笑顔のあふれる場所「チャイニーズレストラン 欣喜」

笑顔のあふれる場所「チャイニーズレストラン 欣喜」

笑顔のあふれる場所「チャイニーズレストラン 欣喜」

伝統と基礎から生まれる「欣喜」の味

昭和30年代から続く祖師谷大蔵丸芳飲食街は、飲食店が立ち並び、昔ながらの味のある雰囲気が残る場所。その中でも木のぬくもりと清潔感のある白を基調とした店構えがひときわ目を引く、「チャイニーズレストラン 欣喜」。店内は落ち着きがあり、1階の客席からは厨房まで見渡せるオープンなつくり、シェフやスタッフの仕事ぶりが見えることで安心感が生まれます。

オーナーシェフの青木欣也さんは、横浜中華街萬珍楼に10年、都内のホテルで5年、その後料理長として都内のレストランで腕を振るいます。祖師ヶ谷大蔵に住んで16年になる青木さんは、2011年に地元意識も高く愛着のあるこの街に独立開業しました。

中国料理のさまざまなジャンルを経験する青木さんが創る欣喜の料理は、各ジャンルの良さを生かした料理が特徴。それは素材を生かす広東料理、料理を自在に操る上海料理、そして中国料理の伝統と基礎から生み出されるもの。「中華街で中国料理の伝統や基礎をしっかり学べたことが土台となっています。基礎がなく応用した料理を作っても見た目だけの料理になりがちですよね」と青木さん。さらに、野菜にもこだわりを持ち、栃木県下野市にある海老原ファームの野菜を使用したメニューも。野菜本来の力強い味を生かした料理が味わえます。野菜を多く使った料理も「欣喜」の人気のひとつ。

木のぬくもりを感じる店構え

木のぬくもりを感じる店構え

厨房まで見渡せるオープンな店内

厨房まで見渡せるオープンな店内

栃木県下野市にある海老原ファームの野菜

栃木県下野市にある海老原ファームの野菜

また、青木さんは「中国料理専門調理師 調理技能士」の資格を持ち、ホテルに勤めていた時代から老人ホームや保育園などで、「食育」への取組みも行ってきました。保育園では子どもたちに、普段自分が食べているご飯がどのように調理され、食卓に上るのかを知ってもらう一環として「親子でつくるシュウマイとごま団子」などの教室を開催してきたそう。今では祖師ヶ谷大蔵の保育園や小中学校からも依頼があるほど。

お客さんの声からはじまった料理教室

美味しい料理を提供するだけにとどまらず、各方面で活動している青木さんは2013年から店舗での料理教室をはじめることに。なんとこちらはお客さんの希望からはじまったとのこと。

教室を開くきっかけとなった上級クラスを見学。クラスの皆さんは好奇心旺盛で、お店と同じ味が覚えられるなら難しいレシピでも学びたいという方ばかり。料理教室では、配られたレシピをもとに、青木さんから調理のポイントを学びます。ここでは料理人だからこその「こっそり話」なども聞くことができ和やかな雰囲気で進みます。説明が終わると青木さんを先頭に生徒の皆さんは厨房へ移動。青木シェフの実践がはじまると、携帯やカメラを手に撮影とメモを書きとめるのに大忙しの皆さん。デモンストレーション形式で終わらないのが欣喜の料理教室。教室では毎回、調味料やタレなど持ち帰り分を実践します。この日は、冷やし坦坦麺に使うタレを二人一組で作りました。実践が終わると待ちに待った試食タイム。出来上がったメニューを試食しながら、「この調味料なら〇〇にも代用できるね」など主婦ならではのアイディアが飛び交います。

お店の常連が多い生徒の皆さんは、料理教室に通うようになって益々お店に足を運ぶようになったという方がほとんど。ひとつひとつの料理がどんなに手間をかけて作られているのかを実感し、さらにファンになったそう。また青木さんが教える食材の生かし方や調理の工夫は、普段の料理にも実践できるものばかりと話す生徒さん。

レシピを見ながら調理のポイントを学びます

レシピを見ながら調理のポイントを学びます

撮影とメモを書き留める真剣な生徒の皆さん

撮影とメモを書き留める真剣な生徒の皆さん

持ち帰り用のタレをつくります

持ち帰り用のタレをつくります

笑顔が生まれるお店

「欣喜」という言葉は中国語で、大喜びするという意味があります。その名の通り美味しい料理には人を笑顔にする力があります。そして「欣喜」には、青木さんやスタッフ以外にもお客さまを笑顔で迎えるお店のロゴマークが。このロゴマークにはもうひとつの意味があるのだとか。「よく見ると船に見えてきませんか?沈むことなく、いつも笑顔であるようにと友人が考えてくれたものなんですよ」と笑顔で話す青木さん。

食に関するさまざまな角度から、「喜び」について真剣に取組む青木さん。地域に愛されるお店には、たくさんの笑顔がありました。

ロゴマークには笑顔と沈まぬ船の二つの意味が

ロゴマークには笑顔と沈まぬ船の二つの意味が

笑顔が集まる「欣喜」

笑顔が集まる「欣喜」

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チャイニーズレストラン欣喜
〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷1-8-17
03-6411-3458
HP:http://kinki-aoki.com/
営業時間
– ランチタイム –
水曜日〜土曜日 11:00〜14:00(L.O13:30) ※火曜日と日曜日はお休み
– ディナータイム –
火曜日〜日曜日 17:00〜22:00(L.O21:30)
定休日:月曜定休日

子どもの自由な発想でお店を開く、「こども商店街」

3つの町に分かれたお店の場所は事前に抽選で決められ、町名も自分たちで決める。

3つの町に分かれたお店の場所は事前に抽選で決められ、町名も自分たちで決める。

今年のテーマは「これって、アリ?」

こども商店街は毎年テーマを決めて開催しますが、今年のテーマは「これって、アリ?」。既成概念にとらわれず、大人たちには思いつかないような自由な発想で、子どもならではのお店を実現して欲しい、と設定されました。「申し込み時には『もうひとひねり欲しいなあ』、と申し込み書にダメ出しすることもありました。ただお店を開くのではなく、子どもたちがアイディアを振り絞った発想を自分たちの力で実現するものであって欲しい、と思っています」と話すのは、「こども商店街」主催の羽根木プレーパークでプレーリーダーを務めるまっくさん。

今年は小学校1年生から中学校3年生まで(参加資格は高校3年生まで)計57店舗が参加し、迷路ゲームや射的など子どもらしいゲーム屋から、うどんやカレーなどの食べ物屋、雑貨を売るお店、自作の本を売るお店、リクエストされた曲を演奏するお店など多種多様なお店が出店しました。

店構えや看板も自分たちで手づくり

店構えや看板も自分たちで手づくり

こども商店街の横断幕と会場マップ

こども商店街の横断幕と会場マップ

自分たちの力でお店作り

子ども商店街の特徴は、店がまえや看板なども自分たちで作ることです。今年は、2月の後半に誰と何のお店をするかを決めて申し込み、3月1日に、場所を決める抽選会が終わると、お店作りの期間がスタートしました。子どもたちは、プレーパークに用意されている材木、鋸や金槌、ペンキなどを使い、お店を作っていきます。慣れていない子どもにとって土台作りは一苦労。上手に杭が打てず、せっかく作っても壊れてしまうことも。「プレーリーダーに聞くこともできますが、とにかくみようみまねでやってみると『こうすればいいんだ』とわかり、子どもたちだけで作れるようになります」(まっくさん)。昨年に経験を積んだ我が娘は「もうコツがわかっているから大丈夫」と今年は涼しい顔でした。小学校高学年や中学生になると、立派な2階建てのお店も作れるようになる子もいます。商店街終了後には、「店構えコンテスト」が行われ、優勝したお店はその建物を1年間残せる、という栄誉を与えられます。

個性的なPOP。むずかしいと言われると試さずにはいられません

個性的なPOP。むずかしいと言われると試さずにはいられません

寒さもへっちゃら、大盛況のこども商店街

寒さもへっちゃら、大盛況のこども商店街

子どもたちのアイディアを振り絞ったユニークなお店がたくさん

当日、商店街をぐるっと一回りすると、大人顔負けの食べ物や手作り雑貨を売るお店から、思わず「くすっ」と微笑んでしまうお店までさまざま。値段は200円以内に設定。1回10円のゲームから、200円のうどんや丼ものまでありました。中学生が1人でやっていた鶏皮こんにゃく丼は、看板もなく味勝負。「昨日は夜の11時から2時までかかって作りました。鶏は1時間下ゆでをして脂をのぞきました」と本格的なものでした。

朝から曇り空の天候もなんとか持ちこたえ、大盛況だった1日。1日働き、「儲かって楽しかった」とにこにこ顔の子どももいれば「今年は儲からなかった」とちょっと不満顔の子どもまで。我が娘は後者で、終わった瞬間から来年の作戦をお友だちと考えていました。見守っていた保護者の方に話を聞くと「子どもたちが自分で全部やってとてもいい勉強になる」という意見や「火を使うなど危険があるので、どこまで口を出せばいいか難しい」という感想もありました。

思わずレシピを聞きたくなる出来だった鶏皮こんにゃく丼

思わずレシピを聞きたくなる出来だった鶏皮こんにゃく丼

女の子はかわいらしい手作り雑貨のお店も多く

女の子はかわいらしい手作り雑貨のお店も多く

我が娘グループも、放って置いたら最後のお金の清算がめちゃくちゃ。思わず口を出してしまいました。過去最大の出店数となった子ども商店街も終わり、「『やりたい!』と言ってくれる子どもが多かったのはとてもうれしい。ただのお店屋さんごっこではなく、子どもたちが自分たちの力で自由な発想を表現する場として、来年以降も開催していきたい」(まっくさん)

つくる楽しさ、教える楽しさ。ものづくりでつながる「づくリンク」

つくる楽しさ、教える楽しさ。ものづくりでつながる「づくリンク」

つくる楽しさ、教える楽しさ。ものづくりでつながる「づくリンク」

ものづくりを交流の場に広げたい

イラストレーターとして活躍している片桐さんは、5年前非常勤講師を務めていたデザイン専門学校で、新しく開講する学科の主任を担当することに。その学科はグラフィックデザインについて学ぶだけではなく、クラフトなど「ものづくり」の知識も必要とするものだったそうです。

