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ぐるり世田谷

世田谷にはたくさんの「訪れたい場所」がある。古くから愛されてきたお店や、知る人ぞ知る穴場など、地元の情報をご紹介。思い出に残る昔の世田谷から今の世田谷まで。

2015.07.08

笑顔のあふれる場所「チャイニーズレストラン 欣喜」

祖師谷大蔵駅北口から伸びる祖師谷通り。その一本路地を入ったところにある祖師谷大蔵丸芳飲食街、通称「まるよし横丁」の一角に店舗を構える「チャイニーズレストラン 欣喜(きんき)」。旬の野菜をたっぷり使い、中国四大料理それぞれの特色を生かした料理は、地元のみならず人気を呼んでいます。

笑顔のあふれる場所「チャイニーズレストラン 欣喜」

笑顔のあふれる場所「チャイニーズレストラン 欣喜」

伝統と基礎から生まれる「欣喜」の味

昭和30年代から続く祖師谷大蔵丸芳飲食街は、飲食店が立ち並び、昔ながらの味のある雰囲気が残る場所。その中でも木のぬくもりと清潔感のある白を基調とした店構えがひときわ目を引く、「チャイニーズレストラン 欣喜」。店内は落ち着きがあり、1階の客席からは厨房まで見渡せるオープンなつくり、シェフやスタッフの仕事ぶりが見えることで安心感が生まれます。

オーナーシェフの青木欣也さんは、横浜中華街萬珍楼に10年、都内のホテルで5年、その後料理長として都内のレストランで腕を振るいます。祖師ヶ谷大蔵に住んで16年になる青木さんは、2011年に地元意識も高く愛着のあるこの街に独立開業しました。

中国料理のさまざまなジャンルを経験する青木さんが創る欣喜の料理は、各ジャンルの良さを生かした料理が特徴。それは素材を生かす広東料理、料理を自在に操る上海料理、そして中国料理の伝統と基礎から生み出されるもの。「中華街で中国料理の伝統や基礎をしっかり学べたことが土台となっています。基礎がなく応用した料理を作っても見た目だけの料理になりがちですよね」と青木さん。さらに、野菜にもこだわりを持ち、栃木県下野市にある海老原ファームの野菜を使用したメニューも。野菜本来の力強い味を生かした料理が味わえます。野菜を多く使った料理も「欣喜」の人気のひとつ。

木のぬくもりを感じる店構え

木のぬくもりを感じる店構え

厨房まで見渡せるオープンな店内

厨房まで見渡せるオープンな店内

栃木県下野市にある海老原ファームの野菜

栃木県下野市にある海老原ファームの野菜

また、青木さんは「中国料理専門調理師 調理技能士」の資格を持ち、ホテルに勤めていた時代から老人ホームや保育園などで、「食育」への取組みも行ってきました。保育園では子どもたちに、普段自分が食べているご飯がどのように調理され、食卓に上るのかを知ってもらう一環として「親子でつくるシュウマイとごま団子」などの教室を開催してきたそう。今では祖師ヶ谷大蔵の保育園や小中学校からも依頼があるほど。

お客さんの声からはじまった料理教室

美味しい料理を提供するだけにとどまらず、各方面で活動している青木さんは2013年から店舗での料理教室をはじめることに。なんとこちらはお客さんの希望からはじまったとのこと。

教室を開くきっかけとなった上級クラスを見学。クラスの皆さんは好奇心旺盛で、お店と同じ味が覚えられるなら難しいレシピでも学びたいという方ばかり。料理教室では、配られたレシピをもとに、青木さんから調理のポイントを学びます。ここでは料理人だからこその「こっそり話」なども聞くことができ和やかな雰囲気で進みます。説明が終わると青木さんを先頭に生徒の皆さんは厨房へ移動。青木シェフの実践がはじまると、携帯やカメラを手に撮影とメモを書きとめるのに大忙しの皆さん。デモンストレーション形式で終わらないのが欣喜の料理教室。教室では毎回、調味料やタレなど持ち帰り分を実践します。この日は、冷やし坦坦麺に使うタレを二人一組で作りました。実践が終わると待ちに待った試食タイム。出来上がったメニューを試食しながら、「この調味料なら〇〇にも代用できるね」など主婦ならではのアイディアが飛び交います。

お店の常連が多い生徒の皆さんは、料理教室に通うようになって益々お店に足を運ぶようになったという方がほとんど。ひとつひとつの料理がどんなに手間をかけて作られているのかを実感し、さらにファンになったそう。また青木さんが教える食材の生かし方や調理の工夫は、普段の料理にも実践できるものばかりと話す生徒さん。

レシピを見ながら調理のポイントを学びます

レシピを見ながら調理のポイントを学びます

撮影とメモを書き留める真剣な生徒の皆さん

撮影とメモを書き留める真剣な生徒の皆さん

持ち帰り用のタレをつくります

持ち帰り用のタレをつくります

笑顔が生まれるお店

「欣喜」という言葉は中国語で、大喜びするという意味があります。その名の通り美味しい料理には人を笑顔にする力があります。そして「欣喜」には、青木さんやスタッフ以外にもお客さまを笑顔で迎えるお店のロゴマークが。このロゴマークにはもうひとつの意味があるのだとか。「よく見ると船に見えてきませんか?沈むことなく、いつも笑顔であるようにと友人が考えてくれたものなんですよ」と笑顔で話す青木さん。

食に関するさまざまな角度から、「喜び」について真剣に取組む青木さん。地域に愛されるお店には、たくさんの笑顔がありました。

ロゴマークには笑顔と沈まぬ船の二つの意味が

ロゴマークには笑顔と沈まぬ船の二つの意味が

笑顔が集まる「欣喜」

笑顔が集まる「欣喜」

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チャイニーズレストラン欣喜
〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷1-8-17
03-6411-3458
HP:http://kinki-aoki.com/
営業時間
– ランチタイム –
水曜日〜土曜日 11:00〜14:00(L.O13:30) ※火曜日と日曜日はお休み
– ディナータイム –
火曜日〜日曜日 17:00〜22:00(L.O21:30)
定休日:月曜定休日

施設概要

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紹介者プロフィール

写真

山本多恵子

宮城県生れ。世田谷在住。Web制作、アクセス解析が得意です。宮城県気仙沼市の食材を取り寄せ、郷土料理を作る「スローフード部」を定期的に開催しています。場づくりにも興味津々。世田谷と気仙沼をつなげること活動を日々模索しています。

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