「やちむん」とは
皆さんは、沖縄の陶器「やちむん」をご存じですか。「やちむん」とは沖縄の言葉で「焼き物」という意味で、沖縄県産の陶器のことです。最近は、インテリアショップなどでも積極的に扱われ、若い世代にも人気が出てきています。
世田谷で「やちむん」を買うことのできるお店「うつわのわ田」は、東急世田谷線山下駅(小田急線豪徳寺駅)から徒歩2分のところにあります。駅からの南東側、北沢川緑道の近く、目立つ看板はありませんが、とても可愛い足が付いたサインで迎えてくれます。
特徴的な看板が可愛らしい
店内は、奥がレジカウンター。両脇にうつわがずらりと並ぶ棚。まんなかにちゃぶ台くらいの机があり、青々としたみどりと、うつわがたくさん置かれています。
たくさんの器が並ぶ店内の様子
窯元に直接足を運んで、目で見て決める和田さんの想い
「うちは九州や沖縄の陶器が多いんです」と、店長の和田さん。
店主の和田さん
「やちむん」とは沖縄で陶器全般の事を指す方言。陶器横のPOPカードで産地や特徴をポイントにして可愛く表示してくれています。商品と照らし合わせながら、楽しく知れる工夫です。窯元名や技なども、とても参考になります。
特筆すべきポイントが星付きで紹介されている
「うつわのわ田の商品は全て、窯元さんの所に訪ねて行って、お話を聞いたり、目で見て決めたものばかりなんですよ」と和田さん。置いてある陶器は自信をもってお勧めできるものばかりだそうです。
福岡県の小石原焼鬼丸豊喜窯の大皿 (七寸八寸)もあります。
和田さんが「うつわのわ田」を始められる前はアパレル業界にいたと聞いて、その培われたセンスの良さが垣間見れます。「違う柄や模様のものを組み合わせても、バランスは取れるようになっているはず。」(和田さん)確かに店内には多くの種類のうつわが並んでいますが、賑やかさの中にもバランスと調和が保たれています。
和田さんがこだわり抜いた品揃え
製法は伝統的で、丁寧。手間も時間もかかっています。
やちむんは、一つずつ手作り。大量生産は出来ません。中には登り窯で、何日もかけて窯火(かまび)の番をしながら焼き上げるという大変な作り方をされている窯元もあるそうです。お店で出会えるうつわは、まさに一期一会です。
やちむんのポッテリとした厚みは、沖縄の素朴な感じを思い起こします。そして個性的なものばかり。カラフルでいて優しい色合いで図柄が描かれていたり、一定の模様が一面に美しく付けられていたり、へらなどで削るのか立体的な文様になっていたり。どれもこれも魅力的です。
沖縄県大宜味村のやちむん与那城の大皿
「琉球ガラスも、とっても人気です」(和田さん)琉球ガラスは、瓶などを溶かして再度形成して作る製法だそうで、色に深みがあります。こちらも一つ一つ、ドロドロに熱したガラスを、口で吹いて作っています。手間暇、愛情たっぷり込められている上に、ガラスに厚みがあるので、手作りならではの雰囲気を感じました。
沖縄県那覇市の奥原硝子製造所のペリカンピッチャー
一度その良さにはまると、揃えたくなる!?
「うつわのわ田」にいらっしゃるお客様に共通するのは、選ぶ時間が長い事。みなさん、選ぶのが楽しそうです。購入されたお客様にお話を聞いてみると「実は『うつわのわ田』さんに来るのは今日で2回目なんです。近所なんですが、一度適当にお茶椀を買ってみたら、ビックリするほどお米の味が美味しくて。もっと揃えたいと思ってお金を貯めていたんです。今日はたくさん買ってしまいました。」と教えてくれました。
「マカイ」とは沖縄の方言で「椀」のこと
別のお客様は、「散歩の途中で何気なく入って買ってみたら、もう気にいっちゃって。今日は家族の分も買い揃えに来ました。今、外出しづらいから、食卓を楽しみに出来るって嬉しい。このうつわで食べると本当にご飯が美味しくなるんですよ。あれもこれもたくさん買っちゃたけど、今はおうち時間を充実させられるのっていいですよね」とのこと。お二人とも、大変満足そうで、器にどんな食事をのせようかと、とても楽しみになさっていました。
線彫りが美しい魚紋は「やちむん」の代表的なデザイン
沖縄のうつわ「やちむん」に誘われて
今はなかなか外に出づらい時期。家でゆっくりお食事をしながら沖縄に思いを馳せることのできる、沖縄の器「やちむん」。皆さんも豪徳寺の「うつわのわ田」に器探しに出かけてみてはいかがでしょうか。
シーサーもお待ちしてます