「主任は学科をプロデュースし適材適所に講師を配置、生徒のケアが大きな役割です。しかし成績を評価する際には、『手工芸品』が出来上がるまでに必要な作業量や、使い手に興味を持ってもらうにはどんな工夫が必要かを知っておくべきと思い、私も生徒と同じカリキュラムに参加しました。するとどんどんものづくりから得られる楽しさを実感するように」(片桐さん)。年齢に関係なく新しいことをはじめる楽しさや学校にはないカルチャースクールの魅力を感じるようになったそうです。

「学校はときに苦しいこともありますよね。高い知識や技術を身につけるには壁にぶつかり、思うように出来ず暗い顔になることも。カルチャースクールやワークショップには趣味として意識が強いので、楽しいやうれしい気持ちの方が大きいと思います」(片桐さん)

起業ミニメッセでは、お子さんも参加できるワークショップを開催

起業ミニメッセでは、お子さんも参加できるワークショップを開催

「古布で作る自分だけのひな人形」ワークショップで使う古布

「古布で作る自分だけのひな人形」ワークショップで使う古布

消しゴムはんこでポストカードづくり

消しゴムはんこでポストカードづくり

片桐さんには、「ものづくりから広がる交流の場」が必要だと感じる理由がもうひとつありました。一人前のクリエイターになるのは大変なこと。講師という立場も経験している片桐さんは、若手クリエイターの皆さんに「教える」ことも表現の場のひとつとし、経験してほしいと考えます。ものをつくるだけではなく、生徒が得意な分野では講師の立場となってワークショップを開催でき、自身の技術を広める新たな交流の場所として2013年1月に「づくリンク」の活動を開始しました。

気になるワークショップに参加

活動場所は下北沢にある「COS下北沢」や、さまざまなものづくりに関連のある場所を利用し不定期に開催しています。講座内容は、手芸からアクセサリーづくり、木工にイラスト教室などさまざま。バラエティーに富んだ講座内容も魅力のひとつで、参加したいワークショップに申込むだけで気軽に受講できます。どの講座もカリキュラムがあるわけではなく、自由につくることができます。テーマによって異なりますが、各回の定員は10名前後と少人数。受講回数は1回から数回と作業工程によって変わります。わからないことや作品の希望なども伝えやすい雰囲気で、初心者の方も参加可能です。

活動場所のひとつ、下北沢にある「COS下北沢」

活動場所のひとつ、下北沢にある「COS下北沢」

少人数でのワークショップで、わからないことや作品の希望なども伝えやすい雰囲気

少人数でのワークショップで、わからないことや作品の希望なども伝えやすい雰囲気

づくリンクの交流を体験してみました!

参加したのは「古布再生!額縁で作る裂織のバッグづくり」。木枠を使った織り機を作るところから始まります。初日は経糸を張るために木枠の上下に釘を打ち付ける作業から開始。トントンカンカンとアトリエに響く音と金槌を持つ姿は、これから織物をするとは思えない光景。ものづくりに興味がある皆さんは一様に好奇心が旺盛で、いろいろなことにチャレンジします。同じ作業は織り機をつくるところまで。経糸を張る間隔や生地の組み合わせ、バッグの形に至るまで自由に作り上げます。みなさんの個性が現れ、「そんなアイディアが!」「そのデザイン可愛い」と回を追うごとに盛り上がります。

作りたいデザインが浮かばない場合でも、先生が見本をいくつか用意しているので安心です。「こういう方法もあるよ」とわかりやすく説明してくれるので、ぼんやりとしたイメージを伝えるだけでも大丈夫。みなさんこだわりも多く時間が足りなくなってしまうこともしばしば。夢中になる作業は、ほどよい疲労感と達成感が得られ気分転換にもなります。

「づくリンク」とは、ものづくりからつながる交流の意味を込めて、ものづくりの「づく」とつながるという意味の「リンク」を合わせたもの。だれでも気軽に始めることができるものづくりから、多方面へのつながり、可能性が見つかる楽しみな「場」となりそうです。

「古布再生!額縁で作る裂織のバッグづくり」では、織り機になる木枠に釘を打ち付ける作業から

「古布再生!額縁で作る裂織のバッグづくり」では、織り機になる木枠に釘を打ち付ける作業から

経糸を張る間隔や生地の組み合わせでオリジナル生地が織り上がります

経糸を張る間隔や生地の組み合わせでオリジナル生地が織り上がります

ミシンをかける先生を囲んで

ミシンをかける先生を囲んで

マナブdeアソボ づくリンク facebook
https://www.facebook.com/Dzukurinku

子育ての輪でつながる一日!世田谷子育てメッセ開催

「地域みんなでつながる」をテーマにしたポスター

「地域みんなでつながる」をテーマにしたポスター

子育てメッセは子育て活動団体の見本市

世田谷区には、子育て支援団体を大きくふたつの視点から応援する仕組みがあります。ひとつは、地域の子育て力をより一層高め、子ども・子育て支援施策の充実を図るために必要と思われる事業に助成する「子ども基金」による活動費のサポート。もうひとつは、区内の子どもや子育て活動を行う団体同士がつながりあい、地域の子ども・子育てを支える大きな輪となって広がっていくことを目指すプロジェクト「子ども・子育てつなぐプロジェクト」(旧:子ども・子育てつながるプロジェクト)による、交流会や勉強会などの運営面のサポートになります。この「子ども・子育てつなぐプロジェクト」に参加している団体の見本市という位置づけで、「世田谷子育てメッセ」は開催されるとのこと。

「『子育てメッセ』は、子育てをもっと楽しくしたい、こんな支援があったら助かるのにと考えている方が、必要な支援団体と出会うことで問題解決の糸口をみつけたり、新しい交流が生まれることを目的としているほか、団体同士の交流を盛んにすることも役割としています。横のつながりが広がることで、世田谷区内の子育て支援活動がより充実することを願っています」と話してくださったのは、「世田谷子育てメッセ」担当の世田谷区子ども・若者部 子ども家庭課の雀部(ささべ)さん。

昨年度も1500人以上が来場してにぎわった

昨年度も1500人以上が来場してにぎわった

子ども基金の報告会はさまざまな活動が発表され興味深い

子ども基金の報告会はさまざまな活動が発表され興味深い

イベントを支えるのは、子育て活動団体

「子育てメッセ」の準備は前年の夏ごろから始まり、世田谷子育てメッセ実行委員に加え子育て活動団体も交えた会議が定期的に行われます。参加している子育て活動団体の主催の多くは、子育て経験者や子育て現役のみなさん。みなさん一様に「子育てメッセに来てよかったと感じて欲しい」という思いのもと、イベントテーマや内容を話し合います。

1月8日に行われた最終会議では、「子育てメッセの成功とはどんなこと?」というテーマで話し合い、「来場者に笑顔で帰って欲しい」「いい出会いをして欲しい」というような意見が出ました。子育ての大変さを知っているからこそ、子育てが楽しくなるヒントを見つけて欲しい、と考える方が多いようです。メッセの開会宣言、閉会宣言もそうした子育て活動団体のスタッフたちによって行われ、団体の枠を越えて来場者にメッセージを届けます。

子育てメッセの開会宣言は昨年度も元気いっぱい

子育てメッセの開会宣言は昨年度も元気いっぱい

会議では子育て活動団体、児童館、区の職員で知恵を出し合う

会議では子育て活動団体、児童館、区の職員で知恵を出し合う

メッセで世田谷の子育てを感じる

「子育てメッセ」は、テーマ別に7つのブース(「知る・学ぶ」「元気になる」「親子の集まり」「文化・アート」「ひろば」「そだてる」「相談・支援」)に分かれて各団体が出展し、活動内容を紹介する資料の配布やおためしサービスなどを受けることがきます。子育てサークルから、NPO法人、自主保育、育児相談・支援団体などさまざまな団体が出展しており、活動内容もヨガやベビーマッサージなどから遊びの団体まで多種多様。興味がある団体を見つけたら、その場でじっくり話を聞くことも。時間のない方や自宅で検討したいという方には、会場で配られる子育て活動団体の情報誌「世田谷子育てつながる本」を参考に気になる団体をチェックしておくと便利です。

また、会場ではリトミックやミニライブ、絵本の読み聞かせ、子育てに関する講演などミニイベントも満載。乳児の親子だけでなく、幼児やお父さんも楽しめます。「お母さんはもちろん、それ以外の方(お父さん、おじいさん、おばあさん、地域の方など)にも気軽に参加いただけ、お子さんを含め皆が笑顔になるようなイベントにしたいです」(雀部さん)。

来場者へのメッセージをブース別の班に分かれて知恵を出し合う

来場者へのメッセージをブース別の班に分かれて知恵を出し合う

大人気のミニイベントでプチ体験できる

大人気のミニイベントでプチ体験できる

会場は小田急線成城学園前駅から徒歩3分ほどのところにある砧総合支所。会場にはおむつ替え・授乳スペースもあり、小さなお子さんを連れての来場も安心です。子育て真っ最中の方はもちろん、子育てに興味のある方やこれからお父さんお母さんになる方におすすめ。世田谷の子育てを体感できるイベントに出かけてみませんか。

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第13回世田谷子育てメッセ

[日   時]2015年1月31日(土) 10:30〜15:00
[会   場]砧総合支所
[主   催]世田谷子育てメッセ実行委員会・世田谷区
[お問い合わせ]せたがやコール 03-5432-3333

お母さんと赤ちゃんの心が休まる「もうひとつの実家」

お母さんと赤ちゃんの心が休まるもうひとつの実家「古民家mamas」

お母さんと赤ちゃんの心が休まるもうひとつの実家「古民家mamas」

ほっと一息、くつろげる空間

「古民家mamas」は、おもに0歳児の赤ちゃんと家族がすごせる場所として、2010年より東急世田谷線「松陰神社前」駅にある古民家を利用し自主運営の子育てひろばを開催してきました。

「出産から1歳のお誕生日ぐらいまでは、子育てがもっとも大変な時期。昼夜をとわず手がかかって体力的にもきつい上に、不安や悩みは次々出てきます。そんなお母さんたちの日常の延長に、ふと立ち寄ってホッとできる場所、子育ての本音をつぶやける場所をつくりたいと思いました」と、代表の吉原さん。

生後11ヶ月の赤ちゃんのお母さんは、「子どもが泣いてばかりで、家にいるのがつらくて来たのが最初。スタッフの方に抱っこしてもらって、ゆっくり座ってお昼を食べたときには、本当にうれしかった。ここでいろいろなお母さんとも話ができ、子育て仲間がたくさんできました」。また、生後2ヶ月の赤ちゃんのお母さんは、妊娠中から通う常連さん。「先輩たちからいろいろな体験談を聞いていたので、安心して出産にのぞめました。無事に生まれたことを皆さん喜んでくれて、かわるがわる抱っこしてくれたのがうれしかったです」と話してくれました。

