美のプロが教える、ハーブを使った料理教室とハーブチンキづくり

摘み立てのハーブを使った料理教室とハーブチンキづくり

摘み立てのハーブを使った料理教室とハーブチンキづくり

外見だけではなく、内面やライフスタイルの提案も

「個々の知見が広がるようなワークショップを開催していきたい」と話すのは企画を担当する八木沙織(やぎさおり)さん。これまで季節のメイクアップレッスンやゆかたの着付け、ヘアアレンジレッスンなどのワークショップを開催してきました。着付け教室では男性の参加も呼びかけるなど、どなたでも学べるコミュニティづくりを目指しているとのこと。

「仕事や家事以外に関心のあることを増やしてほしいなと思います。興味を持つ『きっかけ』になるようなイベントを開催することで、参加した人や告知を見た人に少しでも刺激を与えられたらうれしいですね」(八木さん)

関心を高めてもらえるように、内容だけではなく会場や地域のつながりにもこだわりを持っているとのこと。「学ぶ」以外にさまざまな企画を用意しているそう。ゆかたの着付け教室では、着付けをし、髪も綺麗にセットしたあと、お寺にお邪魔して記念撮影や散策を楽しんだそうです。またメイクアップ教室では、地域のお店と連携したお茶会を開き交流を。参加者と講師だけではなく、会場となる街との出会いも楽しめるプログラムが「ファリィ」の魅力。

ハーブでテーブルをコーディネート。室内にはハーブのいい香りが漂います

ハーブでテーブルをコーディネート。室内にはハーブのいい香りが漂います

講師を務める栗原由佳(くりはらゆか)さん

講師を務める栗原由佳(くりはらゆか)さん

ハーブを使った5品のメニューを作ります

ハーブを使った5品のメニューを作ります

ハーブのある暮らしを

この日は、桜新町駅から徒歩8分ほどのところにあるハーブガーデン付きシェアハウス「エルブドゥ桜新町」を会場に、ハーブを使った料理教室とハーブチンキづくりが行われました。テーブルには摘んだばかりのハーブが飾られ、室内はとてもいい香り。「エルブドゥ桜新町」では、入居者の方なら自由にハーブガーデンのハーブを使うことができるそう。ハーブガーデンは、共有スペースのリビングダイニングキッチンからつながるルーフバルコニーに併設され、お料理の最中でもすぐにハーブを摘んで使うことができます。シェアハウス主催の料理教室やハーブ活用法のイベントもあり、ハーブ好きはもちろんこれから勉強したい方にもおすすめのシェアハウス。

ワークショップは料理教室とチンキづくりの二部にわかれ、まずは料理教室から開始。講師を務める栗原さんは、ヘアメイクアップアーティストとして活躍するほか、和ハーブ検定、調理師免許を収得し、食やハーブの知識も豊富。ご自宅でもお野菜やハーブを育てているそうで、育て方のポイントなども交えた話に参加者のみなさんは真剣に耳を傾けます。

メニューは、鮭の炊き込みご飯、鶏ハム、生春巻き、なすのハーブ蒸し、トムヤムクン風スープの5品。それぞれの料理にはセージ、ローズマリー、バジル、タイム、レモングラスとパセリを使います。3人一組になりひとつのメニューを担当。私は生春巻きを作りました。春巻きの具材にハーブを使うのかと思いきや、ソースにバジルをたっぷりと。バジルと林檎を組み合わせたソースは、りんごの酸味と甘みがほどよくアクセントになり食が進みます。このソースは春巻き以外にもサラダのドレッシングに使えそうな一品。

