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2023.03.22

下北沢 多様な若者たちが学び合う これまでにない教育寮 「SHIMOKITA COLLEGE」を紹介

2020年12月、下北線路街に誕生した「シモキタカレッジ」は、高校生・大学生・社会人が寝食を共にしながら学ぶ、画期的な教育寮。多様なバックグラウンドを持つ若者たちが、活発な交流を通して学びの日々を送っています。同施設を運営している株式会社エイチラボ(HLAB)の高田修太さんと原田遼太郎さんに、設立のコンセプトや特徴を伺いました。

吹き抜けの開放的な空間。勉強や仕事をしたり話に花を咲かせたりと、自由な空気が流れる

 

 

下北沢の街全体がキャンパス

くみん手帖:はじめに、「シモキタカレッジ」のコンセプトを教えてください。

高田さん(以下敬称略):ハーバード大学など海外の名門大学では、キャンパス内に学生寮があり、多くの学生が生活しています。昔は日本にもたくさんの学生寮がありましたが、地価の上昇や学生運動の影響を受けて、かなり減少してしまいました。私たちには、サマースクールや小規模シェアハウスの運営を通して得た「居住の中でしか得られない学びがある」という信念があります。東京という多様性に富んだ場所だからこそ、価値を凝縮した学びの場としての教育寮を作れるのではないか。そんな思いで、プロジェクトを立ち上げました。

くみん手帖:東京の中でも、下北沢という場所がコンセプトに合っていたのでしょうか?

高田:それは間違いないですね。下北沢には独特の文化があり、かつ若者文化にも寛容な街なので、親和性が高いと考えました。近年の再開発で新しい住民がどん入ってきている一方で、昔からの住民もいる。下北沢という街全体がシモキタカレッジのキャンパスだと捉えています。

2階のパブリックスペース いたるところにコンセントがあるのも特徴

 

運営会社HLABの高田修太さん(写真右)と原田遼太郎さん(写真左)

 

自然と交流が生まれる空間づくり

くみん手帖:開設した2020年12月はコロナ禍の真っ只中でしたが、影響はありましたか?

高田:当初の予定より半年ほど遅れ、最初の寮生は30人程度と少なめでした。一方で急激なオンライン化の中でアナログを再評価するムードもあり、逆風と追い風の両方を感じたスタートでしたね。なかには「せっかく大学に入ったのに、オンライン授業ばかりで人とのつながりが持てないのは辛い」と、一人暮らしの部屋を引き払って入居してきた大学生もいました。

くみん手帖:シモキタカレッジと一般的な学生寮との違いはどんなところでしょうか?

高田:各階に広々としたパブリックスペースやライブラリー、テラスを作り、自然と交流が生まれるよう設計しました。例えば、4階にあるランドリーの前にはギターや漫画が置かれたパブリックスペースがありますが、これは洗濯を待っている間に交流して欲しい、という狙いから。スタッフと寮生が特技を披露する「タレントショー」など、交流イベントも多く開催しています。

ランドリー前にあるパブリックスペース。ここで「タレントショー」の練習をする居住者もいるそう

 

平日の朝と夕は、「Relax食堂」で管理栄養士による美味しい食事が提供される

 

広さ約10㎡の1人部屋は、バス・トイレ共用で月7.4万円~ 別途、食費や光熱費、管理費がかかる

 

 

委員会やクラブ活動など、ひとりひとりが主体的に関われる

くみん手帖:ハードとソフトの両面で、交流が増えるような導線が作られているんですね。

高田:でも仲良くなるのはいいんですが、グループで固まってしまうのはもったいない。そこで、幅広い年代で構成される15人程度のグループ「ハウス」を作り、定期的に振り返りをしたりと食事会をしたりといった活動も行っています。加えて、年代を超えてプロジェクトに取り組む「委員会活動」や、興味関心を通してつながりを持つ「クラブ活動」など、ひとりひとりが主体的に関われるような仕掛けも用意しています。

くみん手帖:大学生と社会人の居住期間は2年間だそうですが、目標などはあるのでしょうか。

原田:1年を前期と後期の2学期に分け、2年間を4つの学期を体験します。その上で、最初の1学期目を「体験する」、次の1年間(2~3学期)を「推進する」、最後の1学期を「後継する/形にする」期間として。3つのステップで目標を設定しています。
高校生は1学期(3カ月)単位での受け入れで、留学のようなイメージですね。実家を出るという体験をして、ワークショップや交流を通して自分の進路を考え、最後は発表をして卒業、という流れです。わずか3カ月とはいえ、いろいろな価値を享受しやすく、変化が期待できる年頃。入居時は自分の感情に蓋をしていた学生が、人前で堂々と意見を言えるようになり、私たちスタッフがもらい泣きしたことがありました(笑)。

「ハウス」を仕切るのは、社会人入居者の「チューター」たち。役割を与えることが、彼らの成長につながる

 

2021年に下北線路街で開催された縁日。近隣施設とのコラボイベントも多く開催している

 

 

「子ども食堂」など、地域との交流もさかん

くみん手帖:地域との交流も積極的に行っているそうですね。

原田:子どもたちを招いた「子ども食堂」を、過去に3回開催しています。めざしているのは「学習支援や多世代交流による多様性が育まれる場」。寮生が子どもたちに勉強を教えたり、ボードゲームで遊んだりと、毎回盛り上がっていますよ。
また、今年の新成人は、下北沢で暮らす大人たちに「20歳の時、何してた? 何考えてた?」というテーマでインタビューを実施。ほかにも、地域の方々と花火や盆踊りが楽しめる「シモキタご縁日」などのイベントも開催しましたが、今後はさらに交流の機会を増やしていきたいですね。

くみん手帖:最後に、寮生を選考する仕組みを教えてください。

原田:入寮を希望される方には、「なぜここに入りたいのか、何を学びたいのか」「あなたはここに何を持ち寄りますか」という2つのテーマでエッセーを書いてもらい、面接を行っています。選考基準は、簡単にいうと「他者の経験や知識を面白がることができる」「何かに熱量を持って取り組んでいる」「他者との対話に前向きである」という3点。現時点での能力やリテラシーよりも、「これから伸ばしていきたい」という意志を重視しています。
私たちは「違いから学びが生まれる」と考えていますが、違いは自分らしさからしか生まれない。集団の中で個々が尖っている部分を出せるよう、私たちスタッフもていねいに対応していきたいと思っています。

(撮影:合同会社まちとこ・壬生真理子)

施設概要

  • 東京都世田谷区代田五丁目20番16号
    住所: 世田谷区代田五丁目20番16号

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紹介者プロフィール

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合同会社まちとこ

「まちとこ」は様々な得意分野を持ったプロフェッショナルな女性6人の編集・デザインチームです。「楽しい」「心に届く」を大切に、デザイン、編集、撮影を請負い、自ら商品制作、情報発信しています。

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