お散歩の途中で看板に気づき、様子を見に来るお母さんもいます

お散歩の途中で看板に気づき、様子を見に来るお母さんもいます

本棚には子育てに関する本が並び、自由に閲覧できます

本棚には子育てに関する本が並び、自由に閲覧できます

「抱っこさせて!」。初めましての赤ちゃんは、スタッフやお母さんの人気の的

「抱っこさせて!」。初めましての赤ちゃんは、スタッフやお母さんの人気の的

互いに知恵を出し合い支えあう

「古民家mamas」のスタッフは、子育て経験豊富な先輩たち。家ではゆっくりお茶を飲む暇もないお母さんたちのために、カフェインレスコーヒーやハーブティー、ときには季節の野菜を使ったお料理やお菓子なども用意して迎えます。お母さんたちの話の輪に入り、子育てのよもやま話をしたり、赤ちゃんを抱っこしたり遊んだり。保育士、保健師、看護師などの資格をもつスタッフもいますが、指導や介入をすることはありません。相談を受けて、自らの経験談や知っている知識を話すことはありますが、それはお母さん同士が情報交換するのと同じ。誰かが悩みを話すと、スタッフもまわりのお母さんたちも、いっしょになって考えたり知恵を出し合ったりしています。

「古民家mamasに集うお母さんたちが、お互いの赤ちゃんの成長を見守り喜びあう存在になっていけたら。そして私たちも、お母さんたちの子育ての伴走者になれたらと思うんです」と吉原さん。そんなスタッフが作りだす雰囲気に、「ここは実家のよう」と感じるお母さんも多いようです。

月齢の近い赤ちゃんのお母さん同士は話も尽きません

月齢の近い赤ちゃんのお母さん同士は話も尽きません

いっしょに育っていく仲間たち

いっしょに育っていく仲間たち

目指すはフィンランドの育児支援

「古民家mamas」の活動をするなかで、吉原さんたちが出会ったのが、フィンランドの子育て支援制度「ネウボラ」です。ネウボラのキーワードは「切れ目のない支援」。保健師や助産師が常駐する施設(ネウボラ)で、妊娠から出産、子どもが6歳になるまでのあいだ、担当の保健師が継続して家族全体を支えます。医療的な健診だけでなく、子育てや家族の悩みまで相談できる個別面談があり、アドバイスや必要な医療機関などへの紹介もしてくれます。妊娠中から同じ担当者がサポートするため信頼関係が築きやすく、問題の予防や早期発見につながっているのです。

今後吉原さんが目指すのは、この考えを取り入れた「小さなネウボラ」。お母さんたちに寄り添い、日常のなかで信頼関係を築いて初めて支援ができるというもの。「古民家mamas」で培った経験に加え、地域の保健師や助産師、医師などの専門家との「顔のみえる連携」を深め、お母さんたちを孤独にさせない、安心して子育てできる街づくりのためになにができるかを考えているそうです。

活動の拠点となっていた古民家は、2015年3月末で閉館になりますが、新たな場所を探し、さらに発展させた子育て支援サービスの準備を進めているとのことです。今後の情報は、「古民家mamas」のブログ(http://ameblo.jp/kominkamamas/)で随時お知らせ。これまでの子育て支援を活用しながら、新しい制度を取り入れる活動に注目してみませんか。

子育ての毎日にも季節感を。着付けイベントでお母さんにも華やぎのひととき

子育ての毎日にも季節感を。着付けイベントでお母さんにも華やぎのひととき

父親だって子育てしたい!汐見稔幸先生を招いてのお父さん講座ではお父さんの本音も

父親だって子育てしたい!汐見稔幸先生を招いてのお父さん講座ではお父さんの本音も

「切れ目のない子育て支援」の視察で島根県益田市から見学に

「切れ目のない子育て支援」の視察で島根県益田市から見学に

(撮影 松本のりこ)

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(施設概要)※2015年3月末まで
開催日:月曜日11:00〜15:00、金曜日12:30〜15:00
参加費:ひと家族500円
住所:世田谷区世田谷4-14-3
アクセス:東急世田谷線「松陰神社前駅」または「世田谷駅」より徒歩3分
電話番号:080-9691-5323(開催時間内のみ)
URL:http://ameblo.jp/kominkamamas/

フェスティバルに参加しながら街を楽しむ「三茶de大道芸」

2014年のテーマは「ドリームワールド」。本部には、一際目を引くサーカステントをイメージした装飾が

2014年のテーマは「ドリームワールド」。本部には、一際目を引くサーカステントをイメージした装飾が

風の吹くまま気の向くままに歩いてみよう

街が劇場と化す「三茶de大道芸」の二日間は、三軒茶屋のランドマークビル「キャロットタワー」に設置された本部を中心に、東西南北13箇所のステージ、突如現れるウォーキングアクト(大道移動芸)、謎めいた雰囲気の占い師や街の装飾など、いつもと様子が変わり気付かないうちに大きな劇場に迷い込んでしまったような不思議な気分になります。あちこちで笑い声と人の群れに遭遇。気になる人だかりを覗いてみると、クラシックチュチュを纏った男性の姿が(MC Fois feat Lorenzo Galli)。何やら思い通りに行かないことがあり奇妙な声を発しています。その姿にみんな興味津々。外に設けられたステージは、足を止めて観るもよし先に進むのも自由。好きなように行動し、気に入ったショーを観て楽しむのが「三茶de大道芸」の魅力です。

気ままに街を歩いて行くと「アート楽市」の横断幕が見えてきました。烏山緑道沿い全長約1kmにわたり手作りアートのお店が100店舗ちかく出店。工芸品やアクセサリー、布小物などたくさんの作品に出会えます。自由自在に形を変えられ、いくつも重なりながらゆらゆら揺れているフォークで作った「ヤジロベエ」を発見。時間を忘れて見入ってしまいました。手作り感あふれるものから芸術的な作品まで勢揃い、見応えある通りはものづくりが好きな方におすすめ。

クラシックチュチュを纏った男性の動きに興味津々

クラシックチュチュを纏った男性の動きに興味津々「MC Fois feat Lorenzo Galli(エムシーフォア フューチャリング ロレンツォ ガリ)」

約100店舗が出店した手づくり市「アート楽市」

約100店舗が出店した手づくり市「アート楽市」

絶妙なバランス、フォークで作った「ヤジロベエ」

絶妙なバランス、フォークで作った「ヤジロベエ」

ボランティアスタッフの力

「三茶de大道芸」は多くのボランティアスタッフに支えられているのも地域とのつながりの強さを感じます。早い人では8月終わりから活動を開始。「それぞれの『好き』や『得意』を生かした活動をしながら二日間を支えている」というように、ボランティアスタッフからのアイディアから生まれるものもたくさんあるそうです。

かざりつけ班では、シュレッダーのゴミを利用した装飾や本部のサーカス幕など、街の至るところに工夫を凝らした「アートタウン」を表現。また事前にワークショップを行い、三軒茶屋駅の北側にある「あい・あい・ロード」を飾りつける「うちわを使った気球づくり」には、小さなお子さんも参加したそうです。当日はたくさんのうちわがパフォーマーの背後を飾る壁画となり素敵なステージが出来上がっていました。

2011年からはじまった「フラッグリサイクルプロジェクト」では手芸班が活躍。エコ活動と地域コミュニティ貢献そして被災地支援を目的に、前年に使用したフラッグでオリジナルグッズを作製し販売します。トートバッグや巾着、ヘアゴムなど約400個のグッズを作製。私もお買い物バッグに使えそうなレジ袋型エコバッグを購入。

フェスティバル前から子ども参加型のワークショップを開催していたのがこども装飾ワークショップ班。

ボランティアの皆さんが企画した「仮面をつくろうワークショップ」

ボランティアの皆さんが企画した「仮面をつくろうワークショップ」

人気のフラッグリサイクルプロジェクト

人気のフラッグリサイクルプロジェクト

子どもたちが思いのまま手や足に絵具をつけて作製した「Tシャツフラッグ」。10月初旬から三茶の街に登場

子どもたちが思いのまま手や足に絵具をつけて作製した「Tシャツフラッグ」。10月初旬から三茶の街に登場

10月初旬から三茶の街中にはためいていた、黄色のTシャツをご覧になった方も多いのではないでしょうか。こちらは「Tシャツフラッグ作り」で子どもたちが思いのまま手や足に絵具をつけて作製したもの。そしてパフォーマーの付き人・フェイスペイント・会場のお手伝い・記録撮影など、当日スタッフの活躍によって支えられています。

笑って食べて、美味しい食事も目白押し

目に映るものすべてが動き出すのではないか、あの角の先に何かあるかもしれないと好奇心は高まり、歩いているだけで楽しくなってきます。「三茶de大道芸」は、たくさん歩いて、たくさん笑うのでお腹も美味しいものを求めてきます。アート楽市の入口では、たこ焼き、焼そば、おでんなどの露店メニュー。すずらん通り会場には、メキシコやインド料理など多国籍料理。NTT広場では屋台村が登場し、群馬県川場村の名物山賊焼はもちろん、地元名産のヨーグルト・地ビール・リンゴが味わえます。ひときわ大きな休憩所だったのが太子堂出張所のとなりに位置するふれあい広場。露店メニューのほか、ここでは岩手県一関市と伊豆諸島神津島の特産品を味わうことが。特製すいとんとホルモン、地ビールでほっと一息。この日は食べ歩きもOK!あれこれ美味しい料理を食べながら、街を歩くのもフェスティバルの醍醐味。

たこ焼き、焼そば、おでんなど露店メニューから多国籍料理と豊富なメニューを味わえます

たこ焼き、焼そば、おでんなど露店メニューから多国籍料理と豊富なメニューを味わえます

職人技に見物客が絶えない「あめ細工」

職人技に見物客が絶えない「あめ細工」

夜の街は、ますます妖異な雰囲気に

日が落ち辺りはだんだんと暗くなってきました。その中に浮かぶステージは、照明やパフォーマーの煌びやかな衣装などによって昼間とは違った雰囲気に。大人も子どもも目がきらきらしていました。

