昭和女子大生による企画コラボ「ピクニックランチボックス」

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世田谷美術館の地下にあるカフェ「SeTabi Café (セタビカフェ)」では、カフェのテイクアウトメニューの1つとして、カフェのオープンに合わせて昭和女子大学の学生とコラボレーションして企画した「ランチボックス」があります。砧公園が隣接しているというカフェの立地を活かして、ランチボックスを片手に、自然の中でピクニックを楽しんでもらいたいという思いを込めて「ピクニックランチボックス」という名前をつけました。

前回の春メニューでは、カフェの看板メニューのガレットがフランス ブルターニュ地方の郷土料理だったことから、ランチボックスもブルターニュを意識したメニューにしていましたが、今回は、世田谷美術館が多くの作品を所蔵している画家「アンドレ・ボーシャン」に焦点をあて、彼が絵の題材としてフランスのトゥーレーヌ地方の日常風景を好んだということに因み、トゥーレーヌの郷土料理を参考にしたメニューも加えました。特徴は、果物を加えることと、森があることから、きのこやジビエもたくさん使うことです。そして、今回のメニューは4種「生ベーコンとプラムの煮込み」「ポテトサラダとキノコのマリネ」「秋野菜のソテー タップナード添え」「いちじくのファーブルトン」としました。

今回のランチボックス企画にあたっては、前回かかわった学生数名が主力メンバーとなり全体をひっぱる他、同ゼミの3年生も加わり、次年度に向けた勉強も兼ねてのメニューの企画会議に参加したり、広報やPR活動に力を注いだそうです。

学生に話を聞くと「春のピクニックランチボックスと同じくらい美味しいものができるのか、テーマ決めから不安があり、メニューも新鮮味を出すことに苦労しましたが、今回しかできないものができました」とのこと。前回はメインに鳥肉を使用していたため今回は豚肉に変更するなど、工夫もされています。

「チラシを配っているとき、前回のランチボックスを召し上がった方とお話ができたことが嬉しかったですし、これからもこの企画が続いて、もっと多くの人達に知ってもらい、是非カフェの名物になってほしいと思っています。また、学科の名物企画にもなり、多くの後輩たちに関わってほしいです。今回、3年生と一緒に活動ができ嬉しかったです」。
ランチボックスは12月2日まで発売しています。ぜひお召し上がりください。

美味しいコーヒーで三宿をより幸せに。NOZY COFFEE能城さん

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美味しいコーヒーで三宿の暮らしをより幸せに

世田谷くみん手帖(以下、せたみん):コーヒー店をつくるきっかけは?
能城:大学時代にコーヒー屋で働いていたことがきっかけで、いつかカフェを開きたいなと思いはじめました。そこでカフェ巡りをしているなかで「フェアトレード」という言葉と出逢い、大学の研究でエチオピアのコーヒー豆の生産者の状況についても学びました。
せたみん:なるほど。
能城:フェアトレードとは生産者からフェアな価格で豆を購入するものですが、生産者を救うといってもしっかり美味しいものが適正な価格で提供されるのが、ちゃんとしたフェアトレードだと感じたため、カフェではなくコーヒー豆を売るお店をつくろうと思いました。
せたみん:それで自分のお店を?
能城: はい、ただフェアトレードコーヒーといっても、お客様に生産者が大変で・・・という見せ方ではなく、むしろ「これすごく美味しくないですか?」と言い伝えたかったんです。しっかりとした価格帯で美味しいものには対価を払うという意識を広げていけば、消費者も美味しいコーヒーが飲めてうれしいし生産者も喜ぶ状況がつくれるんじゃないかと。そして、そのひとつの解決策が、お店でブレンドしないコーヒーを出すことでした。コーヒーはブレンドされることによって産地が分からなくなる側面もあるので。
せたみん:シングルオリジンというのはなんでしょうか?
能城:言葉の定義でいうと野菜でいうと「◎◎さんちでとれた野菜です」ということなので、だからそれだけで美味しいという話ではありません。でも、それが美味しければ何かの理由があり、またそれを知ることができます。

