2023.03.30
世田谷発!まったく新しいタイプの絵カード「オノマトペカード」
まったく新しい絵カード「オノマトペカード」が、子どもの発語に悩みを抱えている家庭や、子どもの発達を支援している言語聴覚士などの専門職の方々、療育施設などから注目されています。この「オノマトペカード」は、長年子どもたちの言語・コミュニケーションの発達支援に従事している言語聴覚士の石上志保先生が考案したものです。
世田谷で行われたイベントやワークショップなどの体験レポート。くみん手帖編集部およびくみんライターが参加した感想や、当日聞いたお話、エピソードなどをご紹介。
朝どりの野菜をはじめとした農家のとっておきの品々や、おいしいお菓子、お惣菜や雑貨が並ぶママンカ市場。毎月第4日曜日に開催し、4年目を迎えた小さな市場は、確かに人々の生活に根づいているようです。秋晴れの気持ちのよい日に、下北沢の会場へ足を運びました。(くみん手帖ライター/小野民)
[11月の特集] 人と街がつながる、世田谷のコミュニティ
2013年10月27日(日)、秋晴れの気持ちのよいこの日、下北沢駅から歩いて5分ほどの「眞龍寺(道了尊)」で開催されたママンカ市場に行ってきました。11時、市場が始まる時間に到着すると、すでにお客さんが続々と入っていました。
「下北沢×農業×子育て」がテーマのママンカ市場、お客さんには子連れが目立ちます。「はぐくみプロジェクト」という取組みを通じて、境内のあちこちに子育てを応援する仕組みが整えられています。象徴的なのは、境内の奥の「おやすみ処」。12畳の和室が、授乳やおむつ替えもできる、くつろぎスペースに。ほかにも、出店者の軒先を見てみると、必ず「マタニティマーク、母子手帳提示で○○」と書いてあり、お米プレゼント、10%割引、マッサージなど、お得なことが満載。次回は、プレママ、ママを誘って来なくちゃ、と友人の顔が次々に浮かびました。
このママンカ市場、実際に行ってみて“ママンカ=ママの”はもちろん「ファミリー市場」と名づけたいほど、規模も、にぎやかさも、サービスもほどよくて心地よい。
野菜を選んでいた女性に声をかけてみると、浜田山にお住まいのお客さんでした。
「いつも下北沢に髪を切りに来ていて、初めはこの近くのエスプレッソ屋さんに行こうとして偶然ママンカ市場の前を通りかかったんです。入ってみたら野菜がおいしくて。今では市が立つ日は午前中に来て、目当ての野菜を買うようにしているんです」この日もこれからエスプレッソのち、美容室だそう。
出店者にも声をかけてみました。隣同士で出店していた人参農家の「潮田農園」、椎茸農家の「大畑農産」は、茨城県筑西市でもご近所さんだそう。「規模が大きすぎなくてちょうどいいし、ママンカ市場にはすごく気楽に楽しみに来られるんですよ」と口を揃えます。出店者同士も交流も盛んで、自然食品を販売する「土美庵」の米ぬかとお菓子販売の「The Suger Addict」のコラボ菓子が発売されるなど、新しい取組みも始まっているそうです。
ほかにも素敵だなと思った取組みは、ポイントカードと宅配サービス。ポイントは、買い物をすると金額に関わらず、1店舗につきスタンプひとつ(午前中、雨の日は2つ)を押してもらえ、貯まるとママンカ市場で使える通貨 “500笑”(500円分)をもらえるというもの。私もすでに半分ほどスタンプが埋まったので、次回くらいには500笑もらえそう。
宅配サービスは3ヵ月単位で申し込め、月々3500円でその月の出店農家の野菜を詰め合わせて配達してくれる。
品物を選ぶのは、初回から出店している八木岡岳曉さん。「私も農家だし、下手なものは入れないですから」と、出店者の間をてきぱきと走り回り、八木岡さんオススメの商品をパッケージしていました。目利きが選ぶ内容に、贅沢さを感じました。
さて、次々に来るお客さんに満面の笑みで声をかけているのは、スタッフの小出麻子さん。ママンカ市場を運営するデザイン会社の社員であり、2009年に市場を立ち上げたときから、ママンカ市場の成長を見守ってきた方です。
「ママンカ市場のきっかけは、2009年5月に、私たちの会社が渋谷から下北沢に引っ越してきたこと。この地域と絡んでなにかやりたいという想いもありましたし、代表の須賀大介が親になるタイミングが重なって、“子育てしやすい町”について、意識が向かっていきました」(小出さん)
まずは、webマガジン「maman:Qa(ママンカ)」がスタート。コンテンツをつくりながら子育て世代の声に耳を傾けてみると、下北沢には、子ども連れで楽しめる場所が意外と少ないことに気づかされたといいます。
「子ども連れで楽しめる場所をつくろう、まずは場所探しだ!と商店街にかけこみました(笑)。そしたら両手を挙げて喜んでくださって。
ちょうど八百屋さん、魚屋さん、肉屋さんといった商店街になくてはならないお店がなくなってしまって2年くらい経っていたんですね。すぐに眞龍寺を紹介してくださいました」(小出さん)
2009年10月31日、オフィスが下北沢に移転して5ヵ月後、第1回のママンカ市場が開かれました。「他の地域からもお声がけいただくこともありますが、下北沢だからできるんです。毎日ここで働いて、地域に根づいていくための努力も自然としているんですよね」と小出さん。地域の人、出店者、お客さん…回を重ねるごとに縁をつないで、ママンカ市場自体がどんどん育っているのだということを、小出さんのお話から伺い知ることができました。
この日、私が購入した商品は、米、天然もずく、鴨のスモーク入りの人参ラペ、しいたけのいしづきを使った佃煮、ごろっと大きな柿がのったカップケーキ、ママンカ市場で商品開発したいちごアイスの6品。どの商品にもしっかりとしたストーリーがあって、直接話を聞きながら買うのが楽しいのです。
特に、農産加工品好きの私としては、今まで食べたことのない、とびきりおいしいラペと佃煮に出会えたことが収穫でした。
胃袋をしっかり掴まれて、リピーターになること確実です。
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ママンカ市場
[住 所]世田谷区北沢2-36-15 眞龍寺 境内
[開催日]毎月第4日曜 11:00〜17:00
[ホームページ]http://www.mamanqa.com/
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東京生まれ、宮城育ち。大学卒業後、(社)農山漁村文化協会へ入会。バイクで全国行脚をする営業生活を経て、編集局に配属になり、食について扱う雑誌編集に携わる。退会後、フリーランスの編集者となり、広く《食べごと》を豊かにしていくべく活動中。
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