「都心に近く便利でありながら、昔ながらの商店が並び迷路のような三軒茶屋。この不思議な街の雰囲気を味わいながら散策し、そのときの出会いを楽しんでほしい。目的を持たないほうが普段見落としがちなものに出会えるかもしれません。ふらふらと迷宮に迷いこんでお気に入りを見つけてください」と三茶de大道芸の魅力と楽しみ方を話してくださったのは、世田谷パブリックシアター劇場部制作の酒井淳美(さかいあつみ)さん。

時間を気にせず三軒茶屋の街を歩き回り、普段は歩かない道を通ってみたり、パフォーマーと身振り手振りでコミュニケーションを楽しんだり、投げ銭を支払ったりと日常と違った一日を楽しみました。毎年楽しみにしているファンが多いというのも頷けます。そしてフェスティバルに参加しながら街を知ることができました。「今度あのお店に行ってみよう」と知らず知らずにお気に入りや気になるものを発見できた一日でした。

身だしなみを整える、うさぎのマイリー

身だしなみを整える、うさぎのマイリー

モダンダンスにメキシコ特有の地域ダンスを融合したパフォーマンスを披露、「Pendulo Cero(ペンドゥロ セロ)」

モダンダンスにメキシコ特有の地域ダンスを融合したパフォーマンスを披露、「Pendulo Cero(ペンドゥロ セロ)」

日が暮れて益々盛り上がりをみせるパフォーマンス

日が暮れて益々盛り上がりをみせるパフォーマンス

家族で楽しむ「IID 世田谷ものづくり学校」

ランチタイムには、オフィスで働く人々や家族連れで賑わう「GO SLOW ゆっくりとカフェ」。ランチセットは850円〜

ランチタイムには、オフィスで働く人々や家族連れで賑わう「GO SLOW ゆっくりとカフェ」。ランチセットは850円〜

カフェやショップめぐりが楽しい

2004年10月、旧世田谷区立池尻中学校の校舎棟部分を再利用し誕生した「IID 世田谷ものづくり学校」。細く長い廊下、緩やかに弧を描いた黒板、踊り場に並ぶ蛇口など、中学校の設備をそのまま生かした空間に「ものづくり」のパワーが詰まっています。

1階は買物や食事が楽しめるフロア。ベビー&キッズ用品のセレクトショップ「ettone」は、木製のおもちゃや国内外ブランドの子ども服などを取り揃えた店。他ではあまり見かけない感度の高いアイテムは、ギフトにもぴったりです。

「WORK-ER」は、和歌山県にあるニットメーカー「和田メリヤス株式会社」の自社ブランド。吊り編み機で編んだ生地を使った製品は、ふんわり柔らかく、タオルやストール、洋服はどれも肌触りが抜群。子育て中のお父さん&お母さんも安心しておしゃれが楽しめます。

ランチやお茶の時間になったら、近隣のお母さんたちに人気の「GO SLOW ゆっくりとカフェ」へ。中学校の保健室だった場所をリノベーションした店内は、白を基調にしたシンプル&おしゃれな雰囲気。目の前に学校のグラウンドが広がるのどかな雰囲気のなか、野菜たっぷりのヘルシーデリや月替わりのケーキセットなどが楽しめます。カフェの近くには、長時間発酵・熟成させた「最高級天然酵母パンの専門店「recette」の工房が入居。インターネットのみの販売のため購入はできませんが、ガラス越しに見学できるパン作りのようすは、子どもの好奇心を満たしてくれるでしょう。

木製のおもちゃや食器、国内外ブランドの子供服など色とりどりのアイテムが目を引く「ettone」

木製のおもちゃや食器、国内外ブランドの子供服など色とりどりのアイテムが目を引く「ettone」

和田メリヤスの「WORK-ER」。タオルや洋服など、個性的で肌触りのよいアイテムが見つかります

和田メリヤスの「WORK-ER」。タオルや洋服など、個性的で肌触りのよいアイテムが見つかります

最高級パンの店「recette」。ネット通販専門ですが、一部商品は「ゆっくりとカフェ」でも楽しめます

最高級パンの店「recette」。ネット通販専門ですが、一部商品は「ゆっくりとカフェ」でも楽しめます

世界で唯一の「スノードーム美術館」

もうひとつ、見逃せないのが海外からの観光客も訪れる「スノードーム美術館」。スノードームを常時展示している美術館で、約1500個ものめずらしいスノードームを鑑賞できます。毎週土・日・祝日にはワークショップを開催し、世界にひとつだけのスノードームづくりにチャレンジできます。お父さんお母さんの補助があれば小さなお子さんも参加可能。家族でオリジナルスノードームづくりもおすすめです。

1階の目玉施設は3Dプリンターや3Dスキャナー、レーザーカッターを備えた 「PTA」。クリエーターたちの試作を目的につくられたラボですが、ここでも一般向けのワークショップを開催。クッキーの型やネームプレート、クリスマスツリーやゴムはんこ作りを通して、誰でも気軽に3Dプリンターに触れることができます。(予約優先)

2階へ上がると、そこはクリエーターたちの仕事場。教室だった場所には、グラフィックデザイン、家具デザイン、建築事務所など、バラエティ豊かなオフィスが軒を連ねており、社会科見学気分での探訪が楽しめます。気になるモノや人を見かけたら、廊下から自由に覗いてOK。子どもの「なぜ?」「どうして?」と考える知的好奇心を刺激し、ご家族で一緒に考えたり、調べてみるのも楽しい時間。

海外からの輸入品など、常時めずらしいスノードームを販売。奥が美術館です

海外からの輸入品など、常時めずらしいスノードームを販売。奥が美術館です

高価な3Dレーザーカッターでネームプレートを作成。ワークショップではこんな体験もできます

高価な3Dレーザーカッターでネームプレートを作成。ワークショップではこんな体験もできます

階段の踊り場には、蛇口が並んだ手洗い場。時を超え、今も現役で活躍しています

階段の踊り場には、蛇口が並んだ手洗い場。時を超え、今も現役で活躍しています

ワークショップを随時開催

ほかにも、ファッションやアートなどの作品が展示された部屋、近隣住民が映画鑑賞会に訪れる試写室、廊下にさりげなく飾られたクリエーターたちの作品など、見どころ&遊びどころがいっぱい。各ショップやオフィスの前には、それぞれの特徴や仕事内容をわかりやすく説明したメモが置かれており、自由に持ち帰ることが可能。「これはどんな仕事かな?」「何を作っているのかな?」など、言葉を交わしながら見学すると、親子のコミュニケーションが深まりそうです。

また、土・日曜を中心に開催されているワークショップには、子供も大人も参加可能。食やアート、音楽などさまざまな分野の「ものづくり」に触れるチャンスがあふれています。ワークショップの予定や詳細は公式ホームページ(http://setagaya-school.net/)に随時掲載。

今年で11年目を迎えた「IID 世田谷ものづくり学校」は、老若男女が集う交流の場として、またクリエーターたちが切磋琢磨する仕事場として、地域にどっしりと根付いた存在。ここを拠点にどんなモノが産み出されるのか。これからも目が離せません。

廊下に置かれたガチャガチャは実際に利用OK。子供はもちろん、大人も夢中になってしまうのだとか

廊下に置かれたガチャガチャは実際に利用OK。子供はもちろん、大人も夢中になってしまうのだとか

お店やオフィスの仕事内容が書かれたメモは自由に持ち帰ってOK。社会科見学気分で楽しめます

お店やオフィスの仕事内容が書かれたメモは自由に持ち帰ってOK。社会科見学気分で楽しめます

三軒茶屋駅から徒歩15分。池尻大橋駅から徒歩12分。渋谷駅からは東急バスで「自衛隊中央病院入口」下車、徒歩5分

三軒茶屋駅から徒歩15分。池尻大橋駅から徒歩12分。渋谷駅からは東急バスで「自衛隊中央病院入口」下車、徒歩5分

食べる!学ぶ!考える!パンを楽しむお祭り「世田谷パン祭り」

美味しいパンとパンのお供。食べて学んで、さまざまな角度からパンに触れる「世田谷パン祭り」

美味しいパンとパンのお供。食べて学んで、さまざまな角度からパンに触れる「世田谷パン祭り」

世田谷パン祭りを思う存分楽しむには

世田谷パン祭りはパンを購入する以外にも、パンにまつわるプログラムがたくさんあるのをご存知ですか? いち早く情報を得るには、「世田谷パン祭り Facebookページ」がおすすめです。公式サイトオープンや世田谷パン大学開講のお知らせなど見逃せない情報ばかり。

まずは事前申込みが必要な、「パンを学び、楽しみ、体験する世田谷パン大学」のコンテンツを公式サイトにてチェック。世田谷パン大学では、パンやチーズの食べ比べやバゲット作りなどのパンを楽しむワークショップ、食材へのこだわりや開業などの話が聞けるパンを深めるトークショー、さまざまな特典つきのパンを巡るツアーの3つの構成に分かれています。

数ある講座の中から、「パンコーディネーター森まゆみと江別製粉による、ここでしか聞けない・味わえない『北海道パン』のはなし」を受講することに。パンには欠かせない小麦粉ですが、歴史や種類、品種など知らないことの多い小麦粉。まずは基本から学んでみることに。さらにこちらの講座では、北海道でしか味わえないパンやパンのお供が試食できるということで期待が高まります。講座開始の14時までは、パンの出店ブースを回る時間に。会場をどのように巡るかを考えるのも「世田谷パン祭り」の楽しみのひとつ。公式サイトでは、パンの出店者のほかライブ・パフォーマンスの出演者の情報が随時更新されるので、当日まで目が離せません。

facebookを利用して更新情報をいち早くチェック

facebookを利用して更新情報をいち早くチェック

待ちに待ったパン祭り。雨にも負けないパン好きさんが並びます!

待ちに待ったパン祭り。雨にも負けないパン好きさんが並びます!

IID 世田谷ものづくり学校には、パンにまつわるグッズを集めたコーナーも

IID 世田谷ものづくり学校には、パンにまつわるグッズを集めたコーナーも

SNSを利用して、最新情報をチェック!