ハーブガーデン付きシェアハウス「エルブドゥ桜新町」

ハーブガーデン付きシェアハウス「エルブドゥ桜新町」

それぞれの料理にはセージ、ローズマリー、バジル、タイム、レモングラスにパセリを

それぞれの料理にはセージ、ローズマリー、バジル、タイム、レモングラスにパセリを

出来上がった料理を前に記念撮影

出来上がった料理を前に記念撮影

山梨県「菊島農場」から直送の大きなナス

山梨県「菊島農場」から直送の大きなナス

担当以外でも手の空いた人から他のチームの補助にまわり、協力しながら作業が進みました。調理開始から1時間ほどですべてのメニューが完成。テーブルに並べ、記念に写真撮影を。試食をしながら、みなさん興味のあるハーブやお料理の話で盛り上がります。ハーブ以外の食材はこの日のために農家さんから直送。都会で暮らす農家や商店の跡継ぎが地元を盛り上げるようと、マーケットの開催や勉強会などを行っている「セガレ・セガール」の協力のもと、山梨県「菊島農場」からはナスやきゅうり、岩手県「したみち農園」からはりんごが届きました。急きょりんごの食べ比べを行い、「紅玉」「トキ」「早生ふじ」の3種類試食。それぞれ味に特徴があり嗜好がわかれます。私は、香りが良く甘味の「トキ」が好み。酸味が強い「紅玉」は生食よりもお菓子との相性よいということで事前にデザートが用意。ホットケーキミックスを使い炊飯ジャーで作った、簡単アップルケーキをハーブティと一緒にいただきました。

チンキづくりを初体験!

ハーブチンキとは、ウォッカやホワイトリカーなどのアルコールまたは無水エタノールにハーブを浸し、成分を摘出したハーブの濃縮エキスのこと。アメリカなどではドラッグストアでも買えるほど普及しているそうですが、私は作るもの使うのも初めて。今回はローズマリーで挑戦します。ローズマリーは初心者でも扱いやすく、血行促進、集中力アップ、消毒などにも使えるそうです。

作り方は簡単で、枝からそぎ落としたローズマリーの葉を煮沸した瓶に入れ、葉がひたひたになるまで無水エタノールを注ぎます。あとは1日1回瓶を振り、2週間から1ヶ月冷暗所で保管。各自持ち帰って出来上がりを待ちます。化粧水や軟膏の作り方など利用方法についても教えてもらいワークショップは終了。すでにハーブを活用している方やこれからハーブを取り入れてみたいと思っている方が参加したこともあり、終了後も参加者同士でおしゃべりが弾みます。

ローズマリーは、挿し木で増やすこともできるそうなのでこちらもお土産にいただきました。お料理から美容まで、幅広く活用できるハーブの魅力をたっぷり学んだ一日。ハーブを手軽に取り入れることができると知り、「ハーブのある暮らし」を始めてみたいと思いました。

岩手県「したみち農園」から届いたりんごを食べ比べ

岩手県「したみち農園」から届いたりんごを食べ比べ

2週間から1ヶ月後には見本(中央)のようなチンキが出来上がります

2週間から1ヶ月後には見本(中央)のようなチンキが出来上がります

ハーブの活用法をメモ。皆さん、顔が真剣です

ハーブの活用法をメモ。皆さん真剣な表情

————————————————————–
シェアハウスで開催するイベントは下記のURLよりご確認いただけます
http://share-park.com/?cat=30

誰もが楽しめる場づくり。Restaurant愛と胃袋オーナー石田恵海さん

Restaurant愛と胃袋オーナー石田恵海さん

Restaurant愛と胃袋オーナー石田恵海さん

三軒茶屋で安心安全にこだわった和テイストのフレンチレストラン

世田谷くみん手帖編集部(以下、くみん手帖):「レストラン愛と胃袋」が3周年を迎えたとのこと、おめでとうございます。まずはお店のコンセプトを教えていただけますか?

石田さん(以下、敬称略):ありがとうございます。外食を楽しみたいときに誰もが利用できる安全・安心なお店を目指しています。と言いますのも、私自身、足の手術をして車いすを一時的に使っていた経験や出産後まもなくなど、「外食を楽しみたいけれど、難しい」時期が。このような経験から「日本のおいしいとやさしいをテーブルから」をコンセプトに、どなたでも外食を楽しめるお店づくりをしています。

無農薬・低農薬の野菜や肉、魚など国産の安全な食材にこだわり、国産のみを取り揃えた日本ワインもお客さまに好評です。
また、障害福祉サービス事業所で作られた食材や加工品も仕入れています。こちらは支援ではなく、安全な原材料を使い丁寧に作られた美味しいものが多いという理由から選んでいます。

くみん手帖:「誰もが楽しめる場づくり」のために、具体的にはどのような配慮がされているのですか?

