砧公園 世田谷区動物フェスティバルが4年ぶりに開催

11月5日、砧公園ねむの木広場は多くの動物好きでにぎわった

 

世田谷の子どもが動物にふれる機会を

42回目を迎える「世田谷区動物フェスティバル」が始まったのは、1982年。コロナ禍で、2020年からの3年間は中止を余儀なくされましたが、この秋、再び開催の運びとなりました。
「子どもたちが動物と触れ合うことで、生き物に興味を持ち、命の大切さを知る情操教育の機会になればということで始まったイベントだと聞いています。その思いは、今も変わりません。お子さんに来てもらって、動物と触れ合ってもらう機会を提供できるのはとてもうれしいです。」と豊田さん。40年以上も続く歴史あるこのイベントは、毎年およそ16,000人が来場し、獣医師会が開催する動物イベントでは日本一の規模を誇るそうです。世田谷区と共催しているのは、公益社団法人東京都獣医師会世田谷支部。獣医師会に所属している世田谷区内の獣医が、日常の業務をこなしながら持ち回りで役員としてイベントを運営しています。

 

フクロウやタカ、ワシなどを身近に見られる「猛禽類の展示」コーナーも。檻なしで直接見ると、迫力を感じる

 

動物フェスティバルの最大の魅力は、動物園に行かないと見られないようなさまざまな動物と、世田谷区内の公園で出会えることです。フクロウやワシ、タカが檻なしで展示されている「猛禽類の展示」や災害時などに活躍している救助犬や老人施設などで癒しとなっている介助犬がいるブースや、ふれあいながらポニーやヤギなどと写真を撮れる「動物とふれあい撮影コーナー」などがありました。

一番人気はウサギなどの小動物と触れ合える「こどもふれあい動物教室」。あまりに人気のため抽選制となっており、イベント開始前から多くの親子連れが並んでいました。晴れて抽選に当選した子どもたちは、スタッフの説明を聞いてさわり方を習いながら、そっと優しくウサギをなでていました。

大人気の「こどもふれあい動物教室」。触り方を教わりながら、そっとウサギをなでなで

 

残念ながらそこで抽選に外れても、フェスティバルにはさまざまな物を間近に見られます。「ふれあい動物教室」のすぐ横にはハリネズミやパンダネズミがいて、子どもたちがのぞきこんでいました。ふだんあまり動物に接する機会のない小さな女の子が「動物ってくさいんだね」とお母さんに話していた姿が印象的。動いたり、においがしたりと、「かわいい」だけでない生き物をリアルに体感できるのがこのイベントのいいところです。

愛らしいハリネズミもフェスティバルに参加

 

動物病院体験ブースは、本物の獣医さんが付き添って診察体験できるのがうれしい

 

そのほかに人気だったのは、「動物病院体験」。獣医師会世田谷支部の中で「犬を連れて来てもいいよ」と申し出てくれた獣医さんが担ってくれたそうです。子どもたちは、白衣を着て獣医になった気分で、本物のレトリーバーに聴診器をあてる体験ができました。子どもにとってあこがれの職業である「獣医さん」を、本物の獣医さんに教わりながら体験できるのは貴重な機会です。

また、救助犬と介護犬のブースでは、災害時などに活躍する救助犬たちや、老人の介護施設などで癒してくれる介護犬をなでたり、それらの飼い主にその活動について聞けたりと、やはり貴重な体験ができました。

一般家庭の飼い犬が、訓練してテストに合格して救助犬、介護犬となり、ボランティアで活動する

 

多くの団体・人の協力で開催される、命を扱うフェスティバル

このイベントは、主催している世田谷区と獣医師会のスタッフだけでなく、出展している団体や動物に関わる専門学校、都立園芸高校の学生も参加し、多くの方たちに支えられています。生き物が関わるイベントの開催前の準備は、さまざまな団体と連絡を取り合い、大変な作業。
「人も生き物もたくさん参加するイベントなので、とにかく無事に終わってくれることを考えています」と豊田さん。当日は、愛犬家と飼い犬も多く集まるので、犬同士のケンカなどの不測の事態が起こらず、安全にイベントを終えることに気を配ります。

園芸高校の生徒たちは、学校の敷地内で拾った木の実などで工作をするブースを出展

 

命を扱い、大勢が関わる大きなイベントの開催に大変な思いをしながらも、獣医師会が動物フェスティバルをし続けるのは、区民に動物と触れ合い、楽しんでほしいから。
「最近はお子さんがいらっしゃらない方で犬や猫を飼っている方も多い。イベントのあり方としては、今後そのような方たちに対しても楽しめるよう、目的も考えていきたい」と話す豊田さん。実際、フェスティバルにはペットの健康などについて相談ができるブースや、愛犬のお手入れができるブースなども人気を集めていました。