イベント当日は台風19号の接近にともない、数日前から開催状況のお知らせを公式サイトやfacebookなどで配信していた世田谷パン祭り実行委員会。当日開催を確認し、「パンの街、世田谷」となる会場へ向かいます!イベント開催中もfacebookでは、会場の様子やおすすめのコンテンツを配信してくれるのでとっても便利。「パンを吟味したい」「お目当てのパン屋さんがある」場合は早めに会場へ到着することをおすすめします。

なんと言ってもパン屋さんとの出会いが楽しいパン祭り。「世田谷公園」には世田谷区のパン屋さんに加え、昭和女子大学や福祉作業所など地域PRブースが軒を連ねます。この日限定の特別メニューやおすすめのパンはどれも美味しそう!あれこれ目移りしていると、「残り最後の1個になりました!」の声が。昭和女子大学の生活科学部健康デザイン学科・管理栄養学科の学生が中心となった「輝け☆健康「美」プロジェクト」メンバーと三軒茶屋にあるパン屋「ぱんやのパングワン」とのコラボレーションメニュー「秋野菜たっぷりシチューパン」が最後の1個ということで迷わず購入。ほうれん草パウダーを練りこんだ生地にパンプキンシチューと秋野菜がたっぷり。優しくほっとする味でした。

世田谷区外と全国のパン屋さん、パンのお供は、「池尻小学校第2体育館」と「IID 世田谷ものづくり学校」エントランスに。入場の列に並んでいる間は、会場で販売している公式パンフレットに目を通すのにぴったりの時間。50店舗以上出店するお店を吟味するとともに、当日参加できるワークショップやライブ・パフォーマンスのタイムスケジュールをチェック。広い会場でお目当てのブースを探すのは一苦労。パンフレットには、各店舗の出店場所をマップにしているので一目瞭然です。

昭和女子大学の「輝け☆健康「美」プロジェクト」では、三軒茶屋にあるパン屋「ぱんやのパングワン」とのコラボレーションメニューが

昭和女子大学の「輝け☆健康「美」プロジェクト」では、三軒茶屋にあるパン屋「ぱんやのパングワン」とのコラボレーションメニューが

食べて応援!「復興応援ブース」の皆さん

食べて応援!「復興応援ブース」の皆さん

50店舗以上出店する池尻小学校第2体育館

50店舗以上出店する池尻小学校第2体育館

気軽にお店の方とお話できるのもパン祭りの魅力。おいしい食べ方やおすすめの商品をどんどん聞いちゃいます。「パン祭りにいらっしゃるお客さんはパンに対する意識が高いですね!自分は出店側だけど知り合いのパン屋さんができてお客さんと同じように楽しみにしています」と話してくださったのは、毎年出店している「天野ぶどう園」。大きなマスカット「甲斐路」を楽しみにしているファンも多いとのこと。

美味しくてタメになる「世田谷パン大学」

パンブースを満喫した後は、パン大学へ。今年のパン大学は、日本パンコーディネーター協会がプロデュースしていることもあって、例年以上に、「パンの活用法」そし「パンの食べ方、楽しみ方」が学べる講座を中心に構成。受講した「パンコーディネーター森まゆみと江別製粉による、ここでしか聞けない・味わえない『北海道パン』のはなし」でも、国産小麦の特徴や品種によってどのような用途に適しているのかなど、実際に国産小麦を使った料理に挑戦してみたくなる講座でした。さらに4種類のパンの試食とクリームチーズ、北海道チーズのオイル漬け、マスタード&リッシュ、北海道豆ピクルス、ぬってたべるヨーグルトと豊富なパンのお供と美味しいパンをいただき、お腹も大満足。

世田谷パン大学、「パンコーディネーター森まゆみと江別製粉による、ここでしか聞けない・味わえない『北海道パン』のはなし」を受講

世田谷パン大学、「パンコーディネーター森まゆみと江別製粉による、ここでしか聞けない・味わえない『北海道パン』のはなし」を受講

品種によってそれぞれの旨みが味わえる北海道産の小麦。北海道産小麦の母と呼ばれる「はるゆたか」をもとにさまざまな品種が開発

品種によってそれぞれの旨みが味わえる北海道産の小麦。北海道産小麦の母と呼ばれる「はるゆたか」をもとにさまざまな品種が開発

まだまだあるよ!あれこれ参加してみよう!

世田谷ものづくり学校内では当日参加のワークショップ(有料)や無料参加の企画が行われています。開催エリアの三宿の「3」をモチーフにつくられる「三宿三色パン」が展示され、コンセプトとグットルッキング(外観)の投票に参加できると聞き、3階廊下に設けられた会場へ。ずらりと並んだパンはどれも工夫を凝らしたものばかり。具材やデザイン、原料を試行錯誤した「世田谷パン祭り」のためだけのオリジナルパンを楽しむことができます。2階では、「世田谷カレーパンまつり」が企画する、理想のカレーパンを絵に描く「絵に描いたカレーパン」に参加。カレーパンを表現するうえで必要な専門用語について説明を受けて、理想のカレーパンを考えます。揚げるのか焼くのか、具材はどうしようと、頭の中はカレーパンでいっぱいに。そのほかにも会場内各所で、棒パンバーベキューやバターナイフつくる講座などが。

「世田谷パン祭り」は、美味しいパンに出会えるだけでなくパンへの知識が高まり、さらにパンについて関心が高まるイベント。美味しく学ぶだけではなく、遊び心もたっぷりなイベントでした。限定グッズやパンをモチーフにしたおしゃれなアイテムもあり、イベントが終わってからも活用しています。

三宿の「3」をモチーフにつくられる「三宿三色パン」がずらりと17種。とっても可愛い3匹のくまパン

三宿の「3」をモチーフにつくられる「三宿三色パン」がずらりと17種。とっても可愛い3匹のくまパン

理想のカレーパンを絵に描く、「絵に描いたカレーパン」のワークショップ

理想のカレーパンを絵に描く、「絵に描いたカレーパン」のワークショップ

パンをモチーフにしたおしゃれなアイテムも

パンをモチーフにしたおしゃれなアイテムも

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[世田谷パン祭り公式サイト]http://www.setagaya-panmatsuri.com/
[世田谷パン祭りfacebookページ]https://www.facebook.com/panmatsuri

美のプロが教える、ハーブを使った料理教室とハーブチンキづくり

摘み立てのハーブを使った料理教室とハーブチンキづくり

摘み立てのハーブを使った料理教室とハーブチンキづくり

外見だけではなく、内面やライフスタイルの提案も

「個々の知見が広がるようなワークショップを開催していきたい」と話すのは企画を担当する八木沙織(やぎさおり)さん。これまで季節のメイクアップレッスンやゆかたの着付け、ヘアアレンジレッスンなどのワークショップを開催してきました。着付け教室では男性の参加も呼びかけるなど、どなたでも学べるコミュニティづくりを目指しているとのこと。

「仕事や家事以外に関心のあることを増やしてほしいなと思います。興味を持つ『きっかけ』になるようなイベントを開催することで、参加した人や告知を見た人に少しでも刺激を与えられたらうれしいですね」(八木さん)

関心を高めてもらえるように、内容だけではなく会場や地域のつながりにもこだわりを持っているとのこと。「学ぶ」以外にさまざまな企画を用意しているそう。ゆかたの着付け教室では、着付けをし、髪も綺麗にセットしたあと、お寺にお邪魔して記念撮影や散策を楽しんだそうです。またメイクアップ教室では、地域のお店と連携したお茶会を開き交流を。参加者と講師だけではなく、会場となる街との出会いも楽しめるプログラムが「ファリィ」の魅力。

ハーブでテーブルをコーディネート。室内にはハーブのいい香りが漂います

ハーブでテーブルをコーディネート。室内にはハーブのいい香りが漂います

講師を務める栗原由佳(くりはらゆか)さん

講師を務める栗原由佳(くりはらゆか)さん

ハーブを使った5品のメニューを作ります

ハーブを使った5品のメニューを作ります

ハーブのある暮らしを

この日は、桜新町駅から徒歩8分ほどのところにあるハーブガーデン付きシェアハウス「エルブドゥ桜新町」を会場に、ハーブを使った料理教室とハーブチンキづくりが行われました。テーブルには摘んだばかりのハーブが飾られ、室内はとてもいい香り。「エルブドゥ桜新町」では、入居者の方なら自由にハーブガーデンのハーブを使うことができるそう。ハーブガーデンは、共有スペースのリビングダイニングキッチンからつながるルーフバルコニーに併設され、お料理の最中でもすぐにハーブを摘んで使うことができます。シェアハウス主催の料理教室やハーブ活用法のイベントもあり、ハーブ好きはもちろんこれから勉強したい方にもおすすめのシェアハウス。

ワークショップは料理教室とチンキづくりの二部にわかれ、まずは料理教室から開始。講師を務める栗原さんは、ヘアメイクアップアーティストとして活躍するほか、和ハーブ検定、調理師免許を収得し、食やハーブの知識も豊富。ご自宅でもお野菜やハーブを育てているそうで、育て方のポイントなども交えた話に参加者のみなさんは真剣に耳を傾けます。

メニューは、鮭の炊き込みご飯、鶏ハム、生春巻き、なすのハーブ蒸し、トムヤムクン風スープの5品。それぞれの料理にはセージ、ローズマリー、バジル、タイム、レモングラスとパセリを使います。3人一組になりひとつのメニューを担当。私は生春巻きを作りました。春巻きの具材にハーブを使うのかと思いきや、ソースにバジルをたっぷりと。バジルと林檎を組み合わせたソースは、りんごの酸味と甘みがほどよくアクセントになり食が進みます。このソースは春巻き以外にもサラダのドレッシングに使えそうな一品。

ハーブガーデン付きシェアハウス「エルブドゥ桜新町」

ハーブガーデン付きシェアハウス「エルブドゥ桜新町」

それぞれの料理にはセージ、ローズマリー、バジル、タイム、レモングラスにパセリを

それぞれの料理にはセージ、ローズマリー、バジル、タイム、レモングラスにパセリを

出来上がった料理を前に記念撮影

出来上がった料理を前に記念撮影

山梨県「菊島農場」から直送の大きなナス

山梨県「菊島農場」から直送の大きなナス

担当以外でも手の空いた人から他のチームの補助にまわり、協力しながら作業が進みました。調理開始から1時間ほどですべてのメニューが完成。テーブルに並べ、記念に写真撮影を。試食をしながら、みなさん興味のあるハーブやお料理の話で盛り上がります。ハーブ以外の食材はこの日のために農家さんから直送。都会で暮らす農家や商店の跡継ぎが地元を盛り上げるようと、マーケットの開催や勉強会などを行っている「セガレ・セガール」の協力のもと、山梨県「菊島農場」からはナスやきゅうり、岩手県「したみち農園」からはりんごが届きました。急きょりんごの食べ比べを行い、「紅玉」「トキ」「早生ふじ」の3種類試食。それぞれ味に特徴があり嗜好がわかれます。私は、香りが良く甘味の「トキ」が好み。酸味が強い「紅玉」は生食よりもお菓子との相性よいということで事前にデザートが用意。ホットケーキミックスを使い炊飯ジャーで作った、簡単アップルケーキをハーブティと一緒にいただきました。

チンキづくりを初体験!