石田:ベビーカーや車いすでも入りやすいようにお店の入り口にはスロープを設置し、店内はバリアフリーです。小さな赤ちゃん連れの方のために、授乳スペース、おむつ台、ベビーチェア、キッズチェアも用意、離乳食や幼児食も提供しています。

店名「Restaurant愛と胃袋」の由来は、どちらも必要不可欠なものであり、互いがバランスよくあること。恋人、ご家族、ご友人など大切な方との愛が深まる食事の場でありたいという意味が込められています。

店名「Restaurant愛と胃袋」の由来は、どちらも必要不可欠なものであり、互いがバランスよくあること。恋人、ご家族、ご友人など大切な方との愛が深まる食事の場でありたいという意味が込められています。

店内にはキッズチェアも準備。居心地がいい空間になっている

店内にはキッズチェアも準備。居心地がいい空間になっている

離乳食としても食べられている米粉パンも人気

離乳食としても食べられている米粉パンも人気

小さなお子さまは長い時間じっとしているのは大変ですので、お子さまの食事を先に提供するなど楽しく時間を過ごしてもらえるように工夫しています。

車いすの方でも安心してご利用できるように、トイレは車いすが360度回転できる広さを確保し手すりも付いています。

くみん手帖:この3年間はいかがでしたか?

石田:お店を開店したのは、長男が生後半年のときで、保育園に預けるようになるまでおんぶをしながらお店に出ていました。ライター業では、お店の取材でオーナーからいろいろなお話を伺っていましたが、いざ自分がお店を運営する立場になると、聞くのとやるのでは大違い。いろいろな失敗を重ねながらの3年間でした。ただ、これからもますます食材とサービスにこだわり、どなたでも安心しておいしい食事を楽しむ場所にしていきたいと思っています。

自分が知りたいことを講座に

くみん手帖:石田さんは子育てサークル「おやこのおへそ」も主宰していますね。

石田:お店にはお子さま連れのお客さまが多く、開店当初から、食事の提供以外にも何かやってみたいと考えていました。店先で立ち話をする機会もあり、外出が難しい乳児連れのお母さんたちがもっと交流できる場があったらなと。

そんなときに、先輩経営者として旧知の仲だった、保育士と音楽家による親子コンサートを開催しているNPO法人Happy Mother Music代表の鈴木美美子さんから声がかかり、お店で0歳に向けた絵本読み聞かせの「おはなし会」を始めたのが「おやこのおへそ」のスタートです。

0歳でもすごく集中して楽しんでくれるのが発見でした。

くみん手帖:「おやこのおへそ」ではそのほかにどのような活動をしていますか?

石田:「おはなし会」のほかには、ピアノやバイオリンなど音楽と絵本の世界を楽しむ0〜3歳向けの「おとあそびの会」を定期開催しています。

それ以外にも、自分が子育てをしていて興味があることについて講師をお呼びし、お母さん向けの勉強会を不定期で開いています。今まで開催した講座の中には「被災ママ812人が作った子連れ防災手帖」という本を読んで感銘し、この本をプロデュースしたLo紀子さんにお願いした「子連れ防災講座」などもあります。

くみん手帖:これからはどのような講座に挑戦される予定ですか?

石田:自分の子どもの成長とともに子育ての課題も変わっていくはずなので、「おはなし会」や「おとあそびの会」を続けつつ、自分が学びたいと思う講座や、お母さんたちと接していて、開催の必要性を感じる講座を開催したいと思っています。

ワインは日本ワインのみ、というこだわり

ワインは日本ワインのみ、というこだわり

「近江プレミアム牛」は国産飼料100%で徹底的に安全にこだわって育てられているもの

「近江プレミアム牛」は国産飼料100%で徹底的に安全にこだわって育てられているもの

ゆっくりお食事を楽しみたい方は個室も

ゆっくりお食事を楽しみたい方は個室も

オーナーシェフの鈴木信作さんとは夫婦で二人三脚。ケンカをすることもある、というが、お互いの得意分野でお店を支える

オーナーシェフの鈴木信作さんとは夫婦で二人三脚。ケンカをすることもある、というが、お互いの得意分野でお店を支える

例えば、インターネットの情報を上手く活用する「ネットリテラシー」の講座は企画したいですね。情報収集や交流で使うSNSはお母さんたちの利用も多いですが、必ずしも正しい情報が流れてくるわけではないですよね。でも、母親をしていると「子どもを守らなくては」という意識が強く働くので、ショッキングなニュースに出合うと、それを鵜呑みにしたり、シェアをしすぎたりと、情報に対して無防備でいることでトラブルに陥るケースもある。そこをなんとかしたいなと考えています。

イベントは、1人でも気軽に参加できるような雰囲気を心がけています。イベントで知り合ったお母さん達が仲良くなって一緒にランチに来てくれたりと、笑顔の輪が広がっていくことがなによりも嬉しいので、お母さんたちの出会いの場をこれからも作っていきたいです。