みんなの世田谷レポート

世田谷で行われたイベントやワークショップなどの体験レポート。くみん手帖編集部およびくみんライターが参加した感想や、当日聞いたお話、エピソードなどをご紹介。

2014.07.25

泥んこ田んぼアートと川場の美味しい食を体験!

梅雨入りしたばかりの6月上旬、世田谷区と縁組協定を結ぶ群馬県川場村で「田んぼアートツアー」が開催されました。田んぼをキャンバスに見立て、2種類の苗を植えて大きな絵を作る田んぼアート。通常の田植えと違い、ロープが張り巡らされた田んぼの中、小さなお子さんから大人まで泥んこになりながら農作業を楽しみました。(くみん手帖編集部/山本多恵子)

川場村の大自然の中、手づくりのかかしを運ぶ子どもたち

川場村の大自然の中、手づくりのかかしを運ぶ子どもたち

前日から続く雨の中、世田谷区役所前に集合

世田谷区から川場村までは、バスでおよそ2時間30分。途中、高坂サービスエリアで休憩を挟みながら目的地を目指します。この日は7時15分に世田谷区役所前に集合。朝早い時間の出発のためバスの中では、朝食を摂る人、仮眠をとる人と各々の時間を過ごします。この日一番の心配は、昨夜から降り続く雨。泥だらけになるのだから多少の雨は気にしないと皆さん前向き!そんな思いが雨を吹き飛ばしたのか、川場村に近づくにつれ雨雲からくもり空になり、予報を裏切るうれしい天気となりました。

定刻通りバスは田植えが行われる田んぼに程近い、川場村の郷土料理と雪ほかた米の直火炊きが味わえる「名主の館(なぬしのやかた)」に到着。入り口では、田んぼアート実行委員会の「縁人(えんじん)」の皆さんのお出迎えが見えます。広がる大自然と澄んだ空気、築200年の日本家屋「名主の館」の趣のある佇まいに心が穏やかになるのを感じます。

着替えを済ませ、道の駅「川場田園プラザ」と「ホテルSL」を結ぶ吊り橋「ふれあい橋」のたもとにある田んぼへと向かいます。この「ふれあい橋」は、田んぼアートの全貌を眺めることができ観光スポットにもなっています。

田んぼに程近い、名主の館(なぬしのやかた)に到着

田んぼに程近い、名主の館(なぬしのやかた)に到着

田んぼアートの図面には細かい数字がたくさん!

田んぼアートの図面には細かい数字がたくさん!

カナダからの参加もあり、国際的な田植えに

カナダからの参加もあり、国際的な田植えに

大はしゃぎの田植えが始まります

一列に並んで田植えを行います

一列に並んで田植えを行います

大きくなぁ~れと苗に思いを込めます

大きくなぁ~れと苗に思いを込めます

川場村の関 清(せき きよし)村長、縁人リーダー久保田 長武(くぼた おさむ)さんからの挨拶のあと、田植えのレクチャーを受け、グループ分けされた持ち場へ移動します。田植えは長靴を履いて参加することもできますが、初心者の場合はぬるぬるとした泥水に足を取られバランスを崩しやすいので、しっかり踏みしめられる裸足で作業するのがおすすめ。田んぼに足を入れるとあちこちから「冷たいっ」「足が動かないっ」と子どもも大人も大はしゃぎ。

さぁ、騒いでばかりもいられません。なんといってもこの大きな田んぼのキャンバスを完成させるのがこのツアーの目的。田んぼに一列に並ぶと、等間隔に印がついたロープが目の前に。感覚をつかむまではこのロープを目安に植えるので未経験でも安心です。田んぼには、茅でポイントを打ちロープを繋げた下絵があるので、それを倒さないように普通米と黒米を植えます。中盤まで差し掛かると、「この部分は難しいから二人でやりましょう」「ここを逃げ道にして回りを植えましょう」と自然にどこのグループも一体感が生まれてきました。

「お昼にします!」の声に、みなさん待ってました!の笑顔

12時に近づくにつれて、「お昼まだかな」「お腹すいたね」の声が。2時間ほど作業をした後はみなさんお待ちかねのお昼。川場村の食を堪能できる昼食を楽しみにこのツアーに参加する人もいるほど。この日は、雪ほたか米のおにぎり・イワナの塩焼き・手打ちそば・5種類の天ぷら・ミート工房の山賊焼き・夏目漱石の糠床で漬けたぬか漬け・豚汁・搾りたての牛乳・雪ほたか米の糀酒(ノンアルコール)がテーブルにぎっしりと並びます。

雪ほたか米とは川場村自慢のお米で「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」にて7年連続金賞を獲得したお米。お蕎麦は、当日の朝に川場蕎麦協会の皆さんが打ったもので、蕎麦の味がしっかり。食べすぎると動けなくなってしまうと思いながらもつい御代わりを。お腹が満たされた後は、散歩やお昼寝、地元の皆さんとおしゃべりしながら時間を過ごし、ゆっくりとした時間が流れます。

作業が予定より進んでいたので午後からは、田植えとかかし作りのグループに分かれました。予想外のかかし作りに大喜びの子どもたち。鳥などから大事な稲を守ってくれる「かかし」を田んぼに立て、無事に作業終了。縁人の皆さんとはここでお別れし、車で10分ほどのところにある天然温泉「世田谷区民健康村ふじやまビレジ」を目指します。温泉で疲れをとり、館内にあるお土産コーナーで買い物を楽しみ、川場村を後にします。帰路、バスの中はおしゃべりする声も少なく眠りの中へ。

イワナの塩焼き。外で調理する魚を見て、子どもたちも大はしゃぎ

イワナの塩焼き。外で調理する魚を見て、子どもたちも大はしゃぎ

田園プラザでも人気ミート工房かわばの山賊焼き

田園プラザでも人気ミート工房かわばの山賊焼き

お腹もいっぱい、緑が気持ちいお布団

お腹もいっぱい、緑が気持ちいお布団

農作業の他に美味しい食事と温泉が楽しめるツアーに魅了され、常連になる方も多い「田んぼアートツアー」。なかには過去4回すべてに参加している方もいらっしゃいました。かくゆう私も2回目の参加で、田植え体験や食を味わえるだけではなく、その後自分が植えた田んぼがどのように成長するかワクワクしたり、秋の稲刈りも楽しめるツアーです。

7/25現在の田んぼの様子。成長記録は縁人ブログで配信しています

7/25現在の田んぼの様子。成長記録は縁人ブログで配信しています

イベントやツアーに参加してみたい!

川場村にある「世田谷区民健康村」では、田んぼアート以外にも食や自然のありがたみを楽しみながら学べるイベントが年間を通してあります。食を楽しみたい方には果実の収穫を体験できる日帰りバスツアー、農業を学びたい方には農業技術教室など目的に合ったイベントやカリキュラムを選ぶことができます。四季折々の川場村を体験してみてはいかがでしょうか。

健康村の楽しみ方
http://www.furusatokousha.co.jp/enjoy/index.htm
日帰りバスツアー
http://www.furusatokousha.co.jp/enjoy/bus.htm
オリジナルイベント
http://www.furusatokousha.co.jp/shisetsu/op_ibennto.htm
縁人ブログ ※田んぼアートの様子を配信
http://www.vill.kawaba.gunma.jp/enjin/

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紹介者プロフィール

山本多恵子

宮城県生れ。世田谷在住。Web制作、アクセス解析が得意です。宮城県気仙沼市の食材を取り寄せ、郷土料理を作る「スローフード部」を定期的に開催しています。場づくりにも興味津々。世田谷と気仙沼をつなげること活動を日々模索しています。

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