ハーブチンキとは、ウォッカやホワイトリカーなどのアルコールまたは無水エタノールにハーブを浸し、成分を摘出したハーブの濃縮エキスのこと。アメリカなどではドラッグストアでも買えるほど普及しているそうですが、私は作るもの使うのも初めて。今回はローズマリーで挑戦します。ローズマリーは初心者でも扱いやすく、血行促進、集中力アップ、消毒などにも使えるそうです。

作り方は簡単で、枝からそぎ落としたローズマリーの葉を煮沸した瓶に入れ、葉がひたひたになるまで無水エタノールを注ぎます。あとは1日1回瓶を振り、2週間から1ヶ月冷暗所で保管。各自持ち帰って出来上がりを待ちます。化粧水や軟膏の作り方など利用方法についても教えてもらいワークショップは終了。すでにハーブを活用している方やこれからハーブを取り入れてみたいと思っている方が参加したこともあり、終了後も参加者同士でおしゃべりが弾みます。

ローズマリーは、挿し木で増やすこともできるそうなのでこちらもお土産にいただきました。お料理から美容まで、幅広く活用できるハーブの魅力をたっぷり学んだ一日。ハーブを手軽に取り入れることができると知り、「ハーブのある暮らし」を始めてみたいと思いました。

岩手県「したみち農園」から届いたりんごを食べ比べ

岩手県「したみち農園」から届いたりんごを食べ比べ

2週間から1ヶ月後には見本(中央)のようなチンキが出来上がります

2週間から1ヶ月後には見本(中央)のようなチンキが出来上がります

ハーブの活用法をメモ。皆さん、顔が真剣です

ハーブの活用法をメモ。皆さん真剣な表情

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シェアハウスで開催するイベントは下記のURLよりご確認いただけます
http://share-park.com/?cat=30

誰もが楽しめる場づくり。Restaurant愛と胃袋オーナー石田恵海さん

Restaurant愛と胃袋オーナー石田恵海さん

Restaurant愛と胃袋オーナー石田恵海さん

三軒茶屋で安心安全にこだわった和テイストのフレンチレストラン

世田谷くみん手帖編集部(以下、くみん手帖):「レストラン愛と胃袋」が3周年を迎えたとのこと、おめでとうございます。まずはお店のコンセプトを教えていただけますか?

石田さん(以下、敬称略):ありがとうございます。外食を楽しみたいときに誰もが利用できる安全・安心なお店を目指しています。と言いますのも、私自身、足の手術をして車いすを一時的に使っていた経験や出産後まもなくなど、「外食を楽しみたいけれど、難しい」時期が。このような経験から「日本のおいしいとやさしいをテーブルから」をコンセプトに、どなたでも外食を楽しめるお店づくりをしています。

無農薬・低農薬の野菜や肉、魚など国産の安全な食材にこだわり、国産のみを取り揃えた日本ワインもお客さまに好評です。
また、障害福祉サービス事業所で作られた食材や加工品も仕入れています。こちらは支援ではなく、安全な原材料を使い丁寧に作られた美味しいものが多いという理由から選んでいます。

くみん手帖:「誰もが楽しめる場づくり」のために、具体的にはどのような配慮がされているのですか?

石田:ベビーカーや車いすでも入りやすいようにお店の入り口にはスロープを設置し、店内はバリアフリーです。小さな赤ちゃん連れの方のために、授乳スペース、おむつ台、ベビーチェア、キッズチェアも用意、離乳食や幼児食も提供しています。

店名「Restaurant愛と胃袋」の由来は、どちらも必要不可欠なものであり、互いがバランスよくあること。恋人、ご家族、ご友人など大切な方との愛が深まる食事の場でありたいという意味が込められています。

店名「Restaurant愛と胃袋」の由来は、どちらも必要不可欠なものであり、互いがバランスよくあること。恋人、ご家族、ご友人など大切な方との愛が深まる食事の場でありたいという意味が込められています。

店内にはキッズチェアも準備。居心地がいい空間になっている

店内にはキッズチェアも準備。居心地がいい空間になっている

離乳食としても食べられている米粉パンも人気

離乳食としても食べられている米粉パンも人気

小さなお子さまは長い時間じっとしているのは大変ですので、お子さまの食事を先に提供するなど楽しく時間を過ごしてもらえるように工夫しています。

車いすの方でも安心してご利用できるように、トイレは車いすが360度回転できる広さを確保し手すりも付いています。

くみん手帖:この3年間はいかがでしたか?

石田:お店を開店したのは、長男が生後半年のときで、保育園に預けるようになるまでおんぶをしながらお店に出ていました。ライター業では、お店の取材でオーナーからいろいろなお話を伺っていましたが、いざ自分がお店を運営する立場になると、聞くのとやるのでは大違い。いろいろな失敗を重ねながらの3年間でした。ただ、これからもますます食材とサービスにこだわり、どなたでも安心しておいしい食事を楽しむ場所にしていきたいと思っています。

自分が知りたいことを講座に

くみん手帖:石田さんは子育てサークル「おやこのおへそ」も主宰していますね。

石田:お店にはお子さま連れのお客さまが多く、開店当初から、食事の提供以外にも何かやってみたいと考えていました。店先で立ち話をする機会もあり、外出が難しい乳児連れのお母さんたちがもっと交流できる場があったらなと。

そんなときに、先輩経営者として旧知の仲だった、保育士と音楽家による親子コンサートを開催しているNPO法人Happy Mother Music代表の鈴木美美子さんから声がかかり、お店で0歳に向けた絵本読み聞かせの「おはなし会」を始めたのが「おやこのおへそ」のスタートです。

0歳でもすごく集中して楽しんでくれるのが発見でした。

くみん手帖:「おやこのおへそ」ではそのほかにどのような活動をしていますか?

石田:「おはなし会」のほかには、ピアノやバイオリンなど音楽と絵本の世界を楽しむ0〜3歳向けの「おとあそびの会」を定期開催しています。

それ以外にも、自分が子育てをしていて興味があることについて講師をお呼びし、お母さん向けの勉強会を不定期で開いています。今まで開催した講座の中には「被災ママ812人が作った子連れ防災手帖」という本を読んで感銘し、この本をプロデュースしたLo紀子さんにお願いした「子連れ防災講座」などもあります。

くみん手帖:これからはどのような講座に挑戦される予定ですか?

石田:自分の子どもの成長とともに子育ての課題も変わっていくはずなので、「おはなし会」や「おとあそびの会」を続けつつ、自分が学びたいと思う講座や、お母さんたちと接していて、開催の必要性を感じる講座を開催したいと思っています。

ワインは日本ワインのみ、というこだわり

ワインは日本ワインのみ、というこだわり

「近江プレミアム牛」は国産飼料100%で徹底的に安全にこだわって育てられているもの

「近江プレミアム牛」は国産飼料100%で徹底的に安全にこだわって育てられているもの

ゆっくりお食事を楽しみたい方は個室も

ゆっくりお食事を楽しみたい方は個室も

オーナーシェフの鈴木信作さんとは夫婦で二人三脚。ケンカをすることもある、というが、お互いの得意分野でお店を支える

オーナーシェフの鈴木信作さんとは夫婦で二人三脚。ケンカをすることもある、というが、お互いの得意分野でお店を支える

例えば、インターネットの情報を上手く活用する「ネットリテラシー」の講座は企画したいですね。情報収集や交流で使うSNSはお母さんたちの利用も多いですが、必ずしも正しい情報が流れてくるわけではないですよね。でも、母親をしていると「子どもを守らなくては」という意識が強く働くので、ショッキングなニュースに出合うと、それを鵜呑みにしたり、シェアをしすぎたりと、情報に対して無防備でいることでトラブルに陥るケースもある。そこをなんとかしたいなと考えています。

イベントは、1人でも気軽に参加できるような雰囲気を心がけています。イベントで知り合ったお母さん達が仲良くなって一緒にランチに来てくれたりと、笑顔の輪が広がっていくことがなによりも嬉しいので、お母さんたちの出会いの場をこれからも作っていきたいです。

とろっとした甘みとコクが特徴、深煎り珈琲はいかが?

水色と茶色は皆川珈琲のイメージカラー

水色と茶色は皆川珈琲のイメージカラー

おだやかな景色と珈琲の香り

祖師ヶ谷大蔵駅北口から祖師谷通りを10分ほど歩くと、大型団地の祖師谷住宅に隣接する緑豊かな「ふれあい遊歩道」が見えてきます。その向かいにあるビルの1階に「皆川珈琲」はあります。「ふらりとお店を見つけてくれたらうれしい」と話すように、素朴な佇まいの看板に気がつくと「何かありそう!」と足を留めてみたくなるお店。軒先には直物やセンスのよい小物が並べられています。

珈琲の香りが漂うなか、店からは「ふれあい遊歩道」に集まるご近所の方や散歩途中の方の、なごやかに談笑する姿が見えるのどかな場所。

以前、鍵屋だった店内はアルミサッシに囲まれています。「本当は木枠の優しい感じがよかったんですけど」と微笑む皆川さんですが、古いビルやアルミサッシの趣と調和している店内。好きなものに囲まれて仕事をしたいという皆川さんの感性が表れています。お客様から「ここはおもちゃ箱みたい」と言われとてもうれしかったと話す皆川さん。

軒先に並ぶ直物たち

軒先に並ぶ直物たち

お店からはおだやかな景色が広がります

お店からはおだやかな景色が広がります

焼き方から好みの珈琲を見つける

「皆川珈琲」には、フレンチロースト(深煎り)を中心に7~8種類の珈琲豆が店頭に並びます。深煎りが好きだったこと、また深煎りの珈琲は「苦い」というイメージが強く敬遠する方も多いことから、深煎りの珈琲には甘みがあること美味しい深煎り珈琲を知ってもらえるきっかけになればと、深煎りを扱うお店にしたそうです。

同じ豆でも焙煎度合いによって、まったく別物だと皆川さんは言います。珈琲豆を購入する際、豆の種類で選ぶことがありますが、味の土台を作っているのは焙煎度合い。好みの味を見つけることで珈琲を楽しんで欲しいという思いも深煎り専門店にこだわった理由のひとつ。まずは試飲を用意することで深煎りが好きかどうかを判断してもらうそうです。

