街角に佇む大きな屋根の白い家が、ガーデンカフェ“ときそら”。空に届きそうな巨木「カイズカイブキ」と「鉄塔」は野沢3丁目のランドマーク
閑静な住宅街の白い家で、季節うつろうお庭を眺め、ゆったりくつろぐランチタイム
“ときそら”の長いアプローチとチーク材のスライドドアの広い玄関は、個人宅の名残を感じます。リビングダイニングだった店内にテーブル席が約25席。壁面はギャラリーとして抽象絵画や工芸品などの展示に活用されています。陽光降り注ぐ大窓からは、約80坪ある手入れされたお庭が、四季折々の景色を見せてくれます。お天気が良ければ、是非お庭のテラス席へ。空とみどりのさわやかな風が心地よく、くつろぎながらお食事ができます。
目に眩しいくらいの陽ざしと庭のみどり。オーク調のテーブル席とギャラリ―の展示が落ち着いた雰囲気
晴天の空の下、広々とした庭。都心では贅沢な空間
季節の寄せ植えや花壇の花々がテラス席を彩る
こだわりの食材で手間をかけ、だれでも幅広く楽しめるランチメニュー
“ときそら”のお客様はご高齢の方から小さなお子様までと世代の幅が広く、だれもが一緒に楽しめるよう、バリエーションあるメニューとなっています。食材も旬の世田谷産の野菜や国産の肉など、産地や素材にはこだわって使っています。
人気の「ランチコース」は、ワインが合いそうな前菜とブイヨンスープからはじまるミニコース。“ときそら”の名のごとく、それぞれ違う「そらいろ」のうつわが彩りよくお料理を引き立てます。ライスかパンが付くメインのお料理(お肉かお魚)は、国産ローストポークのハニーマスタードソースがけや牡蠣と春菊のドリアなど、旬の素材で月替わり。最後にプチデザートとコーヒーか紅茶が付き、毎月リピートで通いたくなります。
ランチセット「国産ローストポークのハニーマスタードソースがけ」
ハニーマスタードとバルサミコソースが絶妙な甘酸っぱさで、歯ごたえぷりぷりのローストポークを引き立てる
おすすめは、厳選した肉をミンチし、手ごねでつくる「国産牛のデミ玉ハンバーグ」。こんがりと焼き加減良く、滴る肉汁はたっぷりのデミグラスソースと相まってジューシーです。お箸を使っても柔らかく、口当たり良くほろほろ崩れるので、ご高齢の方やお子さんもでも安心して食べられます。
ジュウジュウと熱々デミグラスソースにたっぷりひたったハンバーグは大人も子どももほっぺたが落ちる
また、取り分けやシェアが出来て便利な「ピザ」は、自家製ハーブが効いたトマトソースとソーセージやシーフードなど、ハーフ&ハーフでトッピングもできます。カリッとした芳ばしさにぷりぷりしたトッピングで、アッという間に食べきれます。「フライドポテト」「ナゲット」などのフィンガーフードも、食べ始め期のお子様連れやアルコールのおつまみ等、もう一品としても好評です。
表はカリッと、食べ応えはふんわりした生地。トマトソースとチーズが程よく絡んだ、ソーセージや海老がぷりっと口中ではじける。ほふほふ食べてる間も次のピースに手が伸びている
自家製レモンシロップの「レモネード」と「レモンスカッシュ」は、レモン特有の苦み無くスッキリ爽やかな喉越しです。「バニラトッピング」でアイスを追加することもできます。
ぎゅぎゅぎゅうっ!と、ぎっしり、檸檬れもんレモン。。。
ときそら特製レシピのレモンシロップ
特製レモンシロップのドリンクはアイス、ホットどちらでも
ソーダ―で割れば、爽やかな風が突き抜ける
季節のパフェや「せたがやそだちのアップルパイ」等のデザートでティータイムもゆったり楽しめます。また同系列の「パイ焼窯」の芳ばしい焼き菓子も種類豊富に揃っています。手土産としてギフトボックス詰めでのご購入も応じています。
数量限定の「“せたがやそだち”のアップルパイ」はテイクアウトでも人気の一品
「世田谷みやげ」に認定されている、同系列の等々力「パイ焼窯」の焼き菓子。種類豊富で、おやつに、ギフトにと喜ばれている