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コーヒーをしっかりと味わってもらえる場所を探し三宿へ

せたみん:それからどういう流れでコーヒー屋さんをつくられたんですか?
能城:大学4年のとき、大学の近くの湘南台に場所を間借りして、朝だけテイクアウトコーヒーを売るコーヒースタンドをはじめました。そこは半年ほど続け、大学卒業後の2010年8月に三宿店をオープンしました。
せたみん:場所を三宿に選んだことには理由があったんですか?
能城:三宿を選んだのは、そんなお店のコンセプトをしっかりと受け取ってくれる消費者はどこにいるんだろう?と思って探したどり着いた答えでした。たとえば渋谷のど真ん中であれば、コーヒーは売れたとしても味やメッセージまで受け取ってもらえるのか分からない。カフェでなくコーヒーショップにこだわりたかったので、時間をつぶすために来てもらうことももちろん良いのですが、しっかりコーヒーを味わってもらいたくて、駅からも遠い三宿エリアならわざわざ足を運んでもらう必要がある分、期待をもって来てもらえると。
せたみん:お客様にはどのように広がっていったんですか?
能城:はじめはどれだけ来るかはわからなかったので、オープンから10日間で無料券を撒いたんですが、オープン当日と翌日だけで1000人以上の方に来ていただけました。それから少しずつ雑誌に取り上げていただいたりし、今はカフェやレストランにも豆を卸しています。
せたみん:近隣の方はどのようにNOZY COFFEEを活用されていますか?
能城:このエリアには暮らしに対する意識の高い方が多くいらっしゃり、近隣の方には毎朝コーヒーを飲みに来てくれる方や、毎週豆を買いにきてくれるお客様もいます。コーヒーを楽しむだけでなく知りたい学びたいと思われている方がいらっしゃるのでセミナーも開いています。ぼくたちは美味しいコーヒーを淹れているんですが、美味しいコーヒーを飲んで幸せな時間を過ごしてくださることを目指してやっているので、自然あふれる三宿に住まわれているかたの暮らしが美味しいコーヒーでより幸せになったらうれしいなと思っています。

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地元の方も喜ぶよう一緒に街を盛り上げていきたい

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せたみん:「三宿商店会」にも入られ、地域の活動もされていますね。
能城:大学4年の頃、コーヒーと共に「まちづくり」の研究もしていたんです。街や近隣同士のコミュニケーションをよりよくするには?ひとつの企業がまちづくりにどう貢献できるか?というのは実行しながら探しています。
せたみん:「世田谷パン祭り」ではトークショーやコーヒーの出店で参加されていますが、イベントをどのようにしていきたいですか?
能城:「世田谷パン祭り」も誰のためのパン祭りなのかというのを考えたくて、昨年もたくさんの人が来て、商店会もパン屋さんも潤ったんですが、地元の方も喜んだかといわれたら課題も残ったので、今年は地元の方が優先購入できる時間もつくっています。ゆくゆくは、パン祭り実行員会のなかに地元住民チームがはいったら理想ですね。地域の会議では「地元の人としては若い人が歩いてくれるだけで活気がでるから歩いてほしい」というニーズがあるので、昭和女子大さんとコラボのパンをつくったりしているのは本当に良い取り組みだなと思いますね。
せたみん:世田谷くみん手帖を見ている読者の方にメッセージをお願いします。
能城:三宿エリアには強いこだわりや魅力のあるメッセージをもったお店が多いので、三宿通り、世田谷公園の自然に足を運んで、ここにある良いものと出逢ってもらいたいなと思います。また、パンにたくさんの種類があるように、コーヒーにも色々と種類があるので相性って存在するんです。パン好きの方にはそういった相性も探して楽しんでもらえたらうれしいです。

能城政隆

株式会社NOZY珈琲代表取締役。SFC慶應義塾大学卒業。大学時代に湘南台でコーヒー店をはじめ2010年に三宿に移転。シングルオリジンコーヒーの文化を創造し、世界を豊かにすることが夢。2012年11月23日開催「世田谷パン祭り」のトークショー「NOZY COFFEEの美味しいコーヒーの話」講師。

国道246号線を走る!「世田谷246ハーフマラソン」開催

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国道246号線を走れるマラソン大会があるのをご存知ですか?11月11日に開催される「世田谷246ハーフマラソン」は、緑豊かな公園、246通り、駒沢通り、閑静な住宅街、そして多摩川沿いといった世田谷の魅力あふれるコースを走るマラソン大会です。

駒沢オリンピック公園陸上競技場からスタートし、駒沢通り〜246通り〜二子玉川へと向かい、世田谷通りなどを通過し、また駒沢公園に戻ってくるルートでは、瀬田の交差点から二子玉川に下る多摩川の景色の素晴らしさも魅力のひとつ。7回目を迎える今大会では、ハーフマラソンの他に、子どもやマラソンのビギナーも楽しめる2㎞、5㎞の健康マラソンも同時開催されます。

今年で出場3回目となる世田谷在住の中谷さんは、友人に影響を受け約5年前にフルマラソンを走り始めました。姉妹都市であるオーストラリアの「バンバリーマラソン」にも参加している中谷さんに、世田谷ハーフマラソンの魅力についてお聞きしました。

「普段は交通量の多い246を走り、二子玉川の駅前を抜け、多摩川沿いの景色を楽しみながら走り、紅葉が始まっている駒沢公園まで、世田谷を充分楽しみながら走ることができるので、とても楽しいです」。天気がよければ富士山も見ることができるそうです。

「世田谷は地元なので、家族や友達が沢山応援してくれますし、通常よりも張り切ってしまいます。走りながら、知り合いがいないか探すことも。応援している方の中には、大学の学生さん達のすばらしい走りを身近で見る事ができ、驚かれる方もいます」。

中谷さんファミリーは、お正月の箱根駅伝を見る際には「世田谷ハーフマラソン」の結果をみて出場選手を応援するそう。これもこのマラソンの楽しみ方のひとつかもしれません。

参加はすでに締切っていますが、元気に走るランナーがみな主役となれる一日。ぜひ246通りを走るランナーを応援してください。