カフェやショップめぐりが楽しい
2004年10月、旧世田谷区立池尻中学校の校舎棟部分を再利用し誕生した「IID 世田谷ものづくり学校」。細く長い廊下、緩やかに弧を描いた黒板、踊り場に並ぶ蛇口など、中学校の設備をそのまま生かした空間に「ものづくり」のパワーが詰まっています。
1階は買物や食事が楽しめるフロア。ベビー&キッズ用品のセレクトショップ「ettone」は、木製のおもちゃや国内外ブランドの子ども服などを取り揃えた店。他ではあまり見かけない感度の高いアイテムは、ギフトにもぴったりです。
「WORK-ER」は、和歌山県にあるニットメーカー「和田メリヤス株式会社」の自社ブランド。吊り編み機で編んだ生地を使った製品は、ふんわり柔らかく、タオルやストール、洋服はどれも肌触りが抜群。子育て中のお父さん&お母さんも安心しておしゃれが楽しめます。
ランチやお茶の時間になったら、近隣のお母さんたちに人気の「GO SLOW ゆっくりとカフェ」へ。中学校の保健室だった場所をリノベーションした店内は、白を基調にしたシンプル&おしゃれな雰囲気。目の前に学校のグラウンドが広がるのどかな雰囲気のなか、野菜たっぷりのヘルシーデリや月替わりのケーキセットなどが楽しめます。カフェの近くには、長時間発酵・熟成させた「最高級天然酵母パンの専門店「recette」の工房が入居。インターネットのみの販売のため購入はできませんが、ガラス越しに見学できるパン作りのようすは、子どもの好奇心を満たしてくれるでしょう。
世界で唯一の「スノードーム美術館」
もうひとつ、見逃せないのが海外からの観光客も訪れる「スノードーム美術館」。スノードームを常時展示している美術館で、約1500個ものめずらしいスノードームを鑑賞できます。毎週土・日・祝日にはワークショップを開催し、世界にひとつだけのスノードームづくりにチャレンジできます。お父さんお母さんの補助があれば小さなお子さんも参加可能。家族でオリジナルスノードームづくりもおすすめです。
1階の目玉施設は3Dプリンターや3Dスキャナー、レーザーカッターを備えた 「PTA」。クリエーターたちの試作を目的につくられたラボですが、ここでも一般向けのワークショップを開催。クッキーの型やネームプレート、クリスマスツリーやゴムはんこ作りを通して、誰でも気軽に3Dプリンターに触れることができます。(予約優先)
2階へ上がると、そこはクリエーターたちの仕事場。教室だった場所には、グラフィックデザイン、家具デザイン、建築事務所など、バラエティ豊かなオフィスが軒を連ねており、社会科見学気分での探訪が楽しめます。気になるモノや人を見かけたら、廊下から自由に覗いてOK。子どもの「なぜ?」「どうして?」と考える知的好奇心を刺激し、ご家族で一緒に考えたり、調べてみるのも楽しい時間。
ワークショップを随時開催
ほかにも、ファッションやアートなどの作品が展示された部屋、近隣住民が映画鑑賞会に訪れる試写室、廊下にさりげなく飾られたクリエーターたちの作品など、見どころ&遊びどころがいっぱい。各ショップやオフィスの前には、それぞれの特徴や仕事内容をわかりやすく説明したメモが置かれており、自由に持ち帰ることが可能。「これはどんな仕事かな?」「何を作っているのかな?」など、言葉を交わしながら見学すると、親子のコミュニケーションが深まりそうです。
また、土・日曜を中心に開催されているワークショップには、子供も大人も参加可能。食やアート、音楽などさまざまな分野の「ものづくり」に触れるチャンスがあふれています。ワークショップの予定や詳細は公式ホームページ(http://setagaya-school.net/)に随時掲載。
今年で11年目を迎えた「IID 世田谷ものづくり学校」は、老若男女が集う交流の場として、またクリエーターたちが切磋琢磨する仕事場として、地域にどっしりと根付いた存在。ここを拠点にどんなモノが産み出されるのか。これからも目が離せません。