みんなの世田谷レポート

世田谷で行われたイベントやワークショップなどの体験レポート。くみん手帖編集部およびくみんライターが参加した感想や、当日聞いたお話、エピソードなどをご紹介。

2014.02.05

親子で楽しめるライブハウスイベント「おひるのかほり」

下北沢のライブハウス440で、1/19(日)の午後に、親子で楽しめる音楽イベント「おひるのかほり Vol.6」が行われました。40〜50組の親子が参加したこのイベントを企画した有志グループ「おひるのかほり」のメンバーは、好きな音楽がきっかけで集まった5人の女性たち。子どもができるとなかなか行くことができないライブハウスで、日曜日のお昼に親も子どももゆっくり音楽を楽しんで欲しい、と始まったこのイベント。筆者も子連れでのぞいてみました。 (まちとこ出版社/石塚由香子)

大勢の子どもたちが生の音楽に夢中に

大勢の子どもたちが生の音楽に夢中に

子どもが生まれると親もなかなかライブに行けないので

「おひるのかほり」は、好きな音楽が一緒だった、という山岸さん、持木さん、清水さんの3人が2010年の秋に第一回のイベントを行ったことから始まりました。その後山崎さん、大浦さんが加わって、現在は主に5人で活動しています。メンバーの多くは、幼児や小学生の子どもを持つお母さんたち。普段は、それぞれの仕事や育児に追われながら、半年に一度のペースで、親子で参加できるこのライブイベントを企画しています。

「もともと独身時代から音楽が大好きで、ライブに行っていました。持木さん、清水さんはその頃からの仲間です。子どもが生まれると、親もなかなかライブに行けなくなり、ハードルが高い場所となってしまうので、子どもに生の音楽を聞かせるイベントをやれたらいいね、という話が出たのが最初のきっかけです」(山岸さん)

始めてから3年半経ち、今回が6回目となるこのイベント。昨年からはもっと多くの人に来てもらいたい、と世田谷区の子ども基金の助成を受けて活動をしています。

「小さな子どものお母さんたちは子連れででかけるのも大変なので、ここに来て、ごはんを食べながら音楽を聞いて、短時間でもほっとできる日曜日の午後を楽しんでほしいですね」(山岸さん)

そのため、イベントは毎回日曜日の午後に開催されています。会場のライブハウスには、子どもが自由に遊べる小さなキッズスペースのほか、カーテンで仕切る授乳スペースも設置する、という親子連れのための配慮がされています。

「おひるのかほり」のメンバー5人

「おひるのかほり」のメンバー5人

キッズスペース

キッズスペース

毎回プログラムが変わる盛りだくさんのイベント

毎回、さまざまなジャンルのバンドを呼び、絵具を使ったワークショップなど多彩なプログラムを企画していますが、今回は、ちくわ朋彦さんによるギターの弾き語り、親子でマッサージをするワークショップ「ハグモミ」、ラテン音楽をベースに子どもも楽しめる楽曲を演奏する「コロリダス」の3部構成でした。第1回からイベントDJを担当している楠本千尋さんが、ska ,reggae ,rocksteady といったジャンルを中心にしたセレクトで、イベントを影のキーパーソンとして支えます。

開場の12時を過ぎると、ベビーカーに乗っている子ども連れの親子、夫婦と子どもの家族連れ、ママ友たちで来ているグループなど、たくさんの人が次々と入場し、あっという間に会場は熱気に包まれました。演奏が始まる前にまずは腹ごしらえをするお客さんも多く、大人向けの食事だけでなく、子ども用の「おむすびセット」(200円)、「キッズドリンク」(300円)なども用意されています。中にはおもちゃが用意されているキッズスペースで遊び始める、すっかり場所に慣れている子どもたちもいました。

演奏の合間に紙芝居や絵本の読み聞かせも

トップバッターのちくわ朋彦さんは、ギターの弾き語りの合間に、紙芝居「小ネズミちゅうた」と「ちくわのわーさん」の絵本の読み聞かせをしました。

「オリジナルの曲は、自分の世界観を表しているから、子どもにも大人にもそのまま歌います。特に子どもに合わせなくても、子どもも意外とわかってくれます」(ちくわ朋彦さん)

独身ながら子どもが大好きなちくわさんは、音楽はストレートに、そしてその合間に子どもに合わせた紙芝居や絵本の読み聞かせ、と工夫をこらします。

2番手は「ハグをするような形でもみもみしましょう」をコンセプトに活動している任意団体「ハグモミ」による親子マッサージのワークショップ。会場が親子で満員の中、ゆったりとマッサージを体験することはできませんでしたが、それでも子どももできる簡単な動作を使って、親子でマッサージをし合える、という育児疲れの親にとってはうれしい企画でした。「流れ星です。キラキラキラ〜」「かべのぼりです」と、子どもにも親しみやすく教えてくれるので、8歳と4歳の我が娘も、会場内だけでなく、帰宅後も親に実践してくれました。

紙芝居を読むちくわ朋彦さん

紙芝居を読むちくわ朋彦さん

子どもにも分かりやすくマッサージを教えてくれる「ハグモミ」手島さん

子どもにも分かりやすくマッサージを教えてくれる「ハグモミ」手島さん

ラストはバンド生演奏の醍醐味を満喫

最後に出てきたのは、ラテン系の音楽をベースに分かりやすい日本語の曲を歌うバンド、コロリダス。「虫歯のブルース」「ジャムパンパン」など、ラテン系のノリのいい音楽と楽しい歌詞に、小さな子どもたちもノリノリで拍手する姿も見られました。普段から子どもの前で演奏することも多いというこのバンド。

「大きいウッドベースや南米の打楽器スチールパンなど珍しい楽器を子どもたちにも見て、その音を肌で感じて欲しい」(ヴォーカルのしみずけんたさん)

ラテン系のノリのいい音楽と楽しい歌詞のコロリダス

ラテン系のノリのいい音楽と楽しい歌詞のコロリダス

子どもの心をつかむ分かりやすい音楽と、生演奏の楽しさを伝えてくれるステージでした。普段それほど音楽に親しむことのない8歳の長女も「楽しかった!」としばらくこのステージの話ばかりしていて、やっぱり生で音楽を聴く大切さを記者も実感しました。

企画者が楽しんで続けるイベント

「趣味が共通でつながっている友人は心地よい」と、「おひるのかほり」の山崎さんが話していたように、企画者が楽しんでいることが伝わってくるイベントでした。たくさんの親子連れが参加するイベントは、安全性の確保など大変なことも多いと思われるなか、とにかく「自分たちが楽しいと思うことを他の親子にも楽しんでほしい」と、「音楽が好き」という気持ちをベースに、楽しくイベントを企画している様子が感じられます。
次回は、音楽イベントではないけれど、3/9(日)に下北沢のカフェ、かまいキッチンで親子向け映画上映会が予定されているとのこと。今後も「おひるのかほり」がどんなイベントを企画していくのか、楽しみです。

*おひるのかほりの最新情報はFacebook「おひるのかほり」で。

(写真:参加者提供)

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紹介者プロフィール

まちとこプロフィール まちとこ出版社

世田谷区を中心とした現役子育てママたちの編集チーム。妊娠時に世田谷区から配布される「せたがや子育て応援ブック」など世田谷区の発行物の編集のほか、「小さなお店のつくり方 育児しながら起業編」「忙しいママでもラクラク作れるこどもが喜ぶお弁当」(辰巳出版)など出版社発行の書籍の編集も手がける。

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