
マットの上で寝転んで遊ぶ赤ちゃん
木製のこだわりおもちゃと大型遊具
東急大井町線の等々力駅から歩いて10分ほど。閑静な住宅街の中に建つ東京都市大学のキャンパス内に「ぴっぴ」はあります。「ぴっぴ」に入ってまず目に飛び込んでくるのが、大きな窓の明るく広々とした空間。奥には大きな滑り台が2つ、はしごや階段を登って身体を思い切り動かして遊ぶ子どもたちが沢山見えます。そのほか絵本や積み木、ガラガラや人形、車や電車、ドールハウス、キッチンセットなど、どんな月齢でも好きなおもちゃを見つけられる幅広いラインナップです。普段家で見る事がないおもちゃだからこそ、子ども達も夢中になって遊ぶのでしょう。
室内の家具は全て角のない丸いデザインで、走り回っても寝転んでも安全で清潔です。ヨーロッパ製の木のおもちゃ、ピアノや打楽器など珍しいアイテムが揃っていて、カラフルな空間はどこかおしゃれな雰囲気です。

明るく広々とした室内

男の子に大人気の電車&車コーナー
授乳、ごはん、オムツ替えもストレスフリー
室内には広いキッチンスペースがあります。電気ポットや冷蔵庫が自由に使えるので、好きな時間にゆったりランチやおやつを楽しめます。インスタントコーヒーと紅茶のティーバッグが無料なのも嬉しいです。授乳コーナーも完備され、赤ちゃんが寝てしまったらベビーベッドへ。荷物置場もあり、貴重品を持ち歩くためのポーチやおんぶ紐の貸し出しもあり、オムツ替えは同じ階のトイレで……とお母さんにとっては至れり尽くせりの設備です。

大きな滑り台でダイナミックに遊べる
お弁当がない時には学生達で込み合う時間(12:15〜13:15)を避ければ学食を使うのもおすすめです。キッズチェアもあります。
「子育てって楽しいな」と感じてもらいたい
2004年オープン。子育て広場という名前すらなかった時代から、親子の遊び場を提供してきた「ぴっぴ」。スウェーデンの絵本『長くつ下のピッピ』から取った名前は子どもたちにも呼びやすくて人気です。名付け親でもある東京都市大学・人間科学部教授の小川清美さんに「ぴっぴ」が生まれるまでのお話を伺いました。
「小さな子どもを1人で育てるのは大変ですが、お友達同士で子育てすれば不安が少なくなる。お友達が沢山いれば、さらに不安は軽減されるということが研究結果からも分かっていました。地域の母親たちが交流する場が必要だったのです。『ぴっぴ』は母親たちの育児不安を解消したい、という思いで作られました」
特に初めての育児は不安だらけ。1人では孤独感もどんどん大きくなりがちです。また、家だと家事に忙しくて子どもと向き合う時間をとるのが大変。でもここでは家事の必要はないので、子どもとゆったり楽しい時間を過ごせます。母親同士の情報交換もできるし、ほかの子どもを見て発見することも沢山あります。

木製キッチンでおままごと

子どもを乗せてひっぱる馬とかば
「幼稚園に入るまでの0〜3才の赤ちゃん時代はとても大変。でも、子育てって楽しいなと感じてもらえれば嬉しいです。赤ちゃん時代の過ごし方を少しでも提案できればいいなと思っています」(小川教授)
保育のプロの「干渉しない」優しい眼差し
「ぴっぴ」の受付で親子を迎えてくれるスタッフは、保育士や幼稚園教員の資格を持つ人や、さまざまな子育て関連のお仕事の経験のある保育のプロです。
ただ、プロだからといってお母さんたちを教育したり、強くアドバイスしたりといったことは一切しません。あくまでも親と子の架け橋になることに徹していて、親子を自由に遊ばせてくれます。ゆったりと親子で楽しんでいってね、というスタンスが温かくありがたいのです。
でも、お母さん側から悩み相談があった時には優しいアドバイスをくれます。むやみに干渉しないけど、ヘルプが欲しい時には話を聞いてくれる。そんなスタッフがいるからこそ「ぴっぴ」にはのびやかな空気が流れているのでしょう。
来場者は毎日平均100人、利用客数は今年の5月に21万人を突破しました。地域のお母さんだけでなく、遠方からバスや電車で遊びにくる親子も沢山いるそうです。

便利なキッチンコーナーでお弁当を

優しい保育士さん
いつ行っても子どもが笑顔になる。子どもの成長を一緒に喜んでくれるスタッフの皆さんがいる。子どもが大好きな遊び場は、お母さんたちを元気にする憩いの場でもありました。
(撮影・文 小泉恵里 まちとこ出版社)
———————————————–
施設概要
[住所] 東京都世田谷区等々力8-9-18
[電話番号] 03-5758-7241
[営業時間] 月曜日〜金曜日 10:00〜16:00/土曜日10:00〜13:00
[定休日] 日曜日、祭日(その他学校行事等でお休みになることがあります)
[URL] http://www.tc.tcu.ac.jp/pippi/