と瀬田農業公園(分園)の3つです。今後、(仮称)桜上水農業公園と(仮称)桜丘農業公園と(仮称)等々力農業公園の3つも開園予定とのことです。
「喜多見農業公園では、収穫体験などのイベントを年に5~10回程度実施しています。他に、地域の幼稚園、保育園の子どもたちに種まきから収穫までの過程を体験してもらう機会ももうけています。その他にも、収穫体験の延長として普段触れる機会がないトラクターに乗って撮影会をしたり、耕したふわふわした土の感触を楽しむ遊びなども実施しています。畑の土は砂場の砂よりも固まりやすいのでスコップで掘ったり型抜きして遊ぶには最適です。ふわふわの土の上はただ走るだけでもビーチフラッグみたいに楽しそうでしたよ」(JA東京中央農住支援部営農支援課課長加藤健さん)
トラクターに乗っての撮影会は小さな男の子に大人気
イベント前日にふわふわに耕した土は子どもの土遊びに最適
イベントでは農家さんが農業の豆知識などをいっぱい教えてくれるそうです。
「例えば、ジャガイモの掘り方ってご存じですか?よく観察しながらジャガイモ堀りをしていると、たまに“種イモ”(収穫するための種とするために冬の間に貯蔵したジャガイモのこと)が見えてきます。この種イモが見えると、それ以上掘っても収穫できるジャガイモはないそうです。そういう豆知識って大人でも割と知りませんよね」(秋山さん)
「農家さんたちも農業に興味がある人が体験に来てくれるのはうれしい様です。お互いに交流して楽しめるという相乗効果もあるんじゃないかな、と思っています。イベントは親子連れの方を中心に幅広い世代が参加しています。世田谷区の“ファミリー農園(区民農園)”の抽選に外れてしまったからと、ここに参加する方も多いですよ」(加藤さん)
イベントでは農家さんが農業の豆知識を教えてくれたり、収穫した野菜を使ったレシピなども紹介している
収穫から派生したクラフトづくりなども実施している
農地となると一般の人は勝手に入ってはいけないイメージがありますが、公園というからには誰でも自由に入っていいのでしょうか?
「もちろんです。一般の方が気軽に立ち寄ったり休んだりできるようにベンチや芝生広場、子どもが遊べる遊具を設置するなどで、より親しんでいける仕掛けを整備しています。この公園に遊びに来たついでに作物の成長の様子を観察したり、そんなふうに気軽に立ち寄っていただければと思っています」(秋山さん)
喜多見農業公園の一つである、天神森のはたけは遊具がある芝生エリアが農地に隣接している
天神森のはたけには花の迷路が。ゴールに何があるのか体験してみよう!
「喜多見農業公園の周辺地域では、まだまだ農業を熱心に営んでいる農家さんが多く、農家さん同士の活動も盛んです。こうした地域農家さんの大きな協力のもとに喜多見農業公園を運営しています。また、世田谷区内や当組合管轄農地では、普段あまり目の当たりにすることが少ない“大蔵大根”など、伝統野菜の栽培もしています。さらに、世田谷区内では実はブドウの生産も盛んであることから“シャインマスカット”も栽培しはじめました。収穫物は地域の子ども食堂に提供したり、地元の中学生の職業体験や都立高校のインターンシップ受け入れの際に説明するなどして、伝統野菜への関心が高まるようにしています」(加藤さん)
大蔵大根はとても大きいので引っこ抜くのも大変!
左 伊藤整さん(営農支援課職員)、右 生島靖士さん(営農支援課職員)
多く採れた野菜は地域の子ども食堂に提供している。畑の案山子は季節によって衣装を変えるそう
喜多見農業公園は3カ所に分かれており、“本園”と“陣屋のはたけ”と“天神森のはたけ”があります。
「来年度は“天神森のはたけ”にレイズドベッド(※)を試験的に取り組む予定です。しゃがんだりするのが難しい方や車椅子の方でも農業体験ができるように準備していきます。いろいろ試行錯誤しながら、この農業公園をより良いものにしていきたいと思っています」(秋山さん)
※ レイズドベッド 周りの地面よりも高くした上げ床のプランターのこと。
普段食べている野菜がどんなふうに育つのかを学びながら、収穫体験やさまざまなイベントを楽しめる喜多見農業公園。豊かな自然を感じ土と戯れながら、農業の大変さを体感したり、食べ物に対する感謝の気持ちも育みそうなイベントは、子どもはもちろんすべての世代の人たちの心を成長させてくれそうです。ぜひ参加してみませんか?
◎収穫体験イベントなどは予約制です。参加への申込みは、下記HPで行っています。
写真(一部)/壬生マリコ(合同会社まちとこ)
・喜多見農業公園 本園
・喜多見農業公園 陣屋のはたけ
・喜多見農業公園 天神森のはたけ
住所: | 世田谷区喜多見4-16-25 |
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住所: | 世田谷区喜多見4-1 |
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住所: | 世田谷区喜多見4-3 |
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営業時間: | いづれも開園時間 9:00~17:00(3月~10月)、9:00~16:30(11月~2月) |
定休日: | いづれも休園日 12/29〜1/3 |
URL: | https://kitami-agri-park.com/ |
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