「ブラジルという豆が好きなお客さまがいらしても、その方が他のお店で購入した豆が浅煎りなのか深煎りなのかでまったく異なります。自分の好みの焙煎度合いがわかると失敗が少なくなります。さらにその中で豆選びをすることで豆の違いを味わったり、好みの豆を見つける楽しみが生まれます」(皆川さん)

酸味や苦味など好みの味を決めてから豆を選ぶ。そしてお店選びも重要だそうです。

「同じ深煎りでもお店や釜の種類によっても違いが出ます。ここは直火のガス釜を使っていますが、電気や遠赤外線などいろいろあるので焙煎屋巡りも楽しいと思います」(皆川さん)

深煎りを中心に7~8種類のコーヒー豆が並びます

深煎りを中心に7~8種類のコーヒー豆が並びます

試飲で使用する陶器は皆川さんの手づくり

試飲で使用する陶器は皆川さんの手づくり

センスの良い珈琲雑貨も

センスの良い珈琲雑貨も

深煎りの珈琲豆は艶々

深煎りの豆で淹れた珈琲は、とろっとした甘みとコクが特徴。さらに皆川さんは、焙煎後1週間~2週間たった豆のとろみが好きなんだそう。珈琲豆には油分が含まれていて、焙煎時間が長くなるとともに表面に出てきます。浅煎りと比べると黒いだけではなく、表面が艶々しているので一目瞭然。

深煎りが好きな方には「memeブレンド」がおすすめ。しっかりした深煎りですが甘みと特徴のある味わいが楽しめます。「深煎りがはじめての方には、味が強すぎてしまうのでおすすめしていないんです」と控えめな皆川さん。

ハンドピッキングでは良い珈琲豆を作るために避けられない作業

ハンドピッキングでは良い珈琲豆を作るために避けられない作業

おもちゃ箱のような店内

お店に置いているアイテムは珈琲関連以外も。好きなものから派生したアイテムはバラバラでも統一した雰囲気があります。釣りが趣味だったこともあり、ルアーブランドを立ち上げた常連さんから贈られた皆川珈琲オリジナルルアー。お店のイメージカラーの水色と茶色のルアーは、釣具というよりセンスの良い雑貨に見えてきます。プライベートでも愛用しているという長崎の波佐見町の陶器ブランド「HASAMI」とスケートカルチャーとアートを融合する「坩堝(ルツボ)」がコラボレーションしたマグカップもお客さんとのつながりから取り扱うことに。

そして皆川さん自身も趣味で陶芸をしていたことがあり、お店では不定期ですが陶芸作家の作品を集めた展示会を開催しています。試飲で使用しているカップアンドソーサーは皆川さんの手作り。

焙煎はものづくりに似ていると皆川さん。ひとつひとつ手間をかけ心を込めて作られる「皆川珈琲」に足を運んでみませんか。

ウルトラマンのおもちゃは商店街の方からのプレゼント

ウルトラマンのおもちゃは商店街の方からのプレゼント

珈琲豆は100グラムから。プレゼント包装もできます

珈琲豆は100グラムから。プレゼント包装もできます

自家焙煎珈琲豆店「皆川珈琲」
東京都世田谷区祖師谷4-23-20 みきもとビル1F
営業時間:12:00~19:00
定休日:水
http://ameblo.jp/minagawacoffee/

書くことが楽しくなる小さな原稿用紙「MEMO-GEN」

140文字の原稿用紙「MEMO-GEN」

140文字の原稿用紙「MEMO-GEN」

Twitterから俳句や川柳、短歌まで

「PORT」が事務所を構えるのは、京王井の頭線池ノ上駅から徒歩3分ほど、味のある古い雑居ビルの一室。商店街には、昔ながらの八百屋や酒屋のほか、足繁く通うファンも多い隠れた名店が並ぶ街で、このビルの1階も今は大きなシャッターが閉まっているものの、昔は八百屋さんお肉屋さんや乾物屋さんがあつまる市場として賑わっていたそうです。

アトリエ兼ショップ&ギャラリーとしてオープンする土日には、シャッターの隣にある白いドアの横に「FORT by PORT」の看板が設置されます。築50年を超える建物は、外観だけでなく内装もノスタルジックな雰囲気。事務所内にある柱は太く、梁も天井から大きく張り出し存在感があります。

「PORT」は、ご兄弟でもある大竹雅俊(おおたけまさとし)さんと大竹雄亮(おおたけゆうすけ)さんの共同経営。独立する前からお互いのクリエイティブ論を語り合い、「こういうものが作りたい」「こういうものがあったら」と議論を深めていたそうです。

ある日「Twitterに対応するメモ帳があったらいいね」というアイディアが生まれ、互いの意見を重ね具体的に形に落とし込み「MEMO-GEN(メモゲン)」が誕生しました。140文字の制限を原稿用紙で表現し、印刷には活版を使用、スマートにメモを持ち歩けるよう二つ折りにするとクレジットカードと同じ大きさになるなどの細かいこだわりが随所に感じられます。そして『Twitterに対応するメモ帳』には大きな思いがありました。2011年3月11日東日本大震災直後、Twitterではさまざまな情報が飛び交いました。その中には間違った情報や信憑性に欠ける記事が多く出回り、混乱した人も多かったのではないでしょうか。

「パソコンやスマートフォンは気軽に書け、そのまま配信できてしまいます。手書きというワンクッションを挟むことで、書くことや考えることを見直せたらいいなぁと思ったんです」(大竹雄亮さん)

味のある古い雑居ビルの2階に事務所を構える「PORT」

味のある古い雑居ビルの2階に事務所を構える「PORT」

土日には、アトリエ兼ショップ&ギャラリー「FORT by PORT」の看板が

土日には、アトリエ兼ショップ&ギャラリー「FORT by PORT」の看板が

築50年以上の建物。内装にも赴きがあります

築50年以上の建物。内装にも赴きがあります

140文字の原稿用紙は、Twitterから俳句や川柳、短歌など日本の定型詩にも対応

140文字の原稿用紙は、Twitterから俳句や川柳、短歌など日本の定型詩にも対応

さらに縦を7文字にすることで、五音と七音の組み合わせによる俳句や川柳、短歌にも対応。古来より続く日本の定型詩に対応することで、幅広い層が活用できるメモ帳になりました。

つぶやきの対象を変えていこう

Twitterでいう自分のつぶやきの下書きが「MEMO-GEN」だとしたら、「LETA-GEN(レタゲン)」はつぶやきを相手に送るポストカード、「REPO-GEN(レポゲン)」はものにたいしてのつぶやきとして余白を多くとり自由に使える絵日記風の原稿用紙ノート、と原稿用紙のデザインを展開しながらアイテムが増えていったそうです。

そしてアイテムごとに素敵なエピソードや使い方も。
イベントに出店していると「LETA-GEN」を見た外国の方が「このポストカードで祖国の友人に日本語で手紙を送りたい」と、日本語の代筆を依頼されたこともあったそうです。

自由に使えるスペースが多い「REPO-GEN」は、ものづくりの作家さんが自分の作品をスペースに置き作品の説明を書いて展示したり、旅行の思い出を絵日記にして展示したりとクリエイターの方にも人気。

さらに原稿文具シリーズを国語の授業で活用している高校があるそうです。先生の話によると学生はtwitterの普及により140文字という文字制限に慣れているとか。400字詰めの原稿用紙に作文を書くより140文字の原稿用紙の方がすらすらと何枚も書けるそうです。二人組になり「MEMO-GEN」で連歌を作成したり、「REPO-GEN」を使い絵と作文を組み合わせた読書感想文など、さまざまな取り組みをされているとのこと。何より生徒の皆さんからは「可愛い」とうれしい声が。

ものづくりの作家さんはMEMO-GENで商品説明

ものづくりの作家さんはMEMO-GENで商品説明

たてよこ自由に使える「高橋久美子×PORT たてよこ詩作ノート」

たてよこ自由に使える「高橋久美子×PORT たてよこ詩作ノート」

高校生にも人気の原稿文具シリーズ

高校生にも人気の原稿文具シリーズ

小さな港で起こる、とっておきの時間

ヒトやモノが集まることをイメージして付けられた港という意味の「PORT」には、同じ商店街の方から名刺作成の依頼があったりと地域のつながりも徐々に増えているそうです。そしてアトリエ兼ショップ&ギャラリー「FORT by PORT」の「FORT」には砦や交易所の意味があり、集まってきた人たちと一緒に何かを行動できる「場」を作りたいという思いを込めてつけたとのこと。「ジャンルレスでいろいろなことをやっていきたい」と話す大竹雅俊さん。

「FORT by PORT」では不定期に、マーケットや展示会が開催されます。「MEMO-GEN」から始まり、人が集まる「港」ができた「FORT by PORT」に遊びに行ってみませんか。

ギャラリーには、陶器、木工雑貨、デザイナーのプロダクトなどが展示

ギャラリーには、陶器、木工雑貨、デザイナーのプロダクトなどが展示

大竹雅俊さん(左)と大竹雄亮さん(右)

大竹雅俊さん(左)と大竹雄亮さん(右)

FORT by PORT
東京都世田谷区代沢2-36-26 小坂ビル207
営業時間:12:00 ~ 20:00
営業日:土曜日・日曜日
HP:http://port.vc/

PORTへのお問い合わせはこちらから
http://port.vc/contact/

ありがとうを届ける道具店「ダイタデシカ」

大切な方への「ありがとう」と、つくり手からの「ありがとう」を届ける「ダイタデシカ」。

大切な方への「ありがとう」と、つくり手からの「ありがとう」を届ける「ダイタデシカ」

ゆっくりと変化を続ける世田谷代田

「ダイタデシカ」があるのは、小田急線の世田谷代田駅から徒歩約2分。昭和39年、環状七号線ができたことで商店街が分断されたこの街は、ここ数年若い世代の活動により、新規オープンする店が増えているものの、まだシャッターの閉まっている店舗が多い場所です。

この街をふたたび元気のある商店街にと奮闘しているのが、「ダイタデシカ」オーナーの南さんをはじめとする世田谷代田ものこと祭り実行委員の皆さん。2012年に全国からものづくりのつくり手を集めた「世田谷代田ものこと祭り」をスタート。祭りに集まる人の姿を見た実行委員の皆さんは、この姿を一年に一度ではなく、日常的な姿にしたいと考えるようになったそうです。「つくり手の道具を揃えたお店」があったら、ものこと祭りに近い景色が日常になるのではないかと、店舗を構えることを視野に入れるようになりました。