アロマブラッシングコーナーで気持ちよさそうにブラッシングを受けるワンちゃん

 

しつけ教室など、愛犬家に役立つコーナーも

 

最後に、豊田さんに世田谷で動物たちを診療して日頃感じていることを伺いました。
「コロナ禍で、犬や猫を飼う方がとても増えたと感じています。以前はなかったようなトラブルが増えてきたと感じています。習性を理解しないまま飼い始めて問題が起こったり、病気などの予防のためにしなくていけないことがあることを知らなかったり…。ペットを飼っていただくことは、とてもいいことだと思うのですが、飼う前にはよく調べ、しっかり考えてから飼い始めていただきたいと思います」

フェスティバル当日にお話しを伺った豊田さん

 

撮影  壬生真理子

瀬田農業公園 フラワーランド 秋の菊展示に行ってきました

住宅地の中、お花で彩られたログハウスが目印。今花盛りの菊の展示が始まっています。

フラワーランドには、四季折々の草花をはじめ、ハーブや花木等の花壇が20近くあります。秋の草花が咲き乱れるナチュラルガーデンはシックな色合いに

 

日本で愛され続けてきた、雅な菊

この夏の猛暑日続きで開花が遅れた大菊。豪華な花弁に圧倒される。

フラワーランドの秋は、菊やバラを中心に落ち着いた色合いの庭景色となります。
その中でも菊は、奈良時代に中国から不老長寿の仙薬として渡来。宮中で重陽の節句で厄除けや長寿を願い「菊酒」として飲み、美しさを競う「菊合(きくあわせ)」など、その雅な姿や香を愉しんだそうです。また、おめでたい瑞祥紋として好まれ、天皇・皇族の印としても用いられています。
江戸時代に流行った「園芸」により、武士や植木職人により様々な品種改良がされました。庭が無い庶民にも露地先での鉢植えが愉しめ、菊見世の興行も盛んとなりました。今でも春の花見と並び、秋には菊人形等が、季節の娯楽、風物詩として楽しまれています。

内側が深紅、外側が黄金色の豪華さが特徴の「大天竜」

 

フラワーランド流で育てる「菊部会」

フラワーランドでは、友の会「菊部会」がフラワーランド流の菊づくりで、丈夫で、立派な花が咲くように手入れをしています。腐葉土、赤玉等を独自の割合でブレンドして土づくりをして、春にはさし芽や鉢上げで殖やし、施肥を繰り返し丈夫な株に育てているそうです。

株分けされた苗。来年の秋の開花を迎える迄、摘芯、摘蕾を繰り返し育てられる

ずらりと並ぶ菊の圃場棚。大菊の仕立てには、「盆養仕立て」「ダルマ作り」「福助作り」等があるそうです。

「菊づくりは、園芸の中でも盆栽のように職人的な技を使い、花を咲かせることを愉しむ方が多いです。並べる鉢毎に、予定通りの高さと花の大きさに揃え育てるには、高度な技と経験が必要です。手間を掛けた分、立派で見事な花が咲くと、手応えを感じます。」とお話くださるフラワーランド友の会の会長で菊部会の川井さん。

この夏から続く猛暑日で、開花が遅れ気味でまだ固い蕾。開花が待ち遠しいと話される、川井さん

大菊に比べ、小菊の代表的な仕立ては、「懸崖作り」や「ローソク作り」「玉作り」があるそうです。フラワーランドでは、花が滝の様に垂れ下がった「懸崖」が見ごろとなっていました。

懸崖作りのポイントは、その花芽が下を向かないように、伸びた枝を支柱などで上方向に吊り、開花したらその吊りから外し、小菊の花を滝の様に垂れ下げて仕立てます。

区内の都立園芸高校から株分けされた、小菊「神代の衣」。園芸高校の苗が枯れたと聞き、フラワーランドの株を分けて、互いに育て合う「菊の縁」で繋がっているそうです。(菊部会 安藤さん)

可憐な小菊「神代の衣」

 

フラワーランドの秋は、自然の造形力が面白い

秋のフラワーランドには、花だけでなく果樹の実りや木々の紅葉する様もシックな色合いで面白い形の花、実がいっぱいで見どころ満載です。

バラのアーチに架かるハンギングにはアメジストカラーの縁どりシクラメン、パンジー。アリッサムの白い小花が華やかさを引き立てる

形もモダンな草花の寄せ植えは、シックなガーデンデザインとして、自宅のお庭にも取り入れられそうです。

蔓バラ アイスバーグは四季咲きなので、いつでも園内で白く仄かなティー香を品よく漂わせ、咲いています。

陽光を浴びてたわわに実る、カリン。

 