「OPENがちょうどコロナ禍の行動制限で、外食もなかなか出来ない頃でした。そこで、気軽にテイクアウトできるお弁当メニューを準備しました。身近な街で、舌が肥えたご家族や外出しにくい高齢の方も満足できると好評でした。ご利用いただくお客様は近くのご高齢の方やご家族、隣の「のざわテットーひろば」に遊びに来た親子が多く、メニューは世代を超えて幅広く楽しんでいただけるよう工夫にしています。」と、“ときそら”の尾平さん。
「ガーデンカフェときそら」とは
“ときそら”は、「社会福祉法人はる」が精神障害者の就労継続支援B型作業所として運営している施設です。空き部屋とお庭を地域の福祉で活用したいオーナーとご縁で繋がり、利用者が様々な作業メニューで対応できる施設として生まれました。
“ときそら”の名前の由来は、ゆったりとした時間と空間を楽しんでもらえるようにと、「時間・空間」⇒「時空」⇒「ときそら」に。また、“ときそら”の「そら」は空豆にもかかっており、空豆の様に天に向かって伸びていけるようにという想いも込められているそうです。
カフェの厨房もフロアーもシェフやスタッフが利用者と話し合い、仕事を分担して取り組む
「地域に根ざしたカフェ」「利用者が生き生きしっかり働き、能力を活かしながらやりがいを持てる作業内容」を掲げ、利用者も支援するスタッフもゆったりと楽しく、仕事に取り組むことを大切にしています。お庭の手入れや施設の掃除、カフェのホール、厨房作業など、様々な作業があります。利用者の得意なことを活かしながら、役割分担しています。
調理も利用者さんが取り組めるよう、シェフが細やかにアドバイス
“ときそら”がゆったりと育む、お庭と人と地域の交流
お庭での掃除や手入れを丁寧にコツコツ取り組む作業や姿勢が好評で、近隣のお庭の掃除等も頼まれ、行うこともあります。また、お庭は(一財)せたがやトラストまちづくりの制度「小さな森」に登録。ボランティアと一緒にお庭の整備や公開イベントなど、地域と繋がる場にもなっています。
お庭の奥、枕木の小径を辿り、小鳥が水浴びするバードバスを回遊するコース。足元の宿根草が季節ごとの彩で景色を変える
庭の水撒きや掃除、季節の花の植替え、枝の剪定など、利用者やボランティアが関わり合いながら整えている
店内のギャラリーは、運営委託している「汀(みぎわ)」を中心に、絵画・工芸品などを展示しています。サロンコンサートやミニ上映会など、ホームパーティのように身近な規模で開けることも“ときそら”の魅力です。利用者はこの展示やイベントの企画、照明などの作業も分担しながら学び、担当しています。
ギャラリー「汀(みぎわ)」が作家の作品を中心に展示。作品への照明の当て方も利用者の学びとなる
昨年の秋は、お隣にある「のざわテットーひろば」と連携イベントを開催。“のざわテットーひろば”の活動写真展や子ども向けイベントの会場として、地域の親子でにぎわいました。今後も“のざわテットーひろば”と連携し、コラボ企画を開催していくそうです。
ガーデンカフェ「ときそら」と「のざわテットーひろば」のジョイントイベントを開催。壁には「のざわテットーひろば」の活動を展示 (写真提供:ときそら)
「のざわテットーひろば」のイベントではおなじみのパネルシアター。「ときそら」の会場で、ピアノの演奏と共に楽しみました。(写真提供:ときそら)
「ここ“ときそら”は、利用者もスタッフもゆったりと無理のない仕事で、地域と交わる場を大切にしています。人との関わりが苦手だった利用者が、日々のお庭仕事から見える、カフェの仕事が楽しそうだと、自ら希望し、新しい仕事にも積極的に取り組めるようにもなりました。」と目を細めて語る尾平さん。
利用者とスタッフはもちろん、お客さまと地域での交流も“ときそら”の居心地よさを育んでいるようです。
丁寧に手入れされたお庭を眺め、季節を感じ、ゆったりとした気分でのお食事。そんなひと時を“ときそら”で過ごしませんか。
利用者と支えるスタッフの笑顔が、心ほぐれリラックス出来る「ときそら」もう一つのレシピ