木のぬくもりを感じる「ダイタデシカ」の看板

木のぬくもりを感じる「ダイタデシカ」の看板

温かい照明の店内には、暮らしを彩る道具が並びます

温かい照明の店内には、暮らしを彩る道具が並びます

全国から集まる「暮らすこと」を彩る道具たち

「ダイタデシカ」には、「世田谷代田ものこと祭り」でおなじみのつくり手の道具のほか、全国からこだわりのアイテムが集まります。店内にはそのこだわりを感じてもらえる工夫が。まず店内にあるお手洗いには、今治タオルを使用。今治タオルは品質が高く独自の認定基準を持つタオルで、使えば使うほど肌になじむものだそう。何度も洗ったタオルを使ってもらうことでこだわりを実感できます。自分たちがガシガシ使うことで本当の良さを伝える「使う」「体験する」を増やしたいと話す南さん。

「ご飯茶碗ひとつをとっても、背景があるんです。深型のデザインは、隙間風が多かった日本家屋において冷めにくく、倒れない安定した形でした。暖房設備の発達や機密性の高い住宅が多い現代ではそういった心配もありません。このお茶碗は、浅く平らで、大変持ちやすく上品なデザイン。ご飯をよそっても内側の模様が見え、美味しさとともに絵柄の美しさも堪能することができるんですよ」(南さん)

店内にはワークショップや簡単な料理教室を開催できるスペースがあり、食器や調理道具なども取り扱いの道具から揃える予定だそう。すべて体験してもらうのは難しいですが、スペースや企画内容によって実感できるアイテムを少しずつ増やしていければと。

「カタログだけではすべてを伝えるのは難しいですよね。お話する時間があればこだわりを伝えることはできますが、炊きたてのご飯をお釜で炊いて、このお茶碗で食べてもらうことができたら、何もいわなくてもお客様自身が感じてくれると思うんです」(南さん)

使えば使うほど肌になじむ今治タオル

使えば使うほど肌になじむ今治タオル

絵柄も楽しめ、持ちやすく上品なデザインのご飯茶碗

絵柄も楽しめ、持ちやすく上品なデザインのご飯茶碗

ワークショップスペースには大きな黒板が。小さなお子さんを連れたお母さんでもゆっくり店内を見れる工夫があります。

ワークショップスペースには大きな黒板が。小さなお子さんを連れたお母さんでもゆっくり店内を見れる工夫があります。

つくり手にとって、きっかけづくりとなるようなお店に

「地方のつくり手が東京でお店を出すことはとても勇気がいること。ものこと祭りに出店してこの街のことをわかってはいるけれど、それだけではお店を構えることはないでしょう。もう一方で、世田谷代田に住まう方も、休日を過ごすには渋谷や下北沢など、外に出ないと楽しいことがないと感じている人が多いと思います」(南さん)

つくり手によるワークショップを定期的に開催したり、世田谷代田で面白いことができるんだという体験を重ねてもらいたいそう。「ダイタデシカ」がきっかけとなり、世田谷代田の空き店舗につくり手の工房やお店ができたらうれしい。世田谷代田に住む人や訪れる人が、休日を楽しめる街になってくれるのが夢」と南さんは言います。

大切な方への「ありがとう」と、つくり手からの「ありがとう」を届ける「ダイタデシカ」。その名前には「代田でしかできない体験・出会い」という意味がこめられているそうです。

ものこと祭りにも出店しているつくり手さんの作品が並びます

ものこと祭りにも出店しているつくり手さんの作品が並びます

ありがとうがたくさん

ありがとうがたくさん

ありがとうの気持ちがあふれた贈り物を探すなら、まずは「ダイタデシカ」に出掛けてみませんか?

ダイタデシカ
東京都世田谷区代田5-9-7
営業時間:13:00~20:00
営業日:金.土.日.月
HP:http://www.daitadeshika.com/

泥んこ田んぼアートと川場の美味しい食を体験!

川場村の大自然の中、手づくりのかかしを運ぶ子どもたち

川場村の大自然の中、手づくりのかかしを運ぶ子どもたち

前日から続く雨の中、世田谷区役所前に集合

世田谷区から川場村までは、バスでおよそ2時間30分。途中、高坂サービスエリアで休憩を挟みながら目的地を目指します。この日は7時15分に世田谷区役所前に集合。朝早い時間の出発のためバスの中では、朝食を摂る人、仮眠をとる人と各々の時間を過ごします。この日一番の心配は、昨夜から降り続く雨。泥だらけになるのだから多少の雨は気にしないと皆さん前向き!そんな思いが雨を吹き飛ばしたのか、川場村に近づくにつれ雨雲からくもり空になり、予報を裏切るうれしい天気となりました。

定刻通りバスは田植えが行われる田んぼに程近い、川場村の郷土料理と雪ほかた米の直火炊きが味わえる「名主の館(なぬしのやかた)」に到着。入り口では、田んぼアート実行委員会の「縁人(えんじん)」の皆さんのお出迎えが見えます。広がる大自然と澄んだ空気、築200年の日本家屋「名主の館」の趣のある佇まいに心が穏やかになるのを感じます。

着替えを済ませ、道の駅「川場田園プラザ」と「ホテルSL」を結ぶ吊り橋「ふれあい橋」のたもとにある田んぼへと向かいます。この「ふれあい橋」は、田んぼアートの全貌を眺めることができ観光スポットにもなっています。

田んぼに程近い、名主の館(なぬしのやかた)に到着

田んぼに程近い、名主の館(なぬしのやかた)に到着

田んぼアートの図面には細かい数字がたくさん!

田んぼアートの図面には細かい数字がたくさん!

カナダからの参加もあり、国際的な田植えに

カナダからの参加もあり、国際的な田植えに

大はしゃぎの田植えが始まります

一列に並んで田植えを行います

一列に並んで田植えを行います

大きくなぁ~れと苗に思いを込めます

大きくなぁ~れと苗に思いを込めます

川場村の関 清(せき きよし)村長、縁人リーダー久保田 長武(くぼた おさむ)さんからの挨拶のあと、田植えのレクチャーを受け、グループ分けされた持ち場へ移動します。田植えは長靴を履いて参加することもできますが、初心者の場合はぬるぬるとした泥水に足を取られバランスを崩しやすいので、しっかり踏みしめられる裸足で作業するのがおすすめ。田んぼに足を入れるとあちこちから「冷たいっ」「足が動かないっ」と子どもも大人も大はしゃぎ。

さぁ、騒いでばかりもいられません。なんといってもこの大きな田んぼのキャンバスを完成させるのがこのツアーの目的。田んぼに一列に並ぶと、等間隔に印がついたロープが目の前に。感覚をつかむまではこのロープを目安に植えるので未経験でも安心です。田んぼには、茅でポイントを打ちロープを繋げた下絵があるので、それを倒さないように普通米と黒米を植えます。中盤まで差し掛かると、「この部分は難しいから二人でやりましょう」「ここを逃げ道にして回りを植えましょう」と自然にどこのグループも一体感が生まれてきました。

「お昼にします!」の声に、みなさん待ってました!の笑顔

12時に近づくにつれて、「お昼まだかな」「お腹すいたね」の声が。2時間ほど作業をした後はみなさんお待ちかねのお昼。川場村の食を堪能できる昼食を楽しみにこのツアーに参加する人もいるほど。この日は、雪ほたか米のおにぎり・イワナの塩焼き・手打ちそば・5種類の天ぷら・ミート工房の山賊焼き・夏目漱石の糠床で漬けたぬか漬け・豚汁・搾りたての牛乳・雪ほたか米の糀酒(ノンアルコール)がテーブルにぎっしりと並びます。

雪ほたか米とは川場村自慢のお米で「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」にて7年連続金賞を獲得したお米。お蕎麦は、当日の朝に川場蕎麦協会の皆さんが打ったもので、蕎麦の味がしっかり。食べすぎると動けなくなってしまうと思いながらもつい御代わりを。お腹が満たされた後は、散歩やお昼寝、地元の皆さんとおしゃべりしながら時間を過ごし、ゆっくりとした時間が流れます。

作業が予定より進んでいたので午後からは、田植えとかかし作りのグループに分かれました。予想外のかかし作りに大喜びの子どもたち。鳥などから大事な稲を守ってくれる「かかし」を田んぼに立て、無事に作業終了。縁人の皆さんとはここでお別れし、車で10分ほどのところにある天然温泉「世田谷区民健康村ふじやまビレジ」を目指します。温泉で疲れをとり、館内にあるお土産コーナーで買い物を楽しみ、川場村を後にします。帰路、バスの中はおしゃべりする声も少なく眠りの中へ。

イワナの塩焼き。外で調理する魚を見て、子どもたちも大はしゃぎ

イワナの塩焼き。外で調理する魚を見て、子どもたちも大はしゃぎ

田園プラザでも人気ミート工房かわばの山賊焼き

田園プラザでも人気ミート工房かわばの山賊焼き

お腹もいっぱい、緑が気持ちいお布団

お腹もいっぱい、緑が気持ちいお布団

農作業の他に美味しい食事と温泉が楽しめるツアーに魅了され、常連になる方も多い「田んぼアートツアー」。なかには過去4回すべてに参加している方もいらっしゃいました。かくゆう私も2回目の参加で、田植え体験や食を味わえるだけではなく、その後自分が植えた田んぼがどのように成長するかワクワクしたり、秋の稲刈りも楽しめるツアーです。

7/25現在の田んぼの様子。成長記録は縁人ブログで配信しています

7/25現在の田んぼの様子。成長記録は縁人ブログで配信しています

イベントやツアーに参加してみたい!

川場村にある「世田谷区民健康村」では、田んぼアート以外にも食や自然のありがたみを楽しみながら学べるイベントが年間を通してあります。食を楽しみたい方には果実の収穫を体験できる日帰りバスツアー、農業を学びたい方には農業技術教室など目的に合ったイベントやカリキュラムを選ぶことができます。四季折々の川場村を体験してみてはいかがでしょうか。

健康村の楽しみ方
http://www.furusatokousha.co.jp/enjoy/index.htm
日帰りバスツアー
http://www.furusatokousha.co.jp/enjoy/bus.htm
オリジナルイベント
http://www.furusatokousha.co.jp/shisetsu/op_ibennto.htm
縁人ブログ ※田んぼアートの様子を配信
http://www.vill.kawaba.gunma.jp/enjin/