きっかけはTVで子ども食堂の存在を知ったこと
大内さんは以前、三宿にある『BLACK』というロックバーの経営をし、そこでお客様に軽食をふるまっていました。2016年、テレビで子ども食堂の存在を知り、知り合いの『バー・ドクターフィールグッド』のオーナーである渡辺さんご夫婦に相談したのをきっかけに、自分たちの強みである「食の提供」を活かして、子ども食堂をはじめる事にしました。
食事は大内さんと渡辺さんが手分けして作り、開催場所は、バー・ドクターフィールグッドの開店前の3時間で実施。子ども達は見慣れないバーの店内に驚き、カウンター席はいつも大人気でした。
2017年に、「虹」が、昭和女子大学のソーシャルワークプロジェクト、「社会を知る事で福祉のあり方を考える」に協力したことで、学生がボランティアに参加。学生の参加により、「虹」には、食の提供だけでなく、居場所づくりや食育が要素として加わりました。
2019年、世田谷区教育委員会や地域小学校の協力もあり、子どもたちにも広く知られるようになりました。開催場所となっていた、バー・ドクターフィールグッドが移転したことをきっかけに、池尻のせたがやがやがや館等に拠点を移しました。多い時では、100人の子どもや親が利用していたそうです。
2020年春、コロナ禍となり、緊急事態宣言が発令すると、皆で食事できない状況が続きました。そこで皆で食べるスタイルではなく、持ち帰りの「お弁当」に変更。以前からお世話になっていた、近隣にある飲食店のシェフの皆さんから新たに協力を得て、シェフからの1品を追加するお弁当を配るというスタイルになりました。
その後も、シェフには活動の賛同者として加わっていただき、現在は下馬『イルピアットカチャトラ』と、太子堂のハワイ料理レストラン『ブッシュマン』の2か所で、月2回、交互に弁当を提供しています。
創業21年老舗イタリアンレストラン イルピアットカチャトラ
イルピアットカチャトラのシェフが作るパスタ1品、ブッシュマンのオーナーは炊飯とおかず各1品、上馬の中華『茶異菜』からはおかず1品を提供していただいています。さらに食糧学院からデザートを提供いただき、盛りだくさんの内容になっています。
南国風レストラン&バー ブッシュマン
近隣の飲食店関係者やお店のお客さん、そして立ち上げ当初よりボランティアとして一緒に動いてくれた仲間たち、たくさんの人の輪によって作られたお弁当は、今では400食を超えます。
この日のお弁当は、シェフのパスタ・カツ煮風卵とじ・新米ごはん・きんぴらしらたき・鮭の粕煮・ひみつデザート(チョコラスク、後半から高級おけさ柿)と栄養満点!
子どもには家庭環境に関係なく、おいしいものを楽しく
「子どもには、家庭の環境に関係なく、おいしいごはんを楽しく食べる雰囲気を感じてほしい」(大内さん) また、子ども食堂を利用するご家庭の親から「疲れて帰ってきても安心して手作りのごはんを子どもと一緒に食べられることがありがたい」という声をいただき、子ども食堂は、子どもだけでなく、大人も含めた家庭の支援にも繋がっていると感じるそうです。ただし、提供数には限りがあり、たくさんの人に届けるため、無料でお弁当を提供するのは中学生まで、親は一食300円、数は子どもの食数以下というルールを設けています。
今後は「食」だけではなく「場」も
大内さんは、コロナ禍のため、現在はお弁当の持ち帰りになってはいますが、コロナが収束した際は、再び「食」だけではなく、「場所」も作っていきたいと考えているそうです。現在、レストラン店内では盛り付けだけで精一杯で食事のスペースが確保出来ないため、今後に向けては、お弁当を持って近くの会館で食べてもらうなど「楽しく食べる場」「ふれあいの場」を作っていくことを検討しています。
ハロウィンに仮装してお弁当を取りに来る子ども達
美味しいものを楽しく食べる、ということを、たくさんの子ども達に届けたい、せたがや子どもバル・虹。お子さんの夕食に、大内さんや支援者の方々、シェフ、学生さんの想いが詰まった食事を食べて、ご家族で楽しい時間を過ごしてはいかがでしょうか。
せたがや子どもバル・虹 実施日目印はお店の前に大きなバナー
せたがや子どもバル・虹
第2・4木曜日 夕方16:00~19:00
子ども(中学生以下)無料 / 付き添いの大人300円
提供場所はSNSにてご確認ください。
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