2013.06.01
子どもが自由に楽しめる遊び場を。プレーパーク武智さん
みなさんは、世田谷区の4つの公園にある「プレーパーク」を知っていますか?廃材やロープなどで作られた遊具が並ぶ敷地の中で、子どもと大人が一緒になり、火や土、水や木といった自然と、道具や工具を使って自由に遊びを創りだせる遊び場のことです。今回は世田谷公園のプレーパークで、子どもたちの遊びをサポートする見守り役のプレーリーダー、NPOプレーパークせたがやの武智風也さんに、プレーパークの魅力についてお聞きしました。
世田谷の街に根ざした活動・取組みを行う人や、世田谷で活躍する「このひと」のインタビュー。それぞれの想いがある世田谷のお話。
世田谷(桜丘)の東京農業大学に通う大学生林健斗さんは、環境に配慮した竹の歯ブラシを製品化しました。地球環境への思いと、大学での学びが結びつき、様々な人の協力を得ながら、完成した竹の歯ブラシ。とてもさわやかな印象の林さんに、製品開発についてお話しを伺いました。
世田谷くみん手帖編集部(以下、くみん手帖):こんにちは。林さんは東京農業大学で何を学ばれているのですか?
林健斗さん(以下、林さん):はい、東京農業大学 生命科学部バイオサイエンス学科の4年生です。最先端のバイオ技術を駆使しながら、人類が抱えている食料、健康、環境保全の諸問題の解決をめざす学科です。
くみん手帖:今回、竹歯ブラシを製品化されたきっかけがあれば、教えてください。
林さん:東京農業大学では、環境問題の解決に取り組んでいて、多くの研究がなされています。その中で私は「放置竹林」の問題に出会ったことが、竹歯ブラシの製品化を考えるきっかけになりました。
くみん手帖:放置竹林とはどのような問題なのですか?
林さん:戦後、プラスチック製品の普及により竹の需要が減ったことと、竹林所有者の高齢化にともない、整備がなされず放置されてしまった竹林が増えています。竹の特性である早い成長と浅い根によって周辺生態系への影響や土砂崩れへの恐れなど問題が発生しています。この問題を解決するために、竹林の整備につながる竹のあらたな活用方法について様々なところで取り組みが行われています。私にも何かできることはないかと、竹の歯ブラシの製品化を考えるようになりました。
くみん手帖:竹歯ブラシは、どんな特徴がありますか?
林さん:今、歯ブラシは圧倒的にプラスチックで出来ているものが多いです。しかし様々なものを脱プラ、CO2削減していこうとしている社会において、代わりになるものは何かと考えた時に、放置竹林問題になっている竹は、素材として、とても歯ブラシと相性がいいことに気づきました。
竹歯ブラシといっても、ブラシの部分がプラスチックで作られている事が多いのですが、この竹歯ブラシは、ブラシ部分にもこだわって竹繊維をかなり使用しているのが特徴です。そのため丈夫で広がりづらく、長持ちします。また、環境へ配慮し、竹を歯ブラシにする過程において、接着剤や化学薬品は使っていないので人体にも安心・安全なのが特徴です。
くみん手帖:製品化に当たり、大学や地域からのサポートはありましたか?
林さん:東京農業大学では、座学だけでなく実学を重視しています。実際に農家さんに学び、その体験から考えたものをデザインしました。製品化の工程では、工場と交渉したり、販売してみて、またデザインを改良するなど、実践を通して学ぶ文化があります。その学びを活かし、今回も海外の生産工場に直接交渉し、なんとか製造にこぎ着け、生産ルートを確保しました。
また、環境への効果などにおいて大学の教授に助言いただき、農大ショップでは対面販売の機会をいただいたり、近隣の歯科クリニックにもご意見を頂戴するなど協力いただき、とても心強かったです。
くみん手帖:今後の目標はありますか?
林さん:皆さんに環境についてもっと関心をもってほしいです。そのために、環境に配慮されていて、デザインも良くて、長く使えるものをさらに開発したいと思っています。若者が作っているということで、ニュース性や話題性が高くなり、社会に注目してもらえる。多くの方々に、地球環境の大切さに気づいてほしいと思っています。
今はまだ、例えばマイ箸を持ち歩いていると珍しがられますが、いつかそれが“かっこいい“と思われる時代を、僕たち若者が作りだしていかなくてはならないと考えています。そして、伝統工芸品のような素晴らしい技術と環境配慮商品をかけ合わせて、日本ならではの新しい製品を開発していきたいと思っています。
くみん手帖:4年生ですが、今後の活動について何か予定はありますか?
林さん:在学中に個人で事業をしてきた経験を活かし、このまま活動を継続しサステナブルな社会を目指していきたいと考えています。この年だからこそ、失敗を恐れず挑戦していきたいと思っています。
そして、自分がたくさんの人達にささえてもらったように、後輩の学生達の良きチャレンジの助けになれるよう、サステナブルを軸にして、一緒に考えたり、話しあったり、製品化をしてみたりするようなコミュニティを作っていくつもりです。
くみん手帖:本日は、ありがとうございました。これからも、環境に配慮した製品開発を期待しています。皆さんも、世田谷の東京農業大学に通う若者が創った“竹歯ブラシ”を、試してみてはいかがでしょうか。
竹歯ブラシ(= bamboo歯ブラシ)は、2本セット1000円~。
農大通販や、農大生協、農大関連ショップ、近隣の歯医クリニック、サロンで購入することができるそうです。
林健斗
2000年生まれ
静岡県静岡市出身
東京農業大学生命科学部バイオサイエンス学科
この記事に関連するタグ:お役立ち, お買い物, エコロジー, 東京農業大学, 桜丘, 環境配慮, 経堂駅, 自然・癒し, 馬事公苑
ハイコラ ママさんライター
子供からシニアまで支え合える地域づくりを目指し、「おむつ替えMAP」の制作、「三茶テイクアウト」、「松陰通りテイクアウト」WEBサイト制作、「せたがやこども弁当」等の、親子と地域を繋ぐ子育て支援活動しています。
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