11月28日(土)パラリンピック正式種目の1つである「ボッチャ」の交流大会“2020ボッチャ世田谷カップ”が区立総合運動場体育館で開催されました。2回目の開催となった今年度は16チームが参加し、徹底した新型コロナ対策の下、白熱した闘いが繰り広げられました。
会場は、世田谷区総合運動場体育館(大蔵)
ボッチャ柄のマスクであいさつする保坂区長
ソーシャルディスタンスを確保した開会式
ボッチャとは
ボッチャは、”ジャックボール(目標球)”と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げ、いかに近づけるかを競うスポーツです。カーリングのように、相手のボールを弾いたりして、自分が優位に立てるよう位置取りをしていきますが、的を弾いて移動させることができるので、カーリングとは一味違う戦略、魅力がある競技です。
ボッチャというと、“障害のある人のためのスポーツ”という印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、障害の有無に関係なく、誰でも対等に楽しむことができるところがボッチャの魅力です。
またシンプルなルールながら、勝つためには様々な戦略があり、とても奥の深いスポーツです。
次の一投の作戦会議
万全なコロナ対策のもとで白熱した試合が展開
ボッチャは、一投で形勢が逆転します。ですから一投ごとに次の作戦を考えなければいけません。ジャックボールにピタリと寄せたり、痛快に弾き飛ばしたり。どちらのボールがよりジャックボールに近いのか。
審判は近さを目で判断できなければ、”キャリパー”というコンパス型の器具で双方のボールとの近さを比較します。ペンライトも使い、紙一枚分の厚みの間隔も見逃しません。まさに、紙一重。
どちらのボールがジャックボールに近いか?審判がキャリパーを用いて距離を計測しています。
大会は新型コロナウィルス感染症対策のため、参加された各チームには除菌シート等の消毒グッズが配布され、体育館の換気やマスクの着用を常時行うとともに、ソーシャルディスタンスの確保など、徹底された中ですすめられました。出場者は試合が終わると“エア握手”や“エアハグ”でお互いの健闘をたたえ合いました。当日は、外は寒い日でしたが、会場は出場者たちの熱気に包まれていました。
”エア握手”で健闘をたたえあう決戦両チーム
様々な人々が一堂に会しての大勝負
今年は、区内の小・中学校や児童館、民間企業、障害者施設、インターナショナルチーム、アスリートチームなど、多様なチームが一堂に会しました。小学生と大人、健常者と障害のある方、日本人とインターナショナルチームの対戦など、他のスポーツでは難しい組合せでも全力で対等に戦いました。
そんな熱戦の中、厳しい闘いを繰り広げながら優勝に輝いたのはNECボッチャ部(写真青)。準優勝は砧町町会チーム(写真水色)、3位は世田谷スポ・レクネットチーム、期待のニューカマー(鎌田児童館)チームの2チームでした。
決勝戦では一球一球に全神経が集中します。
見事優勝したNECボッチャ部のみなさん
惜しくも準優勝、砧町町会チームのみなさん
優勝したNECボッチャ部の荻野智史さんは「小さい子からおじいさん、おばあさんまで年齢や障害のあるなし、国籍に関わらず誰でも気軽にできるところが魅力なので、ボッチャをやったことがない方とも機会があれば是非一緒にやりたいと思います。」と魅力を話します。さらに、この大会で知り合ったインターナショナルチーム(写真紺)の先生と日本と海外の子どもたちでボッチャをやりたいとのことで、今後ますますボッチャの輪が拡がっていきそうです。
インターナショナルチーム
アスリートチームは、日本ボッチャ協会の新井大基さん(写真左)、北京・ロンドン五輪新体操日本代表元フェアリージャパンの田中琴乃さん(写真中央)、リオ五輪男子三段跳び日本代表長谷川大悟さん(写真右)がチームとなり出場。惜しくもベスト8。新井さんは、「この世田谷の大会に出場した皆さんは継続的にボッチャをやっておられるので非常にレベルが高い。ぜひここから日本代表を倒せるようなチームが出てほしい」と笑顔で話されていました。
アスリートチーム 左から新井大基さんとボッチャマン、田中琴乃さん、長谷川大悟さん
障害者スポーツの推進に向けて
世田谷区では、先導的共生社会ホストタウンに登録されている自治体として、障害者スポーツの更なる推進を目指しています。ボッチャボールセットの貸出なども行っています。
皆さんも、まずは実際にボッチャに触れることから、ボッチャならではの胸躍る体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
筆者は今回初めてボッチャの大会を観て、ボッチャの虜になってしまいました。いつか仲間とチームを作って出場しようと思います。