フラワーランドは、区民ボランティアと育む花づくりの公園

 

月曜日の午前中は各部会が集まって、それぞれの花壇のお手入れをしています

フラワーランドの奥にある鑑賞花壇は、「フラワーランド花づくり教室」の生徒が、ガーデンデザインを学びながら苗を選び、植え込んでいく。

世田谷の農業のひとつとして盛んだった、花き園芸を中心に「花づくりの出来る公園」として「区立瀬田農業公園 フラワーランド」は昭和61年に開園されました。
「フラワーランドが他の公園と違うのは、友の会、花づくり教室という区民ボランティアの方々と一緒に、環境に配慮したフラワーランド流の園芸で、花壇づくりをしているところです。」と世田谷トラストまちづくり(以下、トラまち)の担当者山﨑さん、沓澤さん。

展示している菊見世ひな壇の状況を確認する、トラまち職員の山崎さん、沓澤さん。

花づくり教室の講師で、園芸相談にも対応している、トラまちの花とみどりの専門員 荻野さん。

フラワーランドには、子どもが遊べる広場や、水車小屋、浅い水辺のせせらぎもあります。四季の植物だけでなく、虫などのいきものにも触れる事ができます。日中は近隣の保育園・幼稚園の園児たちや、高齢者施設の方々ものんびり訪れる、世田谷のオアシスとなっています。

遊具もあり、木陰のベンチとテーブルは、お子様連れやおさんぽのひとやすみにもちょうどいいオアシスに

この夏からの猛暑日続きで、園内の植物の生育にも多大に影響したそうです。菊の開花も当初より10日ほど遅れましたが、その艶やかに咲く花は、秋の美しさを伝えてくれます。

菊の展示は11月26日まで行っています。今が最盛期になっているそうなので、ぜひ散歩がてらフラワーランドに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

北沢 歌声カルテットの昭和歌謡コンサート

2024年1月11日(木)10時よりチケット発売開始

胸が高鳴る懐かしい名曲たち
あの時、あの場所で歌った曲・・・。懐かしのあの歌を楽しみましょう!

 

日本で長く愛される唱歌や歌謡曲など、誰もが一度は口ずさんだことのある楽曲をプロのボーカリストと共に聴いて楽しめる音楽イベント!
胸が高鳴る懐かしの名曲たち…歌と共にあの頃にタイムスリップ!昭和を堪能する音楽で、心も体も元気になりましょう!


【出演者】
歌声カルテット(Vn西垣恵弾・Pf矢島吹渉樹・Br加藤凱也・T江上怜那)
【日時】
2024年3月13日(水)
開場 12:30 開演 13:00
公演時間 約120分(休憩あり)
【会場】
北沢タウンホール(北沢区民会館)2階ホール
【定員】
290名
【主催】
株式会社マイソングエンタテイメント
北沢区民会館指定管理者 株式会社世田谷サービス公社
【後援】
公益財団法人 認知症予防財団

【チケット】※発売日初日を除く窓口販売は9時~20時まで。

《全席指定》
前売/2,000円(当日券500円増)
※前売券完売の場合は、当日券のお取扱いはございません。
※車椅子のままご鑑賞いただける車椅子スペースご利用のお客様は事前に北沢タウンホールまでお問合せください。

【チケット取扱い】
①窓口販売
北沢タウンホール事務室(2階)  電話 03-5478-8006
成城ホール事務室(1階)     電話 03-3482-1313
玉川せせらぎホール事務室(4階) 電話03-3702-1675

②WEB販売
世田谷サービス公社オンラインチケットサービス
https://www.cnplayguide.com/setagaya/

【公演に関するお問合わせ】
株式会社マイソング エンタテイメント TEL. 03-5774-1414
【チケットのお問合せ】
《北沢区民会館事務室》TEL 03-5478-8006 (9時~20時)

【チケット完売】第9回 三茶DE落語~新春初笑い~

【チケット完売しました】

新春寄席は三軒茶屋で!
11/15(水)10:00よりチケット発売
【チケットのお求めは】
世田谷サービス公社オンラインチケット
◆三茶しゃれなあどホール 1F受付 03-3411-6636


第9回を迎える、三茶DE落語~新春初笑い~。毎年色々な出演者が新年の笑いを運んでくれます。今回は、三遊亭白鳥師匠、林家きく麿師匠、林家けい木さんの落語、漫才コンビ「風藤松原(ふうとうまつばら)」のお二人と、バラエティに富んだ内容です。
アットホームな会場で笑いあり、涙ありの楽しい寄席をお楽しみください!

【日時】2024年1月7日(日) 開場13:30 開演14:00 終演予定16:00
【会場】三茶やれなあどホール 5Fオリオン(世田谷区太子堂2-16-7)
【出演】三遊亭白鳥、林家きく麿、林家けい木、風藤松原(漫才)、林家十八
【チケット】自由席 前売 2,000円 当日2,500円
※未就学児は入場できません。

【チケットのお求めは】
世田谷サービス公社オンラインチケット
◆三茶しゃれなあどホール 1F受付 03-3411-6636

代田コミュニティ実技講座「御殿まりをつくる」参加者募集 ※この企画は終了しました

江戸時代から受け継がれる庄内伝統の民芸品「御殿まり」をつくります。

参加資格: 世田谷区内在住の方
実施日 : 12月11日(月) 午前10時~午後1時
会場  : 代田区民センターB2階 多目的室
講師  : 市川由喜(御殿まり継承者)
参加費 : 3,000円(材料費)
定員  : 先着15名
主催  : 代田区民センター運営協議会

申込み : ☏03-6407-8408へ お電話ください。
応募期間: 11月27日(月)~12月4日(月)
(受付時間 午前9時~午後5時まで)定員になり次第締め切ります

連載:世田谷の小さな博物館・記念館を訪ねてみよう 第二回 成城 樫尾俊雄発明記念館

成城の閑静な住宅街にある。庭園は市民緑地として一般開放されており自由に散策できるが、館内見学は完全予約制

 

邸宅のリビングや応接間に発明品を展示

小田急線成城学園前駅から歩いて15分ほど、国分寺崖線と呼ばれるみどり豊かな高台に「樫尾俊雄発明記念館」はあります。生涯で共同名義含め313もの特許を取得した樫尾俊雄氏は、建材から内装までこだわり作り上げたこの家で、数々の発明品を生み出しました。2012年に亡くなった後、「歴史ある発明品を公開して、皆に感じ取って欲しい」という本人の遺志と、「豊かな緑を大切に守って欲しい」という周辺住民の願いを受け、記念館として整備。435坪の庭園は「成城四丁目 発明の杜市民緑地」と名付けられた市民緑地となり、近隣住民が散策を楽しんだり、小学生が通学路として利用したりと、地域の暮らしに根付いています。

 

一般財団法人世田谷トラストまちづくりが管理する「成城四丁目発明の杜市民緑地」

 

玄関に立ち、まず目を惹くのが、コンサートホールのように華麗なエントランスです。木調のらせん階段が滑らかな曲線を描き、見上げると61灯のクリスタル製シャンデリア。天窓には俊雄氏が自らを表現した白頭鷲のステンドグラスが埋め込まれ、天気の良い日には陽光が降り注ぎます。玄関には妻をイメージした極楽鳥のステンドグラス、階段付近には子どもたちを表す丹頂鶴のステンドグラスも飾られ、家族への想いを感じ取ることが出来ます。

当初はステンレスとスチールを用いたモダンなエントランスだったが、その後改築。ピアノを弾いていた娘のために、音響効果に優れた木材に置き換えたという

丹頂鶴のステンドグラスは、2人の子どもたちを想って俊雄氏自身がデザインしたもの

 

四半世紀以上前に発明された電卓のルーツ「14-A」

館内はテーマごとに5つの部屋に分かれています。かつてリビングだった「発明の部屋」のメイン展示は、1957年に発明された世界初の小型純電気式計算機「14-A」。当時主流だった歯車式の計算機と比べ、機能・演算速度・静音に優れていたことから高い評価を受け、「世界のCASIO」への第一歩となった製品です。国立科学博物館(東京・上野)とスミソニアン博物館(米国)にも収蔵されていますが、現在も稼働しているのはこの1台のみ。説明員の方がボタンを押すと、カタカタと軽快な音が鳴り、あっという間に計算が完了。四則演算の機能や操作法、表示方法は現在の電卓とほぼ同じだそうで、四半世紀以上前の技術力に驚かされます。

裏側はガラス張りで、じっくり観察できる。価格は1台48万5000円と高額だったが、大手企業や研究機関などで普及した

現在では当たり前の「テンキー」を世に広めたのも俊雄氏。当時の計算機はすべての桁ごとに数字ボタンが縦に並ぶ「フルキー」が主力だった

隣接する「数の部屋」には、大ヒット商品「カシオミニ」など歴代の計算機を展示

 

電子キーボードやデジタル時計の歴史がわかる

カシオといえば、電子キーボードを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「音の部屋」には、1980年に発売された同社の電子キーボード1号機「カシオトーン201」のほか、「シンフォニートロン8000」や「デジタルホーンDH-100」など、歴代の電子楽器が展示されています。

若い頃からクラシック音楽を愛していたものの、演奏は得意ではなかったという俊雄氏が電子キーボードの開発に乗り出したのは、50代になってからのこと。「演奏が難しい楽器を、誰もが簡単に演奏できるようにしたい」という熱い思いが原動力でした。室内では関係者が当時の思い出を語るインタビュー映像が流れ、開発秘話を知ることができます。

花模様の絨毯が敷かれた「音の部屋」は、妻の寝室として使われていた場所

 

「時間は1秒ずつの足し算である」と考えた俊雄氏は、計算機の技術を応用し、世界初のオートカレンダー機能付時計「カシオトロン」を開発しました。「時の部屋」にはこの「カシオトロン」をはじめ、1983年に発売された「G-SHOCK」などの人気モデルが並び、ガジェットファンを惹きつけています。

ガラスケースの中には、歩数計や血圧計付き、デジタルカメラ付き、対戦ゲーム機能付きなど、遊び心あふれるデジタル腕時計がずらり。今でこそスマートフォンでおなじみの機能ですが、30年以上前にカシオが実用化していたことに大変驚かされます。

カシオトロンから始まったデジタル時計多機能化の歴史が一目瞭然

 

俊雄氏の書斎をそのまま公開

最後に訪れるのは、俊雄氏の書斎をそのまま公開した「創造の部屋」。机の上には手書きのノートや鉛筆、消しゴムが置かれ、生涯にわたり紙と鉛筆を使って発明し続けたという逸話を裏付けています。目線の先には神秘的な大理石の壁と、愛用のオーディオセット。クラシック音楽に耳を傾けながら、時に寝食を忘れて発明に没頭していた俊雄氏。その発想の源泉に触れられる場所です。

イタリアから取り寄せた大理石「オニキス」の壁の前に、オーディオセットを設置

書斎から見える庭園。春は枝垂れ桜やソメイヨシノ、夏はハナミズキやサツキと、四季折々の眺めが楽しめる

 

樫尾俊雄発明記念館では2017年から20回以上にわたって、全国各地の小学校や塾などで「発明アイディアワークショップ」を開催。参加者からは「発明家になりたいと思った」「もっといろんな人の役に立つものを作りたい」との声が集まり、好評を博しています。また、毎年夏休みには館内でクイズラリーや体験教室など、多彩な子ども向けイベントを実施。2016年と2017年には世田谷区立明正小学校で、子どもたちに「誰かの役に立つ時計」を考案してもらい、発明の素晴らしさを伝える「サマーワークショップ」を開催するなど、未来の発明家を応援する活動にも積極的に取り組んでいます。

見学予約は公式ホームページで受付(電話は不可)。説明員が一緒に館内をまわり、ていねいに解説してくれます。館内に飾られた「0から1を生み出す。」「発明は必要の母。」といった俊雄氏の名言パネルも興味深く、心に染み入るものばかり。偉大な発明家が暮らした邸宅で、その発明や思想に触れる。発明に興味のある方はもちろん、美しい建築・庭園を楽しみたい方にもぜひ、訪れてほしい記念館です。

 

撮影 壬生マリコ

【終了】はじめてのフラ クリスマス編

11/25(土)より電話申込み受付開始 
梅丘パークホール 03-5300-3220まで
どなたでも気軽に参加できる「梅丘げんき講座」、12月のプログラムは、初心者向けのフラです。「クリスマス編」としてクリスマスにちなんだ要素をちりばめたHappyでALOHAな楽しい講座です。

【日 時】2023年12月15日(金) 10:30~11:40 ※受付は10:00~
【会 場】梅丘パークホール(世田谷区松原6-4-1)
【参加費】1,000円
【持ち物】動きやすい服、靴、タオル、飲み物
【参加申込】11/25(土)より電話受付開始
・梅丘パークホール 03-5300-3220まで

・クリスマスカラーの服装や、小物があればご持参ください。クリスマスの気分でフラを楽しみましょう。
・パウスカートの貸出しをします(先着7名)。ご希望の方は参加申し込み時にお申し付けください。
・フラは素足で行いますが、寒い方は靴下やシューズを履いても大丈夫です。※会場内は